業界最大手が外税方式へ移行
このところ明るい話題の少ない翻訳業界に朗報です。業界最大手の翻訳会社、翻訳センターさんが、翻訳者への支払いを内税から外税に移行すると決めたそうです。来年4月に消費税が5%から8%へあがりますが、翻訳センターさんについては、その際、消費税アップ分が正しく処理されることになります。
この件、私は知り合いの翻訳者、複数名から聞きましたし(私は翻訳センターさんと取引がないのでお知らせメールをもらっていない)、翻訳センターの社長さんにも確認してあります。
「JTF翻訳祭2013参加レポート」の交流パーティー関係で「会長には、翻訳者への支払を外税に移行された件でお礼を言っておきました」と書いていますが、実はこれが、この記事で取りあげた件です。JTFの東会長は翻訳センターさんの社長ですから。
この動き、翻訳者にとってはありがたい話ですよね。個別に交渉する必要がなくなったわけですから。
業界最大手が動いてくれたわけで、ここは、ほかにも追随するところが出てくれることを期待しましょう。
消費税アップ分を正しく処理しないと法令遵守という面で問題になります。消費税アップについては、全体の計算で1円でも切り捨てる処理をしたら法律違反だと、公正取引委員会のガイドラインに記されていますから。でも、翻訳業界だと、たぶん、ちゃんとやらないところが大半なんですよね。
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コメント
よかったですね。
私も最近、すぐに変わらなくても下地作りだけでもと思い、
機会があれば取引先にお願いしています。たいてい話がかみ
合わないというか、意味を理解していただくところからなの
ですが、まずは認識のすり合わせからと思っています。
5%が8%に、8%が10%になる前に、この動きが広まってくれれ
ばと思います。
投稿: 伊豆原 弓 | 2013年12月 5日 (木) 11時40分
はじめまして。自営業の実務翻訳者です。
「業界最大手、翻訳センターさんが翻訳者への支払いを内税から外税に移行する」朗報、掲載ありがとうございます。
日本の消費税法では、特定の例外を除く「すべての国内取引」で消費税を支払うことが、明確に義務付けられています。にもかかわらず、翻訳者の事業規模が年収1000万円以下の場合は「消費税を支払わなくてO.K.」と、勝手に解釈している翻訳会社等もあるようです。
もしも、外税に切り替わらず、かつ5%時代と同じ翻訳単価ならば、会計上は「翻訳料の実質値下げ」に他なりません。今回の業界最大手が正しい判断を心から歓迎しております。
投稿: 星野 | 2013年12月 5日 (木) 16時01分
そうなんですよね、消費税の取り扱いって、法律的にどうすべきなのかさえわかっていない人がたくさんいるんですよね。JTFでそのあたりを訴えても、消費税についてわかっている社長さんは「なにバカな話を」って感じになってしまって、問題意識がいまいち共有できなくて困ってしまいます。
ホントはこうなんですよってやるときに利用できるようにっていうのが、「消費税の取り扱い」( http://buckeye.way-nifty.com/translator/2012/10/post-5c71.html )を書いた目的だったりします。今度は、この記事も一緒に取引先に紹介して、「業界最大手もやるようなことなのだから」とアピールしてもらえば、少しは違うのではないかと期待しているのですが……
投稿: Buckeye | 2013年12月 5日 (木) 17時55分
この情報は本当にありがたいです。
業界最大手に足並みを揃える動きが加速してくれることを切に願います。
投稿: Terry Saito | 2013年12月 9日 (月) 08時00分