カタカナ正規化ツールのデモ
JTF標準スタイルガイド検討委員会が開催したカタカナ正規化ツールのデモを見てきました。カタカナ正規化というのは、複数の異表記をひとつに変換することを言います。たとえば、インターフェイスを正規形とした場合、異表記となるインタフェースやインターフェースなどをすべてインターフェイスに置換してくれるわけです。
標準スタイルガイド検討委員会の委員長をしている田中さんがこの春、言語処理学会の年次大会で講演を行い、その際、「こんなものがあったらいい」と希望をいくつか並べていたら、東芝の方がおひとり、おもしろそうなので簡単なものを作ってしまったのだそうです。
正直、特に期待もせずに聞きに行ったのですが……これがなかなか。できていたのは基本的な部分だけですが、考えるべきところはきちんと考えて作られており、機能的にはかなりの実用性が期待できます。カタカナ表記のゆらぎに困っているところ(主に翻訳会社でしょうか)にとっては有用でしょう。
私は自分でもいろいろとツールを作っているもので、今回、休憩時間に、「あのくらいだったら簡単に作れるでしょう」と言われましたが、そんなことはありません。利用したデータの量という面でも、開発環境という面でも、もちろん、そこまでの技術的な知識やノウハウの蓄積という面でも、我々のようなサンデープログラマーとは段違いの人が作っているわけですから。私が作っていたとしたらできたであろうものとはレベルが違うところまでちゃんと作られていました。翻訳の現場に密着した人ではないことが弱みとはなりますが、今回のような内容であれば、そこも問題になりませんし。
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