ノンフィクション出版翻訳忘年会
この月曜日にノンフィクション出版翻訳忘年会が開催されました。例年100人超の翻訳者、編集者、版権エージェントさんが集まる会なのですが、今年は160人ほどが参加と過去最大規模になりました。出版系においても、自ら動いて状況を変えてゆかなければならないと思う人が多いということなのかもしれません。
今年のノンフィクション出版翻訳忘年会では、うれしい話を2件、聞きました。
一つは、少し前の回で受付のお手伝いをお願いした人から、「あのとき紹介してもらった出版社の人と仕事をすることになり、今月、訳書が刊行されます」との報告をいただいたこと。出版系は力があってもチャンスに巡りあわなかったりとなかなかに狭き門なのですが、チャンスのほうで少しお手伝いができたということのようです。もちろん、「誰かお手伝いをしてくれませんか」という私の呼びかけに応えたのもその人なら、紹介された編集さんとその後つながりを持ちつづけて仕事につなげたのもその人。チャンスは、その人が自ら呼び込んだと言ったほうが正しいと思いますけど。
もう一つは出版系の話ではなく、産業翻訳をしている人からの報告。先日の翻訳祭などで「安すぎる単価の仕事は断りましょう。取引先を選びましょう」という話をしたわけですが、この点について実践し、「単価は××円で」と主張した結果、ちゃんとその単価で仕事を出してくれるところと巡りあったというお話。同じ単価であちこちに話をすると、すんなり出てくるところもあれば、「それはとても無理」と言われるところもあるとのこと。そんなものなんです。買い取りの価格が違うのは、翻訳会社の懐事情による違いということもあれば、トライアルの評価基準が異なるからということもあるでしょう。でもともかく、一定レベルの力があれば、それなりの価格で買ってくれるところがあるものです。もちろん、とにかく買いたたこうとするところもあるわけで。それを探すのは我々自身の仕事です。
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