自分にしかできない仕事
transcreativeさんが「自分にしかできない仕事なんてあるのか?」という記事を書いておられます。
私も、同じように考えています。この仕事は好きだからやっているのだし、「自分がいなくても業界は回る。そういう意味で、『自分にしかできない仕事』など存在しない」と。それでもなお、というか、その上で「自分にしかできない仕事」を求め、作ってゆくことが大事だとも。
昨年のJTF翻訳祭における講演、「機械翻訳時代に翻訳者の生きる道」の中心的なポイントでもあったのですが、仕事というのは、まず、好きであることが必要だし、一番でもあるでしょう。カネのために嫌いな仕事をして幸せになれるとはあまり思えませんから。
「好き」をベースに職業を選んだら、同じ職業をしている他の人たちと差別化をはかります。それが、「自分にしかできない仕事」を求め、作ってゆくということ。もちろん、transcreativeさんが書かれているように、極論すれば、そんな仕事はありません。どんな仕事だって、自分がいなけりゃ誰かやる、ですし、それなりにはできてしまうはずです。でも、「あの人がいてくれたらこの仕事ができる人を探す苦労がなくてすんだのに……」「あの人ならもうちょっと上手にやってくれたはずなのに……」と思ってもらうことは可能だし、それを求めてゆくことが充実した職業生活を送るポイントだとも思います。
そのためには……ここだけはほかの人に負けないと言えるモノを身につける必要があります。小さなこと、小さな範囲でいいんです。仕事の全部がそうである必要もありません(少ないより多いほうがいいとは思いますが)。
そういう仕事ができれば、「他人の役に立っている」という実感が得られるはずですし、その実感こそがやりがいなのだと思います。
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