山岡洋一さんのお通夜・告別式
先日急逝されてしまった山岡さんのお通夜と告別式に行ってきました。
お通夜があった8月26日は大雨で、電車のダイヤが乱れまくりとなったほか、駅からのタクシーもすごく長い行列があったりして、結局、現地到着はお通夜がそろそろ終わろうかという時間になってしまいました。お通夜や告別式のお手伝いをされていたダイヤモンド社の編集さんが「山岡さん、なにをそんなに怒ってんだよって感じの雨ですね」と言われていましたが、本当にそんな感じの大雨でした。
部屋のすぐ外には、70冊近い山岡さんの訳書などがずらりと並んでいました。(お通夜や告別式がおこなわれたお部屋は写真を撮るのがはばかられたので、部屋の外の写真しかありません)
お通夜はかなり遅くに到着したのですが、まだたくさんの人がおられて、山岡さんの話などをされていました。
翌日の告別式もたくさんの人が来られていて、会場内の椅子に座りきれず、部屋のすぐ外に立って参列された方々がたくさんおられたようです。
お通夜も告別式も無宗教でおこなうとのことで、読経などはいっさいなく、ご家族や山岡さんに近かったご友人や翻訳者、編集者などのお話と献花で進められました。いいお式でした。
会場では、関係者が急いで作られた小冊子と香典返し(無宗教だと「香典」ではないのでしょうけど)が配られました。
「翻訳家・山岡洋一さん-その仕事と思想」と題された小冊子は山岡さんが生前書かれた文章のほか、芝山幹郎さんの追悼などがまとめられたもの。訳書や著書のリストもあるのですが、これを見るとあらためてすごいなと思います。出版系では訳書が一桁は駆け出し、2桁にのってようやく中堅と言われるらしいですが、さもありなんという感じです。私の訳書は現在13冊。その5倍を超える67冊というのは気が遠くなります。
香典返しは図書カードでした。お子さんたちへのプレゼントが必ずそうだったのだそうです。誕生日もクリスマスも入学や卒業のお祝いも。やはり、本にこだわっておられたのでしょうね。
■翻訳通信について
お通夜のあと、何人かの方々と、山岡さんが発行されていた翻訳通信をどうするかの話し合いもしてきました。なにがしかの形で続けたほうが山岡さんも喜ぶだろうし業界のためでもあるというのは誰しも賛同するところなのですが、では現実にどうするのかとなると、いろいろと考えなければならないことがでてきます。過去の翻訳通信を公開するとしたら権利関係の問題もありますし、今後、続けてゆくなら実際の作業をどうするのか、また、発行人をどうするのかなども検討の必要があります。
発行人については私に引き継いでほしいと言われた方もおられたのですが……やりたくないというわけでもないのですが、私だと翻訳フォーラムの色がついてしまうので必ずしもいい選択肢ではないのではないかと申しあげてきました。私としては、山岡さんに近かった方々のどなたかに引き継いでいただくのが「山岡さんの翻訳通信」として適切なんじゃないかなぁと思います。ただ、そういう方々もこのごろは翻訳通信にあまり関わっておられなかったらしく、この人しかいないという方はおられないようです。いずれにせよ、中心にくるべきは翻訳の実務をしている誰か、でしょう。
とにかく、なにもせずにほっぽって終わりにしてしまうのはありえないので、山岡さんに近かった翻訳者のおひとりが用意をしてくださって、何人かで今後についての話し合いがメーリングリストで進められています。いい形で残せたらいいな、いや、残さなきゃいけないなと思います。
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