翻訳-イベント

2019年11月 2日 (土)

「『翻訳と〝絵〟』ワークショップ」(翻訳フォーラム・レッスンシリーズ#15)

11月9日、つまり、来週の土曜日に、東京池袋で「翻訳と〝絵〟」をテーマとしたワークショップを行います。

■告知ページ(画像をクリックすると申し込みサイトにジャンプします)

テーマは『翻訳と〝絵〟』。我々が考える翻訳の基礎となる部分であり、これなくして翻訳はありえないし、ここをミスるとそのあとなにをしても無駄になると思う部分です。実際問題、やらかしてしまうときって、ここでミスってるし、ゲラ読みしていて気づいたり編集さんに指摘していただいたりして冷や汗をかくこともなくならないんですが……(そして、関係者のだれも気づかずそのままになっているものも、きっと、あるはずで……)

基礎の基礎であり、かつ、どこまで行っても難しい作業、というところでしょうか。

今回は、中心となって翻訳フォーラムのシンポジウムを推進している4人のうち私をのぞく3人が講師役で登場します(私は、この日、自転車レースに出場するため沖縄に行っているので顔を出せません)。参加できないとはいえ私も準備の様子は見ていまして、いろいろと工夫がこらされていることを知っています。関係者である私が言うのもなんですが、かな~り豪華な内容になってると思いますよ。JTF翻訳祭がらみで思ったことシリーズでも触れた「かえるがぴょーん」の話などもある予定です。

今回は、JTF翻訳祭と日程がかなり近いせいか、申し込み締め切り直前になっても、まだ、若干の席が残っています。最近、翻訳フォーラムのイベントは、シンポジウムもワークショップも売り出し直後に瞬殺となることが多いので、チャンスかもしれません。

申し込みは明日の11月3日、明日の正午まで。迷うくらいに興味のある方は、思い切って受講してみられることをおすすめします。

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2019年11月 1日 (金)

JTF翻訳祭2019のツイートまとめ

JTF翻訳祭2019関連のツイート、まとめができています。

『第29回 JTF翻訳祭2019』関連まとめ

ここしばらく書いた感想の元記事も、こちらにまとまっています。おそらく、今日以降に上がってくる翻訳祭レポートもまとめられることでしょう。なので、ここにリンク集を作らず、ツイートまとめをメモしておくことにします。

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JTF翻訳祭2019のレポートを読んで思ったこと-その3「機械翻訳に関する提言について」

思ったことシリーズ第3弾は、別のブログを読んで思ったことになります。

2019年翻訳祭④ 翻訳祭レポート①(会場到着からセッション1まで)」千里の道を一歩ずつ~ときどきひとやすみ~

こうやっていろいろとレポートしていただくと、参加できなくても多少のことはわかるので助かりますね~。興味関心のポイントは人それぞれですから、その場に行って自分の耳で聞くのが一番ではありますけど。

今回取り上げるのは、発表をされた開発者の方が翻訳者への提言としてあげられた3点です。

  • Light Post-editorを見下してはいけない
  • 質の高い訳を目指して努力することはもちろん重要だけど、プロならば相手の要求に応じて最適な(効率的な)方法で翻訳が行えるようになるべき
  • もっと機械翻訳について学ぶべき

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2019年10月30日 (水)

JTF翻訳祭2019のレポートを読んで思ったこと-その2「MTPEと実力涵養」

JTF翻訳祭2019のレポートを読んで思ったことの第2弾です。前回に引き続き、屋根裏通信のレポートから(余談ながら、ここのイベントレポートはいつもすばらしいできです)。

翻訳祭2019(於:パシフィコ横浜)」@屋根裏通信

今回は、3時間目「NMT+PE=医学翻訳の新たな潮流」(津山逸)から。

>> 人力翻訳能力が高い翻訳者でなければよいPEはできない

これは、まあ、そうでしょうね。翻訳能力が高い翻訳者ほどPEをやりたがらないという問題がありますし、そこに理由があるというか、その理由がMTPEの欠点だったりはするのですが、「MTPEをする」を前提に考えるのであれば、上記のとおりでしょう。ほかのセッションでも、似たような話が出たようですが、まっとうに考えればそういう話になるので、当たり前だと言えます。

>> 100点を求める必要はない。「ちょうどよい」レベルでよい。

これは、MTPE推進派の方々がよく言われることですが、しごく妥当な話だと思います。基本的にコスト削減が目的なわけで、MTPEにおいては、「ちょうどよい」レベルを超える部分は過剰品質だと考えるべきでしょう。

また、レベル40のMT出力をレベル60まで引き上げるなら最低限の手直しですむかもしれないが、その先、レベル60→レベル80とか→レベル90とかは加速度的に修正量が増え、そのどこかで「訳直した方がはやい」となってしまいます。

というわけで、このあたりまでは、推進に賛成している方の意見として妥当ですねという感じなのですが……

>> ただし、常に100点のものができる実力はつけておく必要がある

はぁ?

「MTPEをする」を前提に考えたとき、その力、どうやって身につけるんでしょう。百歩譲って、その力がついてからMTPEをやれということだとしても、その場合、その力をどうやって維持するんでしょう。

何点なら「ちょうどよい」レベルなのかは案件によって異なるんでしょうけど、でもそれは、当然ながら、100点より低いわけですよね? ご本人も、「100点を求める必要はない。『ちょうどよい』レベルでよい」と言われているわけですし。毎日毎日、下手すれば1年365日、朝から晩まで、60点なのか70点なのか80点なのか、ともかく、「ちょうどよい」レベルのアウトプットを続けて、100点の力、維持できるんですか?

寝言は寝てから言ってください。

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2019年10月26日 (土)

JTF翻訳祭2019のレポートを読んで思ったこと-その1「multi-profession(複業)」

JTF翻訳祭2019について、ぽつぽつレポートが上がり始めました。企画された方々と登壇された方々ががっぷり組んで、全体として、とても勉強になるいい会になったようですね~。行けなかったのが残念です。

そのひとつでちょっと気になる部分があったのでこの記事を書いています。

「翻訳祭2019(於:パシフィコ横浜)」@屋根裏通信

まずは、2時間目「機械翻訳時代のサバイバル戦略」(井口富美子・梅田智宏・加藤泰・成田崇宏)において、生き残り戦略として提案されたとレポートされている(↓)です。

>> multi-profession(複業)で生きる

どういう文脈で出てきたのかわからないんですが、「機械翻訳時代のサバイバル戦略」のひとつが「複業で生きる」なはずで、ということは、普通に考えると、「MTが普及して翻訳業界の仕事じゃ食えなくなったら、なにか別のことも始めて複業にしたらいいんじゃね?」という話のように思えます。

んなアホな。

どんな商売でも軌道に乗せてお金を稼ぐのは容易じゃありません。片手間でやってがんがん儲かるなんて話はまずありません。たまたま、なにかについて人並み外れた目利きだとかがあればいいけど、普通の人がまじめにやって稼げる額なんてたかが知れてます。

……と、これだけでもいい気がしないでもないのですが、もう少し詳しく検討してみましょう。

念のため書いておきますが、この点がそんなはずないじゃんという話だったとしても、このセッションの全体がだめということにはなりません。っていうか、このセッション全体は、いろいろと考えさせられるとてもいいものだったと多くの人が評価していますし、そういう人たちが言っていることを読んでも、また、そもそもパネリストの顔ぶれを見るだけでも、よかったんだろうなと思うものだったりします。

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2019年7月18日 (木)

翻訳を勉強する会・番外編 「訳文による絵の描き方」-参加御礼+α

「翻訳を勉強する会・番外編 ― 訳文による絵の描き方」、無事終了しました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。事務局として奔走し、スムーズな進行を実現してくださったお三方、ありがとうございました&お疲れさまでした。

ツイートまとめ
2019/07/14大阪 翻訳を勉強する会・番外編 実況ツイート #翻勉2019


事務局さよさんのブログ
「訳文による絵の描き方」(井口耕二さんセミナー「翻訳を勉強する会・番外編」)

前半2時間は、翻訳フォーラムのシンポジウムで話した内容やブログ記事に書いてきた内容を集大成したような形にしました。関西だと、私の話は初めてという人が少なくないはずですから。なんども聞きに来てくださっている方の顔もありましたが、あちこち、新ネタをできるかぎり混ぜ込んだので、聞くのが2度目、3度目という方にとってもそれなりの話になっていたのではないかと思います(思いたい^^;)。

後半1時間は、翻訳を勉強する会の事務局をされているお三方からいただいた訳文を使い、訳文をブラッシュアップするにはどうすればいいのか、訳文側できちんと絵を描くにはどのあたりを見ていくといいのかなどの話をする、ということになっていました。

このあたり、企画段階の話がさよさんのブログに書かれていたりするのですが( 「翻訳を勉強する会」番外編・裏話など)、これ、実は私にとってもすんごく怖い企画でして。だって、どういう原文が使われるのかも、どういう訳文が出てくるのかも、まったくわからない状態で、「訳文の公開検討会をやります~」と宣言するわけですから。私にとっても初のやり方なので、経験からなんとかなるでしょと思えることもありませんし。

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2019年6月 1日 (土)

翻訳を勉強する会・番外編 ― 訳文による絵の描き方

先日、大阪で勉強会をしている方々が東京出張版をされたとき、そちらの幹事さんからお声をかけていただき、7月14日(日)に、半日、大阪で話をすることになりました。

内容は、上記ページ(画像をクリックすると申し込みページに飛びます)にも書いていますが、今回の翻訳フォーラムシンポジウムで話したことの拡大版という感じになります。

シンポでどういう話をしたのかは、この勉強会の幹事、さよさんが上手にまとめておられるので、そちらを参考にしてください。

翻訳フォーラムシンポジウム2019・レポート1

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2019年5月29日 (水)

翻訳フォーラム・シンポジウム2019~足さない・引かない~

この週末は、毎年恒例となっている翻訳フォーラムのシンポジウムでした。記録的な猛暑のなか、来てくださったみなさま、ありがとうございました&お疲れさまでした。会場設営その他、運営のお手伝いをしてくださったみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。物販に駆けつけてくださったみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。

おかげさまで今年も盛況で、各地から翻訳者が160人くらいも集まり、12時から5時過ぎまで、今年のテーマ「足さない・引かない」を軸に、翻訳とは本来どうあるべきなのかを語り続ける会となりました。専門分野に関係なく、翻訳に共通する基本について、心に響いたものをなにか持ち帰っていただくことはできたでしょうか。

翻訳業界では、最近、機械翻訳の導入うんぬんに絡んで、あれこれ考えて足したり引いたりできるのは人間ならではある、翻訳は足したり引いたりしてなんぼ、というような意見を見るようになりました。対して我々は、原文と同じ絵を届けられる訳文にするため言葉を足したり引いたりするのは「足さない・引かない翻訳」である、逆に、字面で「足さない・引かない」を実現したがゆえに「足しちゃった・引いちゃった翻訳」になるケースもありうる、足し引きの判断はあくまで絵を基準にすべきだと考え、今年のテーマとして取り上げることにしました。

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2019年1月23日 (水)

翻訳者視点で機械翻訳を語る会

先日(1月14日)、「翻訳者視点で機械翻訳を語る会」なるものに参加してきました。

正直なところ、私には、無縁の話なのですが。機械翻訳+ポストエディット(MT+PE)に関わる必要のまったくない分野で仕事をするようになっていますし。そうなってからもしばらくは、自分と関係はないが業界の健全化をめざして情報を集め、翻訳会社などにできるかぎりの働きかけをするといったことをしていましたが、日本翻訳連盟の理事も退任し、そういう立場でもなくなったので。なので、もともと参加はしないつもりでいました。ですが、主催するコアメンバーから、できれば来てくれとの話があり、行くことになりました。

それはともかく。

かなりインパクトのある会になり、参加した人がいろいろな感想をネットに上げられています。

当日どういう話があったのかは上記を読んでいただくとして、思ったことをメモしておきたいと思います。かなりとっちらかった記事になりますが、あくまで雑感ということで読み流していただければ。

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2018年6月 6日 (水)

翻訳フォーラムシンポジウム2018――アンケートから

翻訳フォーラムシンポジウム&大オフ2018、参加した方々にアンケートをお願いし、たくさんの方から回答をいただきました。ありがとうございます。不満や改善要望なども含め、今後の参考にさせていただきます。

訳出の実例を披露した私のセッションも、おおむね好評だったようでほっとしております。

私のセッションについて、あれは翻訳じゃない、新規執筆のようなもので通常の翻訳ではありえないというような感想をいただいたので、ちょっと補足などを。

セッション冒頭でも触れましたが、私がいま主戦場としている出版翻訳は訳者の名前で訳文が世に出ることから訳者の裁量がかなり大きいと言えますし、そのなかでも、私は踏みこんだ訳を作る方だと思います。対して産業翻訳ではいろいろな制約があり(特許とか制約が多そうですよね~。まあ、出版翻訳にもそれなりに制約はあるのですが……)、そこまで踏みこめないことも多いでしょう。また、踏みこんだ訳にすればするほど勝手訳に陥る危険性が高まります。なので、翻訳を勉強中の方やプロになって日が浅い方は安易にまねしないほうがいいと思います。

勝手訳については(↓)をご覧ください。

一般論としては上記のようになるわけですが……じゃあ、私自身についてはどうなのか、産業系の仕事をするときには「お行儀よく」するのかと言うと……基本的にそんなことはしません。それどころか、ああいう踏み込みを売りにしてきた、が正直なところだったりします。産業系の仕事にも、あそこまで踏みこんだ訳が評価される案件があり、私はなるべくそういう案件を選んできたと言ってもいいでしょう。そういう案件を「通常」と呼ぶのかどうかという問題がまた別にあるかもしれませんが、少なくとも私の場合、クライアント直はほとんどがそういう案件でしたし(というか、そこを買ってもらったから翻訳会社の売りより高い値段で仕事を請けられたんだと思います)、翻訳会社経由の仕事も後半はそういう案件ばかり請けていました。つまり、私にとってはそれこそが「通常」だったわけです。

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