トークイベント「英日翻訳に役立つ日本語学習のヒント」
日本語教育の研究も実践もされている横田亜朱紗さんを迎え、駒宮俊友さんが行われたトークイベント「英日翻訳に役立つ日本語学習のヒント」を聞いてみました。
こういう話、大事です。日本語の勉強って大事なのにやってる翻訳者が少なすぎると私は思っているので、このブログでも、日本語の話ばっかりしていたりするわけです。私自身、ここ20年、英語より日本語の勉強をしている時間のほうがず~っと長かったりしますし。
内容としては、例として、似て非なる表現の違いをいくつか取り上げ、そのあたりが解説されている本などが紹介されたりしました(↓)。また、少納言・中納言などのコーパスも簡単に紹介されました。
この部分で紹介された本、とりあえず、持っていなかったものは買ってみました。類似表現の使い分け辞典みたいなものはあんまりなかったりするので、ちょっと楽しみだったりします。翻訳の現場でどこまで使えるか、届いたら使ってみたいと思います。
『くらべてわかる日本語表現文型辞典』は類似表現の使い分け辞典という感じで、かなり使えるのではないかと期待しています。
こちらは、いわゆる文法書。すでに持っているものがあるなら、とりあえず、買う必要はないかもしれません。私は、一応、持ってますが……あんまり参照した記憶がありません(^^;)
ちなみに、Sakinoさんは、『日本語の文法 』をよく参照されてます。
『日本語文法と教え方のポイント』の初級と次の中級は、いずれも、日本語学習者がまちがいやすいものを解説しているらしいので、日本語ネイティブの参考になるかどうかはわからないと思います。日本語を教える人には必携かもしれませんが……。(と言いつつ、とりあえず、買ってみました。感想は、そのうちに)
というわけで、個人的には収穫があったセミナーだったのですが……英日にかぎらず翻訳に役立つ日本語の勉強という意味で一番大事なのは、もっと手前の、日本語の文はどう成立するのか、それを踏まえてどう読むのかあたり(Sakinoさんがレッスンシリーズでやられている「述語から読む・訳す」あたり)だと思うんですよね。残念ながら、そのあたりは触れられませんでした。
最後にレファレンス的な本がたくさん紹介されました。こちらは、ほとんど持っているものでした。基本的に必要なところだけ調べてみるという使い方になるため、ほとんど開いていないものも少なくないんですけど(^^;)
これは持っていなかったのですが、とりあえず、買うのはやめました。日本語学習者の誤用を集めたものらしいので。学習者は日本語ネイティブならやらないまちがいをするもので、おもしろいのはおもしろそうだけど、限られた時間を割くのはもったいないかな、と思って。
これも、「日本語学習者が迷う類義表現の使い分け」ということなのでどうしようかと思ったのですが、とりあえず、買ってみることにしました。話し手の「表現意図」から考えるとのことで、もしかすると、私にとって興味のある方向から解説がなされているのかもしれませんから。
『日本人のための日本語文法入門』は、前述したSakinoさんの「述語から読む・訳す」でも参考資料として挙げられます。私も買ってますし、読んでますが、入門にはぴったりの本だと思います。
一度くらい通読しよう、しようと思いつつ、ほったらかしになってます。シリーズ7冊とすんごいボリュームがあるので。
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