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2020年8月

2020年8月30日 (日)

『「は」と「が」』

「は」と「が」という使い分けがよく話題になる言葉について、包括的に分析した良書です。10年以上前に読んで、よくまとまってるなぁ、「は」と「が」でおすすめするならこの本かなぁと思ったのに、ブログ記事も書かず、ほったらかしてしまいました。今回、こうして紹介するためもあり、読み返してみましたが(また読む本に分類していたのに、10年以上も再読していなかった……)、やはり、よくまとまっているし、この10年ほどで、これ以上の本には出会っていないなぁと思いました。

『「は」と「が」』

先行研究をいろいろと紹介しつつ、それを統合する原理を提案する、という形で論が進みます。

日本語文法研究に一石を投じられれば、と、著者が前書きに書いていることからも明らかなのですが、本書は、いわゆる日本語文法の専門書に分類されるものでしょう。ですから、必ずしもわかりやすいとは言えません。専門書にしてはとてもわかりやすく書かれているとは思いますけど、ね。

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2020年8月27日 (木)

以上・以下 ―― 補足

10年以上も前に書いた記事、「以上・以下」に対する補足的な話です。「以上・以下」ってなにが書いてある記事だっけと思った方は、そちらを読み直してから、こちらに戻っていただいたほうがいいと思います。

さて、この昔の記事で、例に時間を取り上げました。この時間ってやつ、実はとてもやっかいでして。時間そのものは連続量なんですよね。でも、それを分とか日とか、塊として把握し、数えたりするわけです。そのときのイメージは、基本的に、離散量。基本的にってことは、必ずしもそうじゃない側面があったりなかったりするわけで、話がややこしくなります。

たとえば、その塊以上・以下とか、その塊を超えるとかっていうのは、どういう意味になるのでしょう。

「以上・以下」では分を使ったのであまり気にならなかったと思うのですが、日のような大きな塊になると話はかな~りややこしくなります。

あるところでの議論で「4日を超える」に基準点の4日は含まれないから、それは「5日以上」に等しい、みたいな話が出ていました。日という離散量を語っているのだととらえるなら、そうなりますよね。

でも、時間というものは、本来、連続量。ほんとに、離散量として取り扱っていいんでしょうか。

そもそも、1日とはなんでしょう。幅のあるものなのか、点として認識するものなのか。幅があるとしたら、それは24時間? カレンダー的な1日(午前0時~午後12時まで)?

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2020年8月25日 (火)

翻訳フォーラム公開セッション@日本通訳翻訳フォーラム2020(JITF2020)--参加御礼

昨晩の翻訳フォーラム公開セッション@日本通訳翻訳フォーラム2020、無事終了しました。参加してくださったみなさん、お疲れさまでした&ありがとうございました。2時間あまりもオンライン・セミナーを聞くって意外に大変だと思います。

ピークでは600人近い人に聞いていただけたようです(580人台の数字を見た記憶があります)。オンラインならばこその人数、でしょう。リアルだと、箱の問題もありますし、遠方の人は来るのが大変って問題もありますし、そこまで大規模なイベントはなかなかできません。とはいえ、時差の関係でリアルタイムに聞くのは難しかったという声もありました。翻訳者って世界に散ってますから、タイムゾーンによっては起きているのがつらい時間になってしまうところもあるでしょう。こればっかりは、オンラインでも解決できない問題ですね。

Q&Aコーナーも、オンラインのほうが効率的ですね。似たような質問をいくつかまとめて回答するっていうことができますから。

というわけで、オンラインだからこそのメリットがいろいろあるわけですが、逆に、制約もあったりします。特に、~な人は?と手を挙げてもらって、その回答を話に盛り込むという手段が使えないとか、そもそも、会場の反応がわからないとかは、話をするほうとして苦しいところです。私が担当したプレゼン部分でも、何カ所か、ここ、笑うところなんだけど、笑ってくれてるかなぁと、若干、心配しつつしゃべっていました。終わってからツイッターを読んでいたら、けっこうちゃんと笑っていただけたらしいので、ほっとしています。

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2020年8月24日 (月)

『漢字の使い分けときあかし辞典』

読みが同じ漢字をどう使い分けるのかを詳しく解説した本です。用字用語辞典などで、ごく簡単に、こういうときはコレ、こういうときならコレと紹介してあるものが、なぜそうなのかや、基本はこっちだが、こういう意味を強調したければこっちなどと解説してあります。

これはいい。

たとえば「まわり」。「周り」と「回り」はどう使い分けるのか。

たとえば「あがる・あげる」。「上がる・上げる」「挙がる・挙げる」「揚がる・揚げる」「騰がる・騰げる」はどう使い分けるのか。どういう場合はかな書きにするのか。

たとえば「はかる」。「測る」「量る」「計る」「図る」「謀る」「諮る」はどう使い分けるのか。どれはルビを振っておくべきなのか。

たとえば「ひく」。「引く」「牽く」「曳く」「挽く」「惹く」「魅く」「抽く」「退く」「弾く」「轢く」「碾く」はどう使い分けるのか。どれはルビを振っておくべきなのか。

「まわり」は1.5ページ、「あがる・あげる」は2.5ページ、「はかる」は4ページ、「ひく」にいたっては7.5ページにわたって説明されています。必要に応じて図などもあるので、けっこうわかりやすい。

(ちなみに、上記は、最近、実際に調べて確認したものばかり)

説明が詳しいということは、逆に言えば、収録されている言葉そのものはそれほど多くありません。でも、載っていればめっけもの。なんとなくこうかなぁと思っていたり、迷ったりするものが、こうだからこう、と説明されているのですから。

こういう漢字の使い分けを説明した本はいろいろあって、何冊か持っているのですが、いずれも、何回か引いただけで本棚のこやしになってしまいました。例外がこの本で、これだけは、使い分けに不安を感じたとき、とりあえず、引いてみることにしています。

『漢字の使い分けときあかし辞典』

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2020年8月22日 (土)

翻訳フォーラム公開セッション@日本通訳翻訳フォーラム2020(JITF2020)

このところの記事でもちらっと触れているのですが、日本通訳翻訳フォーラム2020(JITF2020)なるオンラインイベントに、翻訳フォーラムとして登壇します。で、そのセッション、公開という運びになりました。つまり、JITF2020のチケットを購入していない人も見ることができるわけです。

ただし、リアルタイムの視聴のみ、です。

チケットを購入していれば、後日、自分の都合がいいときに見るとか、くり返し見るとか、いろいろできますが、チケットを購入していない人は、我々がセッションをしているときにしか見ることができません。ご注意ください。

日時:2020年8月24日(月)19時~
Zoomリンク:https://us02web.zoom.us/j/88535673213

お題は「翻訳者のなり方・続け方」。概要は、下の画像をクリックすると飛ぶJITF2020の紹介ページにあります。

せっかくの公開セッションです。みなさん、聞きに来てくださいね~。

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2020年8月20日 (木)

『自転車レースの駆け引き:上手に走り賢く戦うためのテクニック』

少し前に出た訳書なんですが、記事にするのを忘れていました。

自転車ロードレースをどう走ればいいのか、そういうテクニックを解説した本です。はい、かな~り特殊な本ですね。なんですが、実は私、自転車ロードレースが趣味なので、はまり役だったりするんです。いわば趣味と実益を兼ねた仕事で、とっても楽しく訳すことができました。特殊な分、数が出ないので、条件的にはごにょごにょだったりしますけど、それを十分補えるくらい、私にとってはおもしろい仕事でした。

内容的にもけっこういいと思います。自転車ロードレースのテクニックを解説した本ってほとんどありませんし。走る人は、読んでおいて損のない1冊なんじゃないかと思います。まあ、このブログを読みにくる人に自転車ロードレースを走る人がどれだけいるかというと、と~っても疑問だったりはしますが(^^;)

と、言いつつ……いまなら、少なくともKindle Unlimitedではタダで読めるので(Prime Readingに入っているかどうかは確認できていません。私、Kindle Unlimitedな人なので)、興味を引かれた人がおられたら、のぞいてみてくださいませ。

例によってちょっと裏話なんぞも。

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2020年8月18日 (火)

翻訳者の時給アンケートと年収アンケートの関係について

ひとつ前の記事、『実録! リーマン・ショック後、こうして復活した』(通訳翻訳ジャーナル)でも触れていますが、来週8月24日(月)、日本通訳翻訳フォーラム2020(JITF2020)に翻訳フォーラムとして登壇します(↓)。

その準備を進めているなかで、ふと思ったことがあるので書いておきます。資料を準備するのに、いろいろ調べたり確認したり、改めて読み直したりして、また、考えたりとか、あれこれするので、思いつくことがあったりするんです。

テリーさんが、以前にやられたアンケート2件(↓)について、です。

翻訳者の時給っていくら? [アンケート結果]

フリーランス翻訳者の年収アンケート結果

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2020年8月17日 (月)

『実録! リーマン・ショック後、こうして復活した』(通訳翻訳ジャーナル)

8月21日に発売となる通訳翻訳ジャーナル2020年10月号に記事を書きました。

こういう情報発信も世代交代が必要なので、実は私はそろそろ引っ込むべきだろうなと思っていて、昨年2月の『道を拓く』(通訳翻訳ジャーナル特別寄稿)を最後にするつもりでいました。なのですが、今回は、コロナ不況が来たらどうすべきか、リーマン・ショックの体験を元に提案をという話だったので、もう1本、書くことにしたものです。『道を拓く』で、長すぎた原稿を圧縮した際、切り捨てざるをえなかった部分でもありますし。

(上の画像をクリックすると、アマゾンのページに飛びます)

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