50歳以上限定の居酒屋さん
今朝、テレビで、50歳以上でなければはいれない居酒屋が人気というニュースが取りあげられていました。
外でお酒を飲む年齢を20歳から70歳くらいとしても、ざっと半分を締めだす計算になります。50歳未満の人が同行しているとはいれないことを考えると、実質、もっと狭い範囲に的を絞ることになります。完全なニッチ。
客層はなるべく広く対応したほうがいい。わざわざ絞るのは自分の首を絞めるようなもの。そう考えるのが当たり前でしょう。
でも、そういうニッチなニーズが満足されることを求めてくる客がたくさんいて人気になっているわけです。
フランチャイズで全国展開は難しいでしょう。居酒屋チェーンのトップを狙うのはカンペキに不可能です。でも、街の居酒屋さんとして身の丈で商売をしてゆくなら、大手がはいってこれないニッチだからこそいいという考えもあります。
個人の翻訳者も同じだと思うんですよね。翻訳会社、それも中堅クラスになれば、売上を増やすために対応を広げて百貨店型になってゆきます。だからといって翻訳者も同じようになる必要もないし、それこそ、得策でもありません。翻訳者はあくまで専門店。ま、職人ですからね。
世の中で需要が多い分野、需要が多い翻訳のパターン……それを追う必要もかならずしもないと私は思います。たしかに需要が多ければ仕事につながりやすいという側面はありますが、コモディティ化しやすいという面もあるからです。需要が多いということはたくさんの翻訳者がいるということであり、それはつまり、競争が激しいことを意味します。自分がやらなくても誰かがやる、やれてしまう。
そこで勝負するのか、それとも、人の少ないニッチで勝負するのか。自分はどういう道に進みたいのかをよく考えてみる必要があると思います。
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