書籍-参考書(お勧め)

2010年9月 4日 (土)

『「予測」で読解に強くなる!』『文章は接続詞で決まる』

文章には流れというものがあります。この流れについて考えてみるときのとっかかりとして参考になる書籍、2冊です。いずれも新書なので、でかけるときにカバンに入れて電車の中で読むなど、気楽に読むことができます。ただし、我々にとっての勝負はそのあと。書いてある内容を翻訳という仕事にどう生かすのか、具体的なやり方のレベルまでブレークダウンし、かつ、くり返し練習してみる必要があります。

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2009年10月21日 (水)

『基礎日本語辞典』

この本、先日開催されたプロ翻訳者同士の勉強会で推奨された中に入っていたと聞いています。

私も2年ほど前に購入しました。よく使われる単語の意味と使い方、似た単語の意味範囲の差異などがかなり細かく記述されていますし、用例も豊富に載っています。単語という側面から文脈を理解する、文脈との関係で単語を理解するとはどういうことなのか、この本を読めばそれなりに理解できるはずだと思います。(「文脈理解」とは理解しにくいものなのだろうか?


1200ページを超える大部ですし、必ずしも全部が我々翻訳者の役に立つわけでもないとも思います。最初から順番に全部読もうとするより、ときどき、パラパラとめくっておもしろそうだと思ったところ(そのとき自分に問題意識がある項目)を読んでみるといった使い方のほうがいいでしょう。少なくとも、最初から全部を読もうとしたら、私は投げ出してしまうと思います。

この本のアチコチを読んでみれば、文脈との関係で単語を理解するとはどういうことなのかが理解できるはずだと思いますし、簡単な単語ほど翻訳が難しいということも理解してもらえるのではないかと思います。

高い本ですけど、買って損のない一冊でしょう。

  参考記事:デザインと翻訳

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2009年7月13日 (月)

『<不良>のための文章術』『インタビュー術!』

まいったというかなんというか……そのくらいいい。プロライターになりたいと思う人たち向けの本だが、翻訳者も必読だ。

翻訳関係で知り合ったのだが今はライター・編集者系の仕事が多い友人が別の友人に勧めていたので私も何気なく買って読んだ本だ。正直な話、まったく期待せずに読んだのだが、いい意味で期待を裏切られてしまった。

ここしばらく翻訳学校で教えているが、クラスでは、「まず枠組みを把握しろ」とくり返している。私が言う「枠組み」とは、「誰が誰に何をどのように伝えようとしているのか」だ。

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2009年6月25日 (木)

ウェブ検索の肝

今週頭の2009年6月22日(月)、フェローアカデミーの受講生を対象にウェブ検索のセミナーをしてきた。依頼があったのでやったわけだが、正直、ウェブ検索だったら、もっと適任がいるんじゃないかと思った。それこそ、安藤進さんとか(↓)。

ちなみに、この本、私も持ってます。JTFのパーティで安藤さんにお会いしたとき、もうすぐこの本が出るとお聞きして、「前のものは持っているから新しいのも買う」と言ったら献本でいただいてしまいました……もらったから言うんじゃありませんが、とてもよくまとまっていていい本だと思います。具体的な検索テクニックなら、この本を買って読んで、実際に試してみるのが一番です。

でもともかく、依頼されて請けたのだから、準備をして、2時間、何かをしゃべってこなきゃいけない。

そのために改めて、今まで、検索関係であったアレコレのやりとりを思い起こしてみると……検索テクニックの前に大事な話があるのに、それが意外なほど、正面切って取りあげられることがない(端々にしか出てこない)という点に気づいた。

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2009年2月10日 (火)

『トライアル現場主義』

これからトライアルに挑戦したい、トライアルに挑戦中である、あるいは、トライアルに通ったり落ちたりしていて合格率を上げたいという人にお勧めの本。

プロ翻訳者として一応活動しているが「売れる訳文」とはどういうものであるのかよくわからないという人にも一読をお勧めします。題材がトライアルなのでレベル的には低めになりますが、それでも商品として売れる翻訳の片鱗が見えるはずです。

翻訳会社である伝株式会社の近藤さんが書かれた本で、実例が豊富に載っています。近藤さんは2年間、日本翻訳連盟の理事としてご一緒した方なのでそれなりによく知っているのですが、さすが、トライアルの採点を数多くこなしてこられた近藤さんが書いた本っていう感じに仕上がっています。トライアルに関する具体的な話はこの本が言い尽くしているといってもいいくらいで、ここまでまとめられてしまったらこのネタで他の人が書くことはできないなと思うくらいです。

実は『実務翻訳を仕事にする』の改訂版的な本を2010年春をめどに出すプロジェクトが進行中なのですが、この中でも、トライアルに関する具体的な話はこの本を紹介して終わりにしようと考えていたりします。『トライアル現場主義』に書かれていない部分は取りあげますけどね。

ぜひ、絶版にせず出し続けてください>丸善さん

読むときは、課題を自分で訳してから解説部分に進むことをお勧めします。通読するだけでもそれなりに得るものがあるはずですが、自分で訳してみないとわからないことも多いと思いますし、翻訳というのは手を動かさずに身につくものでもないと思いますから。

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2008年7月17日 (木)

『象は鼻が長い』

私としてはお勧めの書籍なのだが、日本語文法をよく勉強している人に言わせると、いきなりここに飛ぶのは分かりにくい、今はいい日本語文法の本がいろいろ出ているからそっちから入ったほうがいいのだそうだ。そういうわけで、お勧めすべきかどうかちょっと悩ましい。

とにかく。

私が日本語文法を勉強してみようと思うきっかけになった本がコレ。

「てにをは」の「は」だけを取り出し、その機能を、数多くの例文を用いて検討した本だ。

書かれている内容を乱暴にまとめると(↓)になると私は思う。

  • 「は」は「がのにを」を代行する
  • 「は」はテンやマルを超えて影響を及ぼす

「は」か「が」かなど、「は」と「が」を並べて議論することが多いが、そういうものではないというのが本書の内容。「『は』と『が』は主語を表す」もので、ケースバイケースでどちらを選ぶのかが決まるのだと思っていた私は、本書を読んで目から鱗が落ちる思いをした。そしてこれが、日本語の構造などを勉強し、それを活用して英日で訳文をリファインするさまざまなポイントの練習を始める契機となった。

前述のように、誰にでも勧めるべきかというと反対意見もあるので迷うのだが……自分の頭でいろいろと考えてみないと身につかないと思うので(「体育会系翻訳トレーニング論」)、やはり、一度は読んで、どうやったら、ここに書かれていることを訳文の組み立てに応用できるのかを考えてみたほうがいいんじゃないかと私は思う。

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2008年6月16日 (月)

『日本語の作文技術』

外国語から日本語への翻訳をするなら必読の書。なにせ、この本の「目的はただひとつ、読む側にとってわかりやすい文章を書くこと」というのだから。

いや、読んだだけではダメ。書かれていることを一つずつ、一定期間、練習して身につけるべきだ。

身につけるべき内容は、第一章から第六章まで。あと第八章も、ときどき読み返したほうがいいだろう。その他の章は、翻訳という観点ではあまり役に立たない。原文という形で我々の目の前に提示された段階で決められており、翻訳者の裁量でどうこうできる部分ではないからだ。

そうして練習してみるとまごつくのが第四章にある「テンの打ち方」。

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