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2010年7月12日 (月)

欠陥表示で書いた人が責任を問われる

ライターさんのコミュニティで話題になっていたことなのですが、我々翻訳者も注意すべきことだと思うので書いておきます。

伝聞なので、確たることは言えないのですが……PL法系の話で、製品に表示欠陥があった場合、その取説や広告媒体を制作したデザイナーやらライターやらの「個人責任」が問われて、賠償を請求されたり、不法行為の教唆で犯罪者になる危険性があるのだそうです。

文言が問題になった場合、その文言を書いた人が責任を問われる……ということは、日本語版の文言を書くことになる我々も気をつける必要があるでしょう。「英語にそう書いてある」はおそらく、免罪符になりません。それこそ、法律が異なる国で書かれたものを訳すことが多いわけですから。日本版については、その日本語を書いた人(翻訳者)が責任を問われると覚悟しておくべきだと思います。

昨年の健康増進法改正において「制作者の個人責任を問う」と法律に明記されたのだそうです。すでに、デザイナー個人が責任を問われた判例も出ているとのことです。

違法になる表現があれば、原文から逸脱しても削除なり表現を大きく変えるなりする必要があるということです。その上で、これでは原文と違うから同じようにしろとの指示があって仕方なく従ったのであれば、責任は指示を出したほうへゆきます。もちろん、その指示は文書の形で残しておくべきでしょう。一筆入れるほどでなくても、メールなら、プリントアウトして残しておくことができます。電話での指示には従わない。

ちなみに、こういった表示・表記関連の規制は、以前は厚生労働省が所管でしたが、現在は消費者庁に移管されたそうです。そのような移管の結果、消費者庁は、電気製品・ガス製品・家庭用品といった業法関連の安全法(電気製品安全法など)をすべて所管する立場となりました。とりあえず、生命に関わる薬事関連(上述の健康増進法など)を先行させて規制を強化し、のちにほかの分野へも拡大する方針らしいです。

このあたり、少し勉強する必要がありそうです。

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コメント

「欠陥表示」の話とはかなりずれるのですが、長年ほのかに感じつつも現実化しないので問題になっていない課題として、「社会悪に結びつく/結びつきかねない情報の翻訳を依頼されたとき、どうするのか?」ということがあります。

今日はこんな記事を見かけました。いち早く訳したいと思う人が翻訳を外注してもおかしくないですよね。

アルカイダが雑誌発行、爆弾製造など「便利なスキル」を公開
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2740571/5961707

自分の専門分野の場合も、今までは問題なかったけど、もっと安全保障状勢が緊迫すれば、やばい技術に関係しかねない文献の翻訳などあり得るとは思いますが、

まあ、基本的スタンスとしては、どの受注ルートに対しても、「案件の内容次第では翻訳を拒否する権利」を確保できる程度の距離を保つことにしよう、、、と思っています。

一生杞憂に終わるのかもしれませんが、雑感まで。

投稿: あきーら | 2010年7月13日 (火) 02時34分

あきーらさん、

社会悪につながるものは……どうなんでしょう。私は断りますけど、でも、きっと誰かが訳すんですよね。それも、法律的にやばい話になってもおかしくないような気がします。

そこまでの話でなくても、悩ましいことはありますよね。意見が自分と正反対でも、原文を書いた人を代弁するのが我々の仕事ですが、自分が賛成するものに反対する意見、反対するものに賛成する意見の仕事はなんともやりにくいものです。実際、初回が好評でリピートが来たけど、自分と反対の意見を訳すのはいやなのでと断った経験、あります。こんなん、どーでもいいじゃんと思うものをすごい、すごいと言っているくらいは特に気にしませんが。

投稿: Buckeye | 2010年7月13日 (火) 07時57分

この話、規制当局や法律系の人に話を聞くのがはやいのですが個人ではどうにもなりません。というわけで、JTFの翻訳環境研究会で取りあげてほしいとお願いしてきました。とりあえず取りあげる方向で準備を進めてくれるそうです。経産省経由で消費者庁の担当官にお願いして話をしてもらうなどを考えているとのこと。

話が聞けると決まったら報告します。

投稿: Buckeye | 2010年7月16日 (金) 11時00分

> 社会悪に結びつく/結びつきかねない情報の翻訳

私がいた D 社では、そのような性質が明らかな場合には受注しないというコードがあると聞いたことがあります。

にもかかわらず、どこかの会社が業務メール翻訳の一環として発注したらしいのですが、"ナイジェリアの手紙" 詐欺メールの翻訳依頼があり、たまたまコーディネータも社内担当者もそれを知らずに途中まで翻訳を進めていた、というケースがありました(その担当者の作業中、モニタを見た私が気づいてストップかけました)。

投稿: baldhatter | 2010年7月16日 (金) 11時09分

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