スタイルガイド検討フォーラム
ITローカライズ系でよく使われるスタイルガイドについての検討をJTFで行っています。
スタイルガイドというのは、もともと、多人数で翻訳する際に揺れがちな品質を安定させたり、底上げすることを目的に作られたものなのですが、現場で仕事をしている人からはおかしな決めごと、適用すべきときとすべきでないときがあるのに従っていないと後処理で無理矢理に修正(その実態は改悪)されてしまうなど、いろいろと問題があると聞きます。ソースクライアントごとに細かく違うことも、複数企業の仕事をするフリーランスにとっては混乱する点であり、作業効率は落ちるしミスは出やすいしといいことがないという話もあります。
ただ、そうやって文句を言っていてもなにも変わりません。ダメだと言うなら対案を出そう。そういう考えで、とにかく、なにが問題でなにをどうすべきなのか、まずは話しあってみようというのがSINAPSフォーラムです。
参加は誰でも可能です。JTFが推進するプロジェクトですが、JTF会員でなくても読めるし書けます。仕事でスタイルガイドを使う機会がある人は、ぜひ、参加を。
スタイルガイドと無縁だという幸福な方も(私もその一人ですm(_ _)m)のぞいてみることをお勧めします。翻訳の世界でかなり大きな比率を占めるローカライズ系というのは、こういう世界なのだということをかいま見るいいチャンスです。ローカライズでなくても表記その他、産業翻訳に共通する部分はたくさんあります。そのあたりを考えてみるいいチャンスでもあると思います。
なんといっても、このフォーラムの目的は、日本語の実用文の表記スタイルについて検討し、最終的には外国語→日本語の翻訳における日本語標準スタイルガイドを作りたいということですから。
| 固定リンク
「言葉-日本語」カテゴリの記事
- 日本語の文末表現(2019.01.28)
- 部分否定(2018.08.11)
- 主語を出さなければならないとき(2012.03.06)
- 翻訳者と日本語入力IME(2010.10.02)
- ひらがな・漢字・カタカナの連続(2009.03.05)
「翻訳-業界」カテゴリの記事
- 私が日本翻訳連盟の会員になっている訳(2019.02.27)
- 河野弘毅さんの「機械翻訳の時代に活躍できる人材になるために」について(2019.02.22)
- 産業系の新規開拓で訳書は武器になるのか(2019.02.21)
- 『道を拓く』(通訳翻訳ジャーナル特別寄稿)(2019.02.15)
- 翻訳者視点で機械翻訳を語る会(2019.01.23)
コメント
この記事から飛んでSINAPSフォーラムにアクセスされた方、ユーザー登録をされた方がかなりおられたようですね。ありがとうございます。
昨日、SINAPSフォーラムを運営しているJTFスタイルガイド検討委員会の委員長から、「アクセスログを解析したとき、最近、急にアクセスが増えていて何があったのかとリファラーを見たら、Buckeyeさんのブログから飛んできた人たちでした」と言われました。
まずはいろいろな議論を読んでいただくのだと思いますが、何か思うことがあったときにはぜひ、書いていただきたいと思います。いろいろな人がいろいろな意見をぶつけ合うこと、そうやって考えること、ほかの人たちが考えるネタを提出することが大事だと思いますから。
投稿: Buckeye | 2010年6月25日 (金) 08時46分