『この英語、訳せない!』
越前敏弥さんが書かれた本です。買おうと思っていたら、著者献本でいただいてしまいました。
さっそく読んでみました。
越前さんは文芸の人ですが、第1部「いくつもの意味をもつ言葉」と第3部「言語構造のちがいによる訳しにくさ」は、ノンフィクションにも共通する話が満載で、そうそう、あるあると思いながら楽しく読みました。ノンフィクションどころか、産業系にも出てくる話だってたくさん書かれています。逆に言えば、ここに書かれているくらいのことを気にせず訳していたら、プロ翻訳者としてまずいんじゃないでしょうか。
ちなみに、第3部の「脚韻を見ても血が騒ぐ?!」で“Intel Inside”と「インテル入ってる」が取り上げられていますが、これ、英語から日本語に訳されたのではなく、実は、日本発で英訳されたものだという説があります。どちらが本当なのか私は知りませんが、いずれにせよ、翻訳者として、すごいなぁとうなってしまう翻訳であることはまちがいありません。
第2部「文化のちがいによる訳しにくさ」は、あるあるの中に、いくつか、ああ、それは知らなかったなぁというものがありました。やはり、文芸とノンフィクションでは、カバー範囲が少々ズレているからでしょう。
そうそう、この第2部の「まぎらわしい魚の名前」に私も登場していました。そういえば、前に、「~のエピソード、ネタとして取り上げていいか」と尋ねられて了承したことがありました。すっかり忘れていましたが(^^;)、それで献本いただいたんでしょうね。
『この英語、訳せない!』、刊行記念のトークイベントや対談があるようです(詳しくは翻訳百景をご覧ください↓)。直近は、この週末8日の名古屋と来週10日の東京新宿。年明けにも複数回が予定されています。越前さんは話もうまいし、聞きに行ったらおもしろいだろうと思います。(私は、ちょっと、仕事がやばくなっていて行けそうにありません(T_T))
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