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2022年10月

2022年10月 2日 (日)

ビジネス vs. 職人仕事

ビジネス vs. 職人仕事

ずいぶん前に書いたのに、投稿を忘れていたようですm(._.)m

■寿司職人が何年も修行するのは、本当にバカな行為なのか

なる記事をみかけました。だいぶ前に書かれたものなのですが。

我々の仕事も同じだよなと思いました。っていうか、昔から、私は、「我々は職人ですから」とよく言ってきています。職人って、どんな仕事でも同じなのではないかと。

ギリギリ客に出せるレベルなら、それなりの手間暇で到達できます(全員とは言わない)。そこまで効率的に到達する方法もそれなりにあるでしょう。でも、そこからもう一歩、二歩、三歩先のレベルまで行きたければ、かなり長い時間をかけてさまざまな努力をしなければなりません。

寿司職人と違う点は、製品を作るときにも同じことが言えるってことと(寿司職人の場合、少なくとも客前での仕事としては、上手な人のほうが時間がかかるってことはない、はず)、そこでどういうやり方をしているかでさらに伸びたり、逆に手が荒れて力が落ちたりするってことでしょうか。

ギリギリ客に出せる質でよければやり方はいろいろあります。いわゆる「効率的に仕事をする」という方法も含めて。でも、そこからもう一歩、二歩、三歩、先に行こうとすればとたんに非効率になってしまいます。「ビジネス」として考えるなら効率を最優先に追求するのもアリでしょうし、たぶん、短期的にはそのほうが儲かるでしょう。

でも、そういうやり方で、一生、仕事をしていくことができるのでしょうか? 職人は、自分の腕一本で生きていかなければならない世界なのに。モチベーションなど自分側の問題もあるはずだし、仕事環境の変化など外部の問題もあるはずなのに。ついでに言えば、もう一歩、二歩、三歩、先に行けば、単価を上げたり仕事を選んだりできるようになるはずだし(少なくとも私はそういう例を掃いて捨てるほど見てきた)、そうなっている人は業界内で「あの人はいいよね」と言われることが多いのに。

基本的に、翻訳会社はビジネスの世界、我々現場は職人の世界。

翻訳業界を見る際には、そういう視点も加味する必要があると思います。

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