連続を避ける
「『の』の連続は避ける」への補足です。
■「の」の連続を避けた例
今日、翻訳フォーラムへの投稿を書いていたら、
「SimplyTermsのヘルプの正規表現の入門に記載してあります」
となってしまいました。これなんか、「の」の一番基本的な意味、"of"になる「の」が連続しているだけなので意味が不明確になることはないのですが、やはり、気になるので(職業病?)、(↓)のようにしておきました。
「正規表現の入門としてSimplyTermsのヘルプに記載してあります」
ほかには、(↓)あたりのパターンが考えられるでしょうか。
- SimplyTermsのヘルプにある正規表現の入門に記載してあります(「に」が連続して出てくる)
- SimplyTermsのヘルプにある正規表現の入門という項目に記載してあります(「という」で軽くまとまるので「に」の連続は気にならないけど、全体が長い)
■同じ形式の文が連続しないようにした例
守秘義務があるので具体的に上げられないのが苦しいのですが……
今朝方仕上げて送った案件では「~しており、~しています」という文ふたつ、続いていたので、後半を「~し、~しています」に変えました。1文単位で見る限り、どちらでもいいのですが、前と同じ形式が続くのは「の」の連続と同じで避けられるなら避けるべきですから。
またその際、動詞は、状態を表すものから行為を表すものへと入れ替えています。こちらは、「~しており」→「~し」とした結果、状態から行為へと前半が変化したことに後半を呼応させたものです。
なお、2文のうち、前側でなく後ろ側を変えたのは、前側の主格が行為を表す動詞と相性が悪かったためです。
今回は、後ろ側の文が状態を表す動詞でも行為を表す動詞でもだいじょうぶだったから上記のような対応ができましたが、では、前後、2文とも行為を表す動詞と相性が悪かった場合にはどうするのでしょうか。
ひとつの方法は、どちらかの文について、主格を別なものに入れ替えるのでしょう。その結果、おそらくは文が大きく変化し、「~しており、~しています」という構文ではなくなるはずだとは思いますが、もし万一、すんなり訳したら「~しており、~しています」となってしまう場合は……今回と同じように、主格を入れ替えたほうの動詞を行為を表すものにするわけです。もちろん、その主格でも行為を表す動詞と相性が悪ければ……主格をまた別のものに入れ替えてみるのでしょう。
主格を入れ替える以外にも対応策はいろいろとあるはずです。とにかく、違う構造の文になればいいわけですから。
なお、このような処理を行う場合、前後の流れが乱れない形であることが前提条件となります。形式の連続を避けた結果、流れに乱れが生じては本末転倒です。
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コメント
「SimplyTermsヘルプ、正規表現の入門に記載してあります」
投稿: Real Estate Queen | 2016年8月 4日 (木) 13時57分