"exponential"は「指数関数的」か
いや、まあ、そうだと言えばそうなんですけど、ね。
文字どおり、ですし、辞書も、指数関数的が基本で、急激という意味でも使われるっていう記述がほとんどですし。
でも、指数関数的ってふつうの人が使う言葉じゃないと思うんですよね。と言いつつ、実は、ずっとそこで止まっていたんですが……このところのコロナ騒ぎで、なんて言えばふつうの人にわかりやすいんだろうと改めて考えてみました。
指数関数的増加って、底が2なら倍々ゲーム、底がもっと大きければねずみ算とかって言われてきたものと同じですよね。加速度的とかうなぎのぼりとかも、イメージとしては当たらずとも遠からず、でしょう。ほかに、雪だるま式に増えていく、みたいな表現もあります。急上昇、急成長、急激な増加などは、増え方が増えていくという意味が消えるので苦しいケースが多いとは思いますが、そういう意味で使われていることもあります(辞書にも記載があるくらいで)。
たま~にですけど、幾何級数的とか、級数的、等比級数的などの表現も見かけます。これも、一般には意味不明な表現ですよね。特に幾何級数。私、もともと理系ですけど、幾何級数って、どんな級数だったっけと思ってしまいますもん。っていうか、数学で幾何級数って出てきた記憶がなく、幾何級数的増加みたいな形でしかお目にかかっていないように思います。
“exponential growth”とか言うとき底ははっきりしていないのが普通なので、そういう意味からは、総称となる「指数関数的」としておくのが無難とは言えます。でも、ねぇ。専門的な話ならともかく、一般向けの文章で指数関数的って、浮くと思うんですよね。ちなみに、コンピューターとかかわる形で使われることが多いからか、具体例が出ているときは2を底としていることが多い。ということは、倍々ゲームあたりが無難という面では次点でしょうか。
まあ、最近はよく見るしいいんじゃないかと言われそうな気もします。
でも、それ、ふつうの人にもちゃんと伝わっているのでしょうか。
ちなみに、コロナ騒ぎで「指数関数的に増えていく」ってテレビで言われ、どういう意味だろうと調べたという友だち(←翻訳者じゃないふつーの人)がいます。本人に確認してみたところ、倍々ゲームとかねずみ算とかって言われていればわかったのにとのことでした。
よく見るからうんぬんは……言葉の変化には一歩遅れてついていく、が翻訳者の基本だと思いますし。よく見るって言うなら、最近、すべてがすべてに溶けていってて、それこそ、部分否定のつもりで「すべてできない」みたいになってることさえ多かったりしますけど、部分否定は当然として、それ以外も「すべての~」みたいな書き方は必要なとき以外使わない、とかね。あと、非常にが非常に多いのも、非常に気になっていたりします。最もも最も多くて最も気になっていたり。
余談ながら……
倍々ゲームなら、指数関数的増加よりはわかりやすいでしょうし、なんとなくわかった気にはなるのでしょうけど、それがいかにやばい増え方なのかまでわかるのかというと、それは難しいだろうなとも思います。1、2、4、8、16、32と頭のほうだけだとたいした増え方に見えないのに、たいがいは、そのあたりで思考停止してしまうので(説明も、たいがいこのあたりで終わる)。30回もくり返してみれば、さすがにびびるはずなんですけど、ね。
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コメント
「ふつうのひと」が何を指すかによると思いますが
高卒なら理系文系問わず指数関数は知ってて欲しいですね
投稿: a | 2020年7月24日 (金) 16時44分
たしかに、文系であっても高校で習う範囲ですから、知っててほしいというのはそのとおりですね。同時に、高校で習ったもの、すべてを、(名前を知っているだけでなく)本質的な意味で理解している人がどれだけいるかと言えば、おそらく、そうそういないっていうのも、また、事実なのではないでしょうか。
少なくとも私は、わからないことがあるほうのグループに属しています。社会の科目で習ったこと、全部わかっていたらどんなにいいかと、いま、思っていますから。一応、県内一と言われる進学校で成績もよかったんですが……
投稿: Buckeye | 2020年8月17日 (月) 07時14分