「類語.jp」の類語辞典
夏前、メインマシンのHDDを換装するついでにアプリケーションもいくつか最新のものに差しかえました。そのひとつがこの類語辞典。
メインの類語辞典として、いままで、ジャングルのデジタル類語を使ってきました。(↓)のもうちょっと前の版です。
今回は、「類語.jp」の類語辞典。といっても、実はジャングルのデジタル類語と同じものです。インターフェースなどもまったく一緒。
というわけで、どちらを買ってもいいと言えばいいのですが、たったいまなら「類語.jp」の類語辞典をお勧めします。理由は、昨年改訂された常用漢字に対応しているのがこちらだから。
「推敲システムも一緒に買いたいからジャングルのデジタル類語」という考え方もありますが、それならもう少し待って新しい版(8版かな?)が出てから買うべきでしょう。
ちなみに、この辞典、産業系でも訴求力が問題になるようなものをするなら買って損はないと思います。書籍の翻訳に比べると引く回数が減りますが、私は産業系でもけっこうよく使っています(朝、仕事を始めるときに必ず立ちあげておくくらいに)。もちろん、いまのように書籍をしているあいだは、1日に何回引いているかわからないくらいによく使います。
■使い方とメリット
操作は簡単。検索窓に単語を入れると同義語、広義語、狭義語、関連語、反意語などが表示されるので、ピンとくるものを選んで使う。ピンとくるものがなければ、まだしも近そうなものなどをダブルクリックするとそれを検索語として検索をやり直してくれる。
検索語には、英和辞書の訳語からまだしも近そうなものを入力したり、状況をイメージして自分の頭で浮かぶかぎりそれなりの言葉を入力してゆきます。連想ゲームでもしているイメージでふくらませてゆくことが大事。ぴったりの言葉を思いついていないときに使うのだから、当然ですが。
それなりの言葉は思いついたけどもっとピンポイントでしっくりくる言葉を探したいとか、意味は正しいけど硬すぎる、あるいは柔らかすぎるといった言葉しか思いつかないときとかに便利です。類語辞典はほかにもたくさんありますし、それぞれに特長があって、たぶん、辞書のデキとしてはほかのもののほうがずっと優れています。でも、使い勝手というか手軽さではこの辞書が一番でしょう。ずらっと一覧で出てくることと、それが同義語、広義語、狭義語、関連語、反意語などに分類されているのが、さっと全体を見て選びたいときに便利なのです。
なお、使ってみればすぐにわかりますが、ふつうの辞書以上に表示された言葉をぽんと使えばすむという話ではありません。時と場合と文脈にあわせて選ぶ必要があります。
かなり特殊な語彙もはいっていたりしますからね。たとえば「不気味」を引くと狭義語に「キモかわいい」なんてものまで出てきます。特殊な文脈ならぴったりかもしれませんが、そうそう使えるものではありません。あと、漢語や古めかしい言い方など、少なくとも私にはどうにも使いづらい言葉もたくさん出てきます。
実際に使うときは、選んだ言葉を今度は国語辞典で引いてみることが多いですね。そのとき串刺し検索でほかの類語辞典もまとめて引くので、ほかの類語系辞典もちらちら見るようにしています。
■欠点
最大の欠点はユーザーインターフェース、特に入力の部分が悲惨なこと。ヘビーユーザーのことが考えられていません。
●アプリケーションにフォーカスをあてただけでは入力できない
これが最大の欠点です。いちいち、マウスで検索窓をクリックしてやらなければならない。入力、日本語変換、確定、検索とばばっとやったら変換ミスがあったなんてときも、いちいち、マウスでフォーカスあてなおし。我々のようなヘビーユーザーにはいらいらすることこの上なし、です。
●入力窓ではCtrl+Cが効かない
ダブルクリックでジャンプして歩き、最後はコレかなぁと思いながら本命をダブルクリック。ずらっと並んだ単語を見て、うん、やっぱりコレだと思って決めるっていうパターンが多いのですが、そのとき、Ctrl+Cでコピーペーストができません。原稿側で入力しなおすのは変換ミスのおそれがあるので極力コピペしたいのにできないんです。ちなみに、一覧表示されているほうではできます。
●検索語の戻る・進むにショートカットが割り当てられていない
検索履歴は、検索窓脇の「<前」「次>」というボタンでさかのぼったりできます。コレ、私が持っていた古いジャングル版にはたしかなかった便利な機能です。便利なんですが……せっかくその機能を搭載するのなら、ブラウザの「戻る(BackspaceかAlt+←)」「進む(Alt+→)」と同じショートカットを割りあてて欲しい。これはそこそこ標準の動作なので、ほかのアプリケーションでも使えることが多い。それだけに、つい、ショートカットで移動しようとして動かないことに気づき、マウスでクリック……となってしまうのです。
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コメント
なんとなく8のジャングル版が出ない気がしてるんですよね。今までわりと同じタイミングで両社は出してたのに、類語.jpの8が出てから半年経ってもジャングル版が出ない。出るならその前に旧版が安くなってくるんですが、その動きもない。もしかして物別れ?とか思ってます(勝手な推測で、根拠はありません)
ところでiPhone/iPad版は1000円なんですよね。わたしはアンドロイド版があったら即買いたいですが今のところないみたい。残念。
http://itunes.apple.com/jp/app/id398300516
投稿: Nest | 2011年9月28日 (水) 11時35分
あ、やっぱりそう思います?>でない気
いや、私もそういう気はしてるんですが、気以上となる証拠がないもので。
iPhone/iPad版は安いのかぁ。まあ私はこういうものを使うときはパソコンなので買いませんが、出歩いてちょこちょこ使いたい人には便利でしょうね。
投稿: Buckeye | 2011年9月28日 (水) 12時34分
ああそうだ。
我々のような仕事をしていると、名詞の意味から同じような意味の表現ができる動詞が引けるとか、その逆とかもできると便利なんですけどね。意味的にはぴったりだけど品詞的に使えないみたいなことがけっこうあります。
投稿: Buckeye | 2011年9月29日 (木) 08時43分
ぼくが使っているのとそっくりなのに名前が違う、と思ったらバージョンが古いからかな。「デジタル類語辞典 Ver 6.0」です。
フォーカスの件、ぼくも気になってました。
ちなみに、「入力窓でCtrl-Cが効かない」件、なぜかCtrl-Xは効きます:-) (Ver. 6ですが)
最後になりましたが、このシソーラスぼくも気に入ってます。
投稿: のぶ | 2011年9月30日 (金) 17時13分
あ、よく読んでいなかった。ぼくのが「ジャングル版」なのでしたね。失礼しました。
投稿: のぶ | 2011年9月30日 (金) 17時14分
デジタル類語辞典の第8版はバリューネットワークス&言語工学研究所から出ていますね。類語.jp(シソーラス)Ver.8のダウンロード版とまったく同じものですので、値段から言えばダウンロード版の方がお得ですが。
投稿: バックステージ | 2011年11月18日 (金) 18時42分
バックステージさん、
あ、第8版、出てましたか。アマゾンには登録がなかったので出ていないのかと思っていました(^^;)
投稿: Buckeye | 2011年12月 7日 (水) 22時28分
デジタル類語辞典の第8版、少なくとも現在はAmazonで買えます。
投稿: バックステージ | 2011年12月 7日 (水) 23時12分
え? あれ? ジタル類語の製品を発売日順に並べても最新が7版だったから出てないと思ったのですが……って、8版は発売日情報が登録されてないみたいですね。だから、8版狙い撃ちで検索しないと下に沈んで気づかなかったんだ。
投稿: Buckeye | 2011年12月 8日 (木) 09時00分
『類語.jp』を発売していた株式会社言語工学研究所が、7月1日に株式会社エクシングへ事業を譲渡しました。
http://www.gengokk.co.jp/
ベクターでは『類語.jp』のダウンロードができなくなっています。
http://n.shop.vector.co.jp/service/catalogue/sr247480/
『類語.jp』と同等の製品である『デジタル類語辞典 第8版』は、Amazonで中古でしか手に入りません。
http://www.amazon.co.jp/dp/B001PYNWNW/ref=as_li_tf_til?tag=onthebackstag-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=B001PYNWNW&adid=1R0RBEJJWKB8DP0MZDWH&&ref-refURL=
ということで、『類語.jp』は今後発売すらされない可能性が高そうです。
ちなみに、言語工学研究所類語辞書オンライン版の運営は続いているようです。ただ私は登録していないので、実際に機能しているのか知りませんが。
http://ruigo.jp/
投稿: バックステージ | 2012年9月 2日 (日) 23時33分
ええ~、それは……(絶句)
なんといっても手軽で、それなりに使えるものだったのに……
投稿: Buckeye | 2012年9月 4日 (火) 07時55分
ジャングルも電子辞典から完全撤退したようで、ジャングルストアで旧版を購入できません。以下のページで「ご購入」を選んでも買えなくなっています。
http://www.junglejapan.com/products/dic/ruigo/
Amazonでもシリーズの大半が「この商品は現在お取り扱いできません」となっています。
ただmikoさんからの情報によると、『デジタル類語辞典 第8版』をバリューネットワークス社が販売しています。
http://www.v-networks.co.jp/SHOP/730723/730813/list.html
ダウンロード電子版が品切れになることはないので一安心ですが、同社が販売を続けてくれる保証はないですし、新版など望むべくもないもしれません。
投稿: バックステージ | 2012年9月 5日 (水) 06時52分
新版が出ないというのは、数年以上のオーダーで考えると厳しいですね。
辞書というのはお金にならないらしいので、これも経済的な理由によるのかもしれません。あれだけ大変な作業をしてくれる人にそれなりの報酬がまわる世の中であってほしいと思うのですが。
投稿: Buckeye | 2012年9月13日 (木) 18時04分