翻訳書は読みにくいもの
自分で訳書を出していてこんなことを言うのもなんですが、翻訳書って読みにくいものです。はい、私が訳者であるものも含めて。
翻訳書というのは、なにをどうがんばっても、読みにくいものにしかならない。私はそう思うんです。
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昨日(2010年7月29日)、CheckAlignという翻訳のチェックを支援するソフトウェアの説明会に参加してきました。JTFの翻訳支援ツール委員会が行っているものです。
開発したのは翻訳会社のMCLというところ。
もともと、自社が翻訳のチェックを行うとき、一部作業を自動化しようと作ったソフトウェアで、それを外販することにしたようです。しばらく前に翻訳会社向けエンタープライズ版(価格は40万円)の説明会があったらしいのですが、今回私が参加したのは、機能を限定して値段を引き下げたパーソナル版(4万8000円)の説明会です。
以下、私が理解した範囲で書いていますので、聞き間違いなどありましたらご容赦を。
基本的な機能はパーソナル版で使えますが、用語集ファイルがひとつしか指定できないとか、大文字が何文字連続したら略号だとみなすかという設定ができない(デフォルトで決まっている)など、少しずつ機能を抑えたという感じです。
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編集系の友人、ふたりが共同で事務所を開くことになり、事務所開きがあったので行ってきました。ふたりとも法人を設立しているので、事務所は、株式会社本の絆と株式会社サヴァポコの合同事務所という形になります。
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「複数PCの使い方」のコメント欄で簡単に説明したセットアップを少し詳しく説明します。
私の場合、仕事用マシンは基本的に2台体制としています。
新しいマシンはメインマシンとし、それまでのメインマシンをサブマシンにするという形で順送りにしています。
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昨日は夜、東京駅近くの丸善本店で『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』刊行記念のトークショーというのに行ってきました。
この本を訳して日本で出すべきだと日経BPさんに推奨され、解説も書かれた外村仁さんと『iPhoneショック』、『iPadショック』を書かれた林信行さんのお二人が掛け合いで話をされるもの。書店で行われるイベントがあることは知っていましたが、今回、はじめて参加しました。
話をされるおふたりのファンという人たちも多かったようですが、刊行記念ということで、本好きな人も多かったようです。飛行機の到着遅れで始まりが少し遅れたのですが、待っているあいだ、多くの人が『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』を黙々と読んでおられました。
●著者、カーマイン・ガロもビデオで参加
『ウィキノミクス』の読書会では壇上にあがることになりましたが、今回は聴衆のひとり。ただただ楽しんで帰ってきました。
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このあいだの週末、友人から紹介されたハンバーガーショップへ家族で行きました。アメリカンなハンバーガーのお店で、近くに行ったときにはまた食べに行ってもいいと思うくらいだったのですが、このブログに書くのだから、当然、話のポイントはそこにありません。
食べ終わったところで、上の息子(中2)が私に聞いてきました。「この英語、どうして動詞がみっつもあるの?」と。
息子が指さす先をみると、プレートに(↓)と書いてありました。
Thank you plate is excellent as it is.
「ああ、"Thank you"で切れるんだと思うよ。後ろ側は動詞が2個あるタイプの構文」
「意味はその上に書いてあること?」
「……」
言われてみれば、この英語の上には日本語が(↓)書かれていました。
スタッフが下げますので、お皿はそのままで結構です。
「いや、これはなんか、ぜんぜん違うことが書いてあるんだと思うよ。だって……あれ???」
もしかしてもしかすると……
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『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』、先行販売分を買った方などから、明日からの一般販売を前に続々と書評があがっています。そして……はい、出てしまいました。「誤訳や安易な訳が多いのが唯一の難点だ」という書評。
訳者としては、もちろん、いちばん出てほしくないたぐいの話なのですが、「翻訳が正しいか否かは翻訳後に決まる」でも書いたように、「どうがんばっても一定数には届かない」のが翻訳なので、出てしまうことが避けられないものでもあります。もちろん、人間がする以上、ミスをゼロにすることも不可能で、解釈間違いという狭義の誤訳さえもやってしまう可能性だってあります(『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』では、1個所、解釈間違いという大誤訳が残っており、読まれた方にブログのコメント欄で指摘していただきました)。
「世界は舞台、人生はプレゼン。そしてジョブスのキーノートはその道しるべ」(Lifehacking.jp)に、内容がすばらしいという絶賛のあと(内容の良し悪しは著者の責任であり、我々翻訳者は著者の足を引っぱらないことが基本的な仕事です)、最後に(↓)とあります。
難点など
唯一の難点は、あきらかな誤訳や、安易な訳に逃げた箇所や、音読していればさけられたはずの日本語の間違いが少なからずある点です。
“We’re here to put a dent in the universe” を「宇宙に衝撃を与える」と訳すのは言葉が足りない気がしますし、p.31 の「レオパードからリードを外す」「アップル、iPod を詰める」はまったく意味をなしていません(原文は、”Unleashes Leopard” つまり「Leopard を解き放つ」と、”Apple Shrinks iPod” 「アップル、iPod を縮小する」)。
「少なからず」と書かれているので、おそらく、ここに挙げられたほかにもいろいろと気になったところがあるのだろうと思いますが、とりあえず、挙げられた点について何を思って訳したのかなどを書いてみましょう。こういう裏話を聞きたいと翻訳者仲間からはよく言われますので。
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作業環境関係でbaldhatterさんと互いのブログでやりとりするような感じになっています。今度は、「禿頭帽子屋の独語妄言 side A」に「# 現在の作業環境、その4 - 常駐アプリケーションなど」というエントリーが上がったので負けじと(って、張り合ってどうする^^;)。
……って、実は、私の場合、常駐ソフトはとても少なくて、Nortonのほかは(↓)くらいなものです。
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ライターさんのコミュニティで話題になっていたことなのですが、我々翻訳者も注意すべきことだと思うので書いておきます。
伝聞なので、確たることは言えないのですが……PL法系の話で、製品に表示欠陥があった場合、その取説や広告媒体を制作したデザイナーやらライターやらの「個人責任」が問われて、賠償を請求されたり、不法行為の教唆で犯罪者になる危険性があるのだそうです。
文言が問題になった場合、その文言を書いた人が責任を問われる……ということは、日本語版の文言を書くことになる我々も気をつける必要があるでしょう。「英語にそう書いてある」はおそらく、免罪符になりません。それこそ、法律が異なる国で書かれたものを訳すことが多いわけですから。日本版については、その日本語を書いた人(翻訳者)が責任を問われると覚悟しておくべきだと思います。
昨年の健康増進法改正において「制作者の個人責任を問う」と法律に明記されたのだそうです。すでに、デザイナー個人が責任を問われた判例も出ているとのことです。
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「禿頭帽子屋の独語妄言 side A」に「# マシン 3 台、ディスプレイ 2 台 - # 現在の作業環境、その3」というエントリーがありました。
baldhatterさんの場合、キーボード・マウスは1セットとして、ソフト的に切りかえて複数台のPCを使っておられるようです。
私はハードウェアで切りかえています。やり方がかなり違うので、私のほうも紹介しておきます。
■仕事環境の全景
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今朝、テレビで、50歳以上でなければはいれない居酒屋が人気というニュースが取りあげられていました。
外でお酒を飲む年齢を20歳から70歳くらいとしても、ざっと半分を締めだす計算になります。50歳未満の人が同行しているとはいれないことを考えると、実質、もっと狭い範囲に的を絞ることになります。完全なニッチ。
客層はなるべく広く対応したほうがいい。わざわざ絞るのは自分の首を絞めるようなもの。そう考えるのが当たり前でしょう。
でも、そういうニッチなニーズが満足されることを求めてくる客がたくさんいて人気になっているわけです。
フランチャイズで全国展開は難しいでしょう。居酒屋チェーンのトップを狙うのはカンペキに不可能です。でも、街の居酒屋さんとして身の丈で商売をしてゆくなら、大手がはいってこれないニッチだからこそいいという考えもあります。
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激安翻訳のサイトといえば、当然、不特定多数からの発注を受けるという形になるわけで、「激安翻訳のサイト」ではそういうものを紹介したわけですが、それ以外にも新しい流れがあります。通常の産業翻訳とは違う新しい進め方も紹介しておきましょう。
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先日来、単価の下落などに関連するエントリーを続けて書いているわけですが、そういうことをしていると、いろいろと情報を寄せてくださる方がいたりします。そんなこんなで知った安い翻訳料金の例を紹介しておきます。
お金の関係などは、すべて、ウェブに公開されている情報+私の推測です。自分も参加してみればもっと詳しくわかるのですが、さすがにそこまでしてみるつもりにはなれませんから。
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『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の見本刷りが届きました。
初版の刷り部数全部が一度にできあがるわけではなく、一部が先行して出版社に届くのですが、それを見本刷りといいます。訳者・著者への献本(最大で10部くらい)のほか、書評を書く人たちに配布するなどに使われるようです。本が書店に並ぶころ、書評が出てくるためには事前に読んでもらう必要がありますからね。
今回は、この見本刷りを使い、一部書店で先行販売をしているようです。7月15日には丸の内の丸善本店で本書の刊行を記念して「外村仁さん×林信行さん トークショー」というのが開かれるのですが、このイベントの入場整理券は、この先行販売分(あるいは林信行さんの新刊、『iPadショック』)を丸善本店で購入した人がゲットできる。そういう仕組みになっているようです。
余談ながら、このイベント、私も顔を出す予定です。JTFの理事会から回ればちょうどというタイミングですし。といっても、別に話をするわけではありません。後ろのほうで外村仁さんと林信行さんのお話を楽しませていただくつもりです。
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ちょいちょい読みにいってる「技術者から翻訳者へのシルクロード」に「日英・英日翻訳を中国人に外注(ビジネス最新事情?)」というエントリーがありました。
日本の翻訳会社が中国事務所で中国人に英日・日英の翻訳もさせていることについての所感です。
上記エントリーが参照している元記事はこちら。通訳翻訳ジャーナル2008年2月に掲載された記事のようです。紹介されているのは広島にある翻訳会社、トランスワード(上記サイトはトランスワードさんのサイト)。取材を受けた社長の仲谷さんは一緒に飲みに行ったこともあったりして、知らないわけではない人だったりします。
「技術者から翻訳者へのシルクロード」に書かれた感想が翻訳者に一般的かなと思う半面、私はちょっと違う感想を抱いたのでメモしておきます。
翻訳というのはあくまで結果だけで評価されるものなので、「できればいい」んだと思うのです。そういう意味では、誰がやったかに価値はありません。
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このごろ、モニターに合わせたメガネでは手元の本がチェックできず、メガネなら外す必要があるし、コンタクトなら老眼鏡をかける必要があっていろいろと不便を感じるようになりました。モニターが広いため、遠近2焦点のメガネでうまく対応できるのか不安があって先延ばしにしてきたのですが、さすがに常使いのメガネでモニターを見てもちょっと体を引きたくなってきたので、とにかく、トライしてみることにしました。
メガネ屋さんでいろいろと話を聞いてみたのですが……なんか、私の場合、使い方が特殊らしく、話がややこしくなってしまいました。
というわけで、経緯その他、ざっとまとめておきます。
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「単価下落がもたらしたもの」で、翻訳の時点でめちゃくちゃになってしまったものを「なんとか合格点まで持って行く」ためのチェック・リライトの依頼が増えているらしいことを紹介しました。
この状況に対し、我々翻訳者はどう対処すべきでしょうか。
いろいろな対応がありうるでしょう。
価値判断の部分は人それぞれなので横に置いておくとして、ここでは、事業者として収益最大化に貢献するかしないかという観点からの検討を試みます。
まず、料金体系は時給換算のほうがいいでしょう。1時間あたり~円として、かかった時間をかける形です。1文字~円として、あまりにひどくてえんえん作業をしたものだから、時給換算で100円になってしまった……なんていうのは、事業として大赤字ですからね。
この時給が仕事として成立するレベルなら請ける、そうでなければ請けないと判断するわけです。
では、いったい時給がいくらであれば妥当なのでしょうか。
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このところの単価下落に伴って生まれたのではないかと思う流れがあります。
英日翻訳のネイティブチェックやリライトです。
できの悪い英日翻訳者を、日本語ネイティブの英日翻訳者に外注でチェック・リライトを依頼するというヤツです。もちろん、こういう話は昔からあったのですが、それが増えていて、どうも常態化しているところもあるのではないか。周りを見ていると、そういう気がするようになってきました。
翻訳の世界では、日英翻訳などのように、日本人翻訳者が訳したものを英語ネイティブがチェックするという流れがありました。たぶん、これと同じ発想で英日翻訳のネイティブチェックやリライトもやっているのではないかと思うのですが……このふたつは前提が大きく違うんですよねぇ。
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単価下落の原因として昔からよく挙げられるのが、いわゆる主婦翻訳者です。
翻訳という仕事が生業という意味を強く持つ私のような専業翻訳者にとって、それとは大きく異なる価値観で動く人がいないほうが楽なのは確かです。
食べることに不自由していない人、お金に不自由していない人の場合、「社会貢献」などお金とまったく異なる価値観に重きが置かれたりするので、「収益最大化」と相性が悪かったりします。場合によって、それこそ、報酬は少ないほうがいいという考え方もあったりしますからね。扶養家族から外れない範囲で働くことに大きな価値がある場合、報酬が高いと少ししか仕事ができないから、だそうです。実際、扶養の範囲を超えそうだから単価を引き下げてくれと頼んだ人の話を昔、聞いたことがあります(その人はその翻訳会社の最低レートだったそうで、その人の単価引き下げと同時に、同じく最低レートだった人たちのレートも下げられたそうです)。
でも私には、主婦翻訳者といわれる部分の人たちにマーケット全体を引き下げる力があるとは思えません。理由は、「翻訳者の収入分析-7.分析詳細(安値受注について)」に書いたとおりです。データが古いのがちょっと気になりますが、仮に年間売上100万円以下の層が人数割合で当時の18%から倍増したとしても(業界地図が塗りかわるというほどの激変)、仕事量で見ると大きな力にならないであろうことに変わりがありません。
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先日来書いているようなことを言うと、「翻訳というのは社会的な意義があり……」とか「社会貢献として翻訳をするというものも……」など、要するに、「お金だけじゃないよ」っていう反論を受けることがあります。そのあたりについて検討しておきましょう。
最初にもう一度確認しておくと、現代の社会システムとして営利事業を営む事業者とは、基本的に「収益を最大化する」が方針だという前提があります。高く売って利益率を高める、薄利多売で収益を積み上げる……方向性はいろいろありえますが、わざわざ収益を引き下げることはしないのが普通です。普通というか、株式会社などでは、「収益を最大化しよう」という考え方をしない経営陣は更迭の対象となる悪なわけです。
そうなるのは、今の社会が資本主義だからです。
資本主義の世の中では、翻訳もほかの仕事も、社会に対する貢献度を一義的に測るものさしは「お金」です。
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「翻訳者は個人事業者」で我々は事業者であることが大前提だと書きましたが、では、個人事業者として、ある仕事を請けるか・請けないかはどこで判断するのでしょうか。
■可能・不可能
第一段階は、内容・納期から自分にできる案件かどうかで判断します。ここで「できない」と判断すれば、ほかのことは考える必要がありません。
できる・できないの判断ができない人はまともなプロと言えません。プロとは自分の限界を知る人なのです。
内容と自分の関係は、大きく(↓)のようになると思います。
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