書籍-翻訳以外の参考書

2025年7月 9日 (水)

『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか: 知られざる戦後書店抗争史』

感想を一言にまとめると、「うーむ。厳しいな」です。書店は厳しい。そして、我々翻訳者も、(最近話題になっている)専業で食えるだけの条件を獲得するのは厳しい。そう、思ってしまいました。

戦後、書店を取りまく環境がどう変わり、それに書店はどう対処し、どうつぶれてきたのか。その歴史を豊富な資料から描き出したのが本書です。我々翻訳者も、出版翻訳に携わる(あるいは携わりたいと考える)なら読んでおくべきでしょう。我々が訳した本は、書店経由で消費者に買ってもらってなんぼなわけですから。

 

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2019年2月11日 (月)

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

しばらく前に仲間内で話題になっていたので読んでみました。翻訳にかかわる人、特に産業系の翻訳にかかわる人は一読しておくべき本だと思います。

著者が訴えたかったこととは別に、翻訳にかかわる人にとって大事なことが2点あると思います。

ひとつは、最近の機械翻訳がなにをどうしているのか、その概要がわかること。機械翻訳+ポストエディット(MT+PE)について考えるなら、このくらいは知っておくべきという基本の部分がわかりやすく解説されています。

先日の「翻訳者視点で機械翻訳を語る会」で、MTが不思議な挙動をするってSakinoさんが実例を挙げて語ってましたが、こんなやり方してるんだったら、そうなるのも当たり前だよなと思ってしまいました。たとえば、肯定・否定の訳しまちがいとか。そういう正確性より可読性を重視した仕組みになっているわけです。概要を斜め読みするにはこのほうがいいんだろうけど、これを下訳だと思うのはとても危険だとも思っちゃいます。

もうひとつは、我々の翻訳を読む人々の読解力がどの程度なのか、それが調査に基づいて語られている点。上記部分を読むと、MTはさいころ転がしているようなもので当てにならないことがわかるのですが、実は、人間も、さいころ転がすのと大差ない読み方しかできない人が少なくないのだそうで。

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