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2019年2月

2019年2月19日 (火)

"over ~ days"と"over ~ consecutive days"の違い

某所で知り合いが"over ~ days"と"over ~ consecutive days"はどう訳し分けたらいいのかと疑問を呈していました。

英語では over ~ consecutive days も言うようですが、日本語では「わたって」に、「続けて」という意味があるので、「連続~日にわたって」、「続けて~日にわたって」は重複表現になってしまいます。

【日本語として重複表現にならずに】over と consecutive のニュアンスを出し、かつ over ~ days との違いが分かるように、over ~ consecutive days を訳す方法はあるでしょうか。

なかなかおもしろそうな話だったので、少し考えてみました。

仕事で"over ~ days"や"over ~ consecutive days"が出てきたら、そこではどういう意味になるのか、その文脈に合う表現を考えればいいのですが、一般論としてというか、表現そのものの違いを考えたいのであれば、それぞれの表現がカバーする意味範囲を考えてみることから始める必要があるでしょう。それがわからなければ、訳出すべき違いがわからないわけで、どうにもなりません。

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2019年2月15日 (金)

『道を拓く』(通訳翻訳ジャーナル特別寄稿)

2月21日に発売となる通訳翻訳ジャーナル2019年4月号に記事を書きました。

上の画像をクリックすると、アマゾンのページに飛びます。そこにある内容紹介

【特集1】
今もこれからも、求められる人材になるために─
通訳者・翻訳者がやるべきこと
* 将来のために、今、やるべきこと 翻訳編・通訳編
……

にある「将来のために、今、やるべきこと 翻訳編」(↓)です。

■特別寄稿『道を拓く』

20190215__2

連盟の理事みたいな役職もそうなんですけど、こういう記事を書く役割もいろんな人が担うべきで、いいかげん、世代交代すべきなんじゃないかと思っています。ですが、今回は、アルクさんに続いてぜひにと言われてしまいました。しかも、特集のテーマに沿っているかぎり内容は自由、分量も予定は2ページだけど、3ページ、4ページになってもいい(原稿料は分量比例)と破格の好条件です。これなら書きたいことが書けそう、たぶん、ほぼ出版専業となったいまじゃなきゃ書けない話が書けると思ったのでお請けすることにしました。ある意味、お世話になった産業翻訳界に対する最後の恩返し、です。

というわけで、産業翻訳者人生を総括したような、かなり踏みこんだ記事になっています。ここまで踏みこんだ話は、過去、記事にもしてませんし、講演などで話してもいません(オフで会った人には、断片的にぽろぽろ話してきていますが。直接会うの、大事です)。今後することもないでしょう。ほんと、いまだから書けた、書いてしまったと思うし、雑誌という媒体だからこそ書けた、書いたという側面もありますし。密度も、結局6ページ分に達してしまった原稿を4ページに圧縮したので、すごいことになっています。ページ数から想像される以上の読み応えがあるはずです。(分量はお任せといっても、さすがに2ページ予定を6ページは無理。ムックとかなら話は別だったかもしれませんが。なので、編集部と相談しながら、基本的に内容を削らず、4ページぎちぎちまで圧縮しました)

先日のアルク『翻訳事典2019-2020』では、実際の翻訳でなにを考えどうしているのかを細かく段階に分けてまとめました(実際の翻訳は渾然一体となっているわけですが、わかりやすくするために)。対して今回の記事は、翻訳者としての事業戦略とその実践に焦点をあてて書いています。たまたま、もの作り(翻訳事典)と経営(通訳翻訳ジャーナル)、両輪について続けて書くことができたような感じです。

まあ、一番の肝は「自分の道は自分で選ぼうね」ということで、最近、あちこちで言ったり書いたりしてるのと変わらんじゃんと言われればそのとおりなんですが。(ちなみに、書いてるときのBGMは、TOKIOで有名になった中島みゆき『宙船』^^;)

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2019年2月14日 (木)

『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』

3月15日の予定で、新しい訳書が出ます。『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』(文響社)というものです。

訳者あとがきにも書いているように、アニメーション企業ピクサーの舞台裏を中の人が描いた本です。やっぱり、舞台裏の話は読んでいておもしろい。訳していて、こんなにおもしろく、おもわずにやけながら仕事をしていたのは、『アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝』以来ですね~。

こういう本は、ノンフィクション作家(記者さんとかが多い)が綿密に取材して書くのが普通です。ノンフィクションですから、なにが起きたのかを描きだしていくのが基本。人によって意見や記憶が違えば、この人はこう言ってるけど、こっちの人は別のことを言っていると多面的に描くなどして、客観性を担保します。

この本は違います。中の人、当事者が書いているのですから。客観性などくそくらえの主観全開です(いや、もちろん、登場する人には改めて会って事実確認したりして書かれていますが)。心の声がダダ漏れ状態。だからおもしろい。ほとんど私小説の世界です。

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2019年2月11日 (月)

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

しばらく前に仲間内で話題になっていたので読んでみました。翻訳にかかわる人、特に産業系の翻訳にかかわる人は一読しておくべき本だと思います。

著者が訴えたかったこととは別に、翻訳にかかわる人にとって大事なことが2点あると思います。

ひとつは、最近の機械翻訳がなにをどうしているのか、その概要がわかること。機械翻訳+ポストエディット(MT+PE)について考えるなら、このくらいは知っておくべきという基本の部分がわかりやすく解説されています。

先日の「翻訳者視点で機械翻訳を語る会」で、MTが不思議な挙動をするってSakinoさんが実例を挙げて語ってましたが、こんなやり方してるんだったら、そうなるのも当たり前だよなと思ってしまいました。たとえば、肯定・否定の訳しまちがいとか。そういう正確性より可読性を重視した仕組みになっているわけです。概要を斜め読みするにはこのほうがいいんだろうけど、これを下訳だと思うのはとても危険だとも思っちゃいます。

もうひとつは、我々の翻訳を読む人々の読解力がどの程度なのか、それが調査に基づいて語られている点。上記部分を読むと、MTはさいころ転がしているようなもので当てにならないことがわかるのですが、実は、人間も、さいころ転がすのと大差ない読み方しかできない人が少なくないのだそうで。

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