« 論理の流れと翻訳-予測の観点から | トップページ | 日本通訳翻訳学会-年次大会(2010年) »

2010年9月13日 (月)

JAT Project Tokyo 2010

9月11日の土曜日、JAT(日本翻訳者協会)さんのProject Tokyo 2010に、JTF(日本翻訳連盟)の理事として参加してきました。JATさんとJTFはこのところ協力関係にあり、イベント時、相互に何人か招待をすることが多いのです。

参加するたびに思うのですが、JATさんのイベントは元気がいいですね。年齢層がJTFよりも若いとか、いわゆる会社社長さんではなく個人事業者が大半だからとか、英語ネイティブが多いとか、そのあたりが理由なのだろうと思います。

Project Tokyo 2010は4トラック、4コマ/トラックの構成。私は(↓)のセッションに参加しました。

  • 煙のないところに火を起す(Pulling Jobs out of Thin Air)-松尾譲治さん
  • これ、何秒でできますか?(ワイルドカード、マクロ、ツール)-大里隆幸さん
  • Taming the Dragon: A Practical Guide to Voice Recognition and Translator Productivity(音声入力)-Richard Walkerさん
  • 翻訳者のためのオフィス環境アセスメントと健康アドバイス-ディニー・ユウノさん

以下、自分の心覚えをかねて感想など、書いてみたいと思います。

■煙のないところに火を起す

仕事を請けるのではなく仕事を作り出すにはどうすればいいか、私はこうやっているよという話。刺激的ではあるけれど、誰にでもできる話ではないのも事実。たぶん、私自身はあのやり方をするのは難しいと思うし、同じように感じた人が多いだろうとも思います。ただ、業界ウォッチャー的な立場としては、こういうことをがんばっている人がいるというのはいいなぁと思います。自分の強みをいかに活かすかを考えたとき、ひとつの方策だと思いますから。

お昼がたまたま松尾さんリーダーのグループだったので、食事時にもいろいろとお話しをお聞きすることができました。

■これ、何秒でできますか?

ここは私も追求している部分なので、あまり新しい情報はありませんでした。私にとって新しかったのは、Wordの置換機能に「クリップボードの内容へ置換」があり、それを使うと書式までコピーできるという点くらいですね。私の場合、Wordはなるべく使わないようにしているので、あまり詳しくないもので。

あと、KeyText(アプリケーションを問わずに使えるキーボードマクロ)の話、かな。最初にKeyTextと聞いたときはなんだったっけなと思ったのですが、これ、過去に何回か話を聞いてちょっと使ってみたこともあるけど、結局、自分にとってそれほど便利でもないと使わずにきていたものでした。今回の話を聞いて、もう一度試してみようかなって思ってます。

■Taming the Dragon

音声入力の"Dragon NaturallySpeaking"の話。プレゼンターが英語ネイティブだったので話は英語版についてでしたが、"Dragon NaturallySpeaking"には日本語版もあります。

音声認識エンジンは文章中に単語が出てくるつながりを手がかりにしているらしく、ずらずらっと文を最後まで入れてやらないと認識精度が悪くなります。これに対し、私としてはキーボードと併用し、細かい断片を入れたいのでうまくないんですよねぇ。

とは言いつつ、前回のトライからだいぶ時間がたっているので、もう一度、いろいろとテストしてみてもいいかなって思いました。

ただ、"Dragon NaturallySpeaking"については、日本語版は2005と古いようなので、新しいバージョンが出たら、かなぁ。

■翻訳者のためのオフィス環境アセスメントと健康アドバイス

体に無理をかけないように椅子とか机とか入力機器とか工夫しましょうねって話が中心。私も、そのあたりの工夫で腰痛や肩こりと無縁になった人なので、ここが大事っていうのはよくわかります。ま、逆に言えば、ここも新しい情報は少なかったのですが……

キーボードを太もも近くと低い位置に置き、体に近い側を高くしておくとヒジの曲がりが少なくなっていい、ナチュラルキーボードで前側が上がるようになっているのはそのためって……そうだったんですねぇ。これは大きいかも。

とりあえず、今朝、しばらく、ひざに板を置き、その上にナチュラルキーボードを置く形にしてみました。少しだけ楽な気もするし、変わらない気もするし……(^^;) マウスをどこに置くかが問題になりますねぇ。マウスは机に置かざるを得ないわけで、キーボードと高さが違ってしまいます。で、肘掛けなんかはキーボードに合わせて調整すると、マウスのとき、手にいらぬ力がはいるかも。

まあでも、なるべくまっすぐ立っている姿勢に近いほうが体に無理がこないはずという私の基本的な考え方とも合うので、少しずつトライしてみようかなと思います。

■懇親会

近くのレストランを半分くらい借り切るような形で行われました。

いろいろと新しい方との出会いがありました。JATさんのイベントに参加するのは久しぶりなもので。去年のProject Osaka、JTFに講演者紹介の要請が来て、話の内容も内容だし、私が行こうかって話になったのですが、交通費も出ないし大阪近辺の人をってJATさんのほうが遠慮されて参加せずに終わってしまいましたし。

実は聞くだけでいいから行こうと思っていたのですが、いろいろバタバタして無理が出るからと最終的にはあきらめたという経緯があります。

|

« 論理の流れと翻訳-予測の観点から | トップページ | 日本通訳翻訳学会-年次大会(2010年) »

翻訳-イベント」カテゴリの記事

コメント

佐藤信彦です。

翻訳者はマウスで悩んでいる人が多いのに、何故トラックポイントが人気にならないのか不思議で、不思議で(^^)

投稿: 佐藤信彦 | 2010年9月13日 (月) 13時08分

トラックボールを使っている人も一部にはいますが、少数派ですよね。

私、むか~し、ノートパソコンについていたごく小さなボールのトラックボールが大好きだったのですが、単体で売られているラックボールはどうも……トライしたけど慣れなくて捨ててしまいました。

投稿: Buckeye | 2010年9月13日 (月) 13時23分

いやいや、トラック「ボール」じゃなくてトラック「ポイント」ですよ。この辺りも、少数派の影響だなぁ(;_;)

キーボードのホームポジションから一切手を離す必要がないから、テキスト入力主体の作業には最適だと思うんだけどなぁ。

投稿: 佐藤信彦 | 2010年9月13日 (月) 15時57分

ThinkPadにあったヤツっすか……慣れればそれなりとは聞いてますけど、あれはトラックボールに倍加して慣れないと使えないからなぁ……

投稿: Buckeye | 2010年9月13日 (月) 16時07分

PROJECT 2010 行き損ねたんですよね。残念。いらした方のブログを読んで、面白そうだったんだなあと思っていたところでした。

>ただ、"Dragon NaturallySpeaking"については、日本語版は2005と古いようなので、新しいバージョンが出たら、かなぁ。

うちのワークショップでは3人がAmiVoiceを愛用中です。ひとり(先日ご紹介した元SEの2番弟子)が使い始めてみて良かったので、うちの連れ合い、YUUさんとだんだん広がっていっています。わたしも10年くらい前に別のソフト(なんだっけな。IBMだったかな)を一度トライしてダメだったのでそれきりにしていましたが、最近のソフトはかなり良くなっているようで、3人ともよく活用しているようです。わたしは英語だけやってみていますが、これはWindows標準の機能でできます。やり方は以前この辺に書いておきました。
http://blog.livedoor.jp/wheresthememo/archives/1288204.html
http://blog.livedoor.jp/nest_pc/archives/1263358.html

投稿: miko | 2010年9月14日 (火) 02時45分

私が昔トライしたのもIBM ViaVoiceでした。何年か間をおいて2度、トライしたのですが、どちらもイマイチで。

AmiVoiceですか。私も一度、使ってみようかな。使ってみていいと思う人が多いということは、なにか、そう思わせる点があるってことなのでしょうから。

英語の音声認識は……標準機能ならトライしてみてもいいけど、私の場合は、まず、使い物にならないでしょう。英日のほうが多いっていうのもありますが、それよりなにより、英語の発音が、ちょっと、ね(^^;) 人間にはちゃんと理解してもらえる範囲だけど、マシンが理解してくれるほどよくないので。

投稿: Buckeye | 2010年9月15日 (水) 04時04分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: JAT Project Tokyo 2010:

« 論理の流れと翻訳-予測の観点から | トップページ | 日本通訳翻訳学会-年次大会(2010年) »