トリプルモニター
モニター環境はなにかでちらっと触れると必ず詳しく聞きたいと言われるので、まとめておきます。
■基本的な考え方
モニターはなるべく大型、高解像度のものを選びます。物理的に同じサイズの文字を比べると、高解像度のほうがなめらかで読みやすく、目への負担が小さくなるからです。濁点・半濁点の読み間違いなども減ります。「濁点で入力したのに日本語IMEが半濁点にしてしまった」などの場合も、気づきやすくなります。
モニターが大型、高解像度になると縦方向の表示範囲が広がるのもメリットです。原文・訳文については、私の使い方だと(フォントサイズ14pt)、縦方向が1080ドットではちょっと狭い、1200ドットでぎりぎり、1440ドットくらいあれば十分だと感じています。目がよくてもっと小さなフォントが使える人なら縦1080ドットでも大丈夫かもしれません。辞書については、縦のドット数が多ければ多いほど、さぁ~っと確認していくとき便利です(スピードが上がります)。
まあ、大型、高解像度になると値段がはね上がるので、懐事情が許すかぎりということになるわけですが。
大型、高解像度のモニターとした上で、もっと広い作業スペースが欲しければ、デュアル化なりトリプル化なりすることになります。
■現在の構成
5年以上も前から、私の作業環境はトリプルモニターになっています(↓)。
(30インチ) (2560×1600) (横置き) |
(21インチ) (1200×1600) (縦置き) |
(30インチ) (2560×1600) (横置き) |
PC側から見ると全体がひとつのモニターであるかのようになっています。つまり、6320×1600という横に細長いサイズです。
■仕事画面のスクリーンショット
3枚とも縦が1600ドットと同じ解像度なので、画面全体がきれいな長方形になっています。画面の縦サイズが違うと、段差になった部分にマウスが引っかかったりしますが、そうならないようにしてあるわけです。ちなみに、物理的な高さもほぼ同じなので(真ん中が1~2センチほど大きいだけ)、モニター間でフォントの表示サイズが違うといった違和感はありません。
PC側は、3モニターに対応したビデオカードを1枚、差しています。モニターを追加したい場合、USBグラフィックアダプターを使う方法が手軽ですが、これは、
- 対応できる解像度が低めである(2560×1600はたぶん対応不可)
- 反応が遅くなる
という問題があるので、デスクトップならビデオカードを交換したほうがいいと思います。ノートパソコンはUSBグラフィックアダプターしか方法がありませんが。
■アプリケーションの配置
真ん中縦置きの21インチ、1200×1600が翻訳作業用。翻訳作業をするファイルを開いた秀丸がここに来ます。
そのすぐ左、左側に置いた30インチ、2560×1600の右端が原文ファイル。そのさらに左がウェブブラウザ(FireFox)です。
右側に置いた30インチ、2560×1600は辞書など。
- Jammingふたつ――特性でグループ分けした英和・和英の辞書を引く
- DDWin――国語辞典などの日本語辞書
- EBWin――青空文庫などのデータ
- 日本語の類語辞典
- KWICFinder
くらいは必ず開いています。参考資料のPDF、元ファイルのPowerPointなども、基本的に、こちらに開きます。
■真ん中が小さい理由
画面は広ければ広いほどあれこれ重ねずに表示できて一覧性が上がります。なので、昔は、モニターが大きくなればなるほど便利になっていました。
ところが、一定サイズを超えると、必ずしもそうとは言えなくなります。画面のあちらこちらに視線を飛ばしたとき、目との距離が大きく変動して見づらくなってしまうのです。30インチだと、目との距離が一番小さくなるのが画面の真ん中になるように置かないとつらくなります。右半分の真ん中(右から1/4)が目に一番近くなるようにすると、左端が見づらいのです。
このため、30インチ横置きを正面に置くのはあまりよくありません。画面の真ん中が目に一番近くなるように置いて、一番よく見る作業用ファイルを真ん中に置くと、両側の空きが中途半端で使いづらいのです。ではと端から詰めてファイルを開くと、今度は、一番よく見る作業用ファイルが正面から微妙にずれてしまいます。一番よく見る作業用ファイルが目に一番近くなるようにモニター位置を調整すると、モニターの反対側が見づらくなります。
というわけで、真ん中は縦に細長くして、自分を囲むように3枚の画面を配置しているわけです。
最近は、表示面がカーブしたモニターもあったりして、あれなら大画面でも目との距離が変動しづらくていいかもと思っています。
■不満点
真ん中が縦置きになっている関係で、反応が若干にぶいこと。ビデオカードでややこしい処理をしなければならない分、どうしても遅くなるのだと思います。普通に入力していて違いは感じませんが、マクロの動作がほんのわずか遅くなるのです。これだけを使っていたら気にならないくらいごくわずかですが、横置き2枚の別環境でしばらく仕事をした後だと、このくらいで処理が終わるはずと思った瞬間に処理が終わらずつんのめる感じになってしまいます。
一番よく使っている部分の反応が遅いというのはなんともはやで、大きな不満となっています。
ですが、見やすさを考慮すると、いまと違う構成は無理がでてしまいますし……困ったもんです。
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