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2009年11月

2009年11月26日 (木)

JTF翻訳祭2009来場者アンケート

来場者アンケート、改めて見てみました。私の講演については、「あまり参考にならなかった」(5段階評価で2)という方もおられましたが、「とても参考になった」「参考になった」(5段階評価で5と4)が大半だったようです。今回は準備にかなり苦しんでしまいましたが、その甲斐があったかなとホッとしています。

自由記述欄では「私のPPTを印刷した配付資料が欲しかった」とのご意見をたくさんいただきました。

すみません、これが配布できなかったのはすべて私の責任です。レジメ締め切り日には講演の流れさえも固まっておらず、PPTを作ることはないだろうと思っていました。講演の流れがなんとか固まったのが前日お昼過ぎ。急がなければならないバックログはなかったので(できたら翻訳祭の朝、無理なら週明けに納品という仕事はありましたが)、そこからPPTを作りはじめ、全体の形が整ったのが夕方。翌朝、最終調整。もっと早くに流れを固められていれば、みなさんに配付資料をお渡しできたのですが……力不足で申し訳ありませんm(_ _)m

ところで、来場者アンケートの項目の一つ、講演者やパネリストに対する質問の欄で、私宛に以下の質問をいただきました。

翻訳品質の最終的な管理責任は翻訳会社にあると考えますが、翻訳会社が翻訳者に求める品質管理のレベルは、どの程度が適当と考えますでしょうか? 「スタイルガイドに関する調整は翻訳会社の仕事」と翻訳者から言われたことがあります。住み分けの標準はどのようにお考えでしょうか? また、MTの修正作業は翻訳者の仕事とお考えでしょうか? どのくらいのクラスの翻訳者なら、きちんとした品質を確保できるものでしょうか?

内容が多岐にわたるので、以下、分解して回答します。

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トヨタプリウスと翻訳

北米市場でトヨタプリウスが直面したさまざまな問題が今朝のニュースでレポートされていました。

フロアマットを2枚重ねているとアクセルがひっかかる(米国ではフロアマット2枚重ねがよく行われる)。
  ↓
トヨタは、当初、車の問題ではなく使い方の問題だとしていたが、米政府からの強い働きかけもあってアクセルペダルを短くする対応を行った。


アクセルをいっぱいに踏んだままだとブレーキをかけてもあまり効かない。
  ↓
アクセルが踏まれた状態でもブレーキをかけるとエンジンカットとなるようにした。

いずれも、「使い方が悪い」と言えないものではありませんし、当然、法律でどうこうというような問題でもありません。「使い方の問題だ」と突っぱねるもよし、「そういう使い方にも対応できるようにしました」と売り込むもよし、でしょう。

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2009年11月24日 (火)

JTF西日本セミナー

このところほぼ毎年、JTF西日本セミナーにでかけています。今年は12月4日(金)です。

JTF西日本セミナー
「翻訳力」ステップアップⅢ
~技術・実務翻訳者 井口耕二さんに訳文チェックしてもらおう♪~

12月の西日本セミナーは交流会がセットになっています。そのため会費は高め、セミナーの時間は短めです。私としては、交流会でいろいろな人と話ができるというのは大きな価値だと思うのですが、そう思わない人にとってはイマイチのパターンかもしれませんね。

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JTF翻訳祭2009-「今こそ、脱皮のとき!」

2009年11月20日(金)、社団法人日本翻訳連盟(JTF)が東京で恒例の翻訳祭を開催しました。今年のテーマは「今こそ、脱皮のとき! ~世界同時不況から一年、翻訳業界の進むべき道~」でした。

私は今回、講演者の一人であったことから客観的な評価が難しいのですが、友人の翻訳者たちの意見などを参考に総括すると(↓)のようになりそうです。

ソースクライアントと翻訳者は壇上にあがった全員が自ら(同業者)について問題や提案を出すなど危機意識が感じられる人ばかりであったのに対し、翻訳会社についてはどう自己変革していくべきかという視点が見えず、翻訳会社の危機意識のなさ、変革する意思のなさが際立ったと言えます。危機意識は、「翻訳者>ソースクライアント>>翻訳会社」という感じでしょう。

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2009年11月18日 (水)

実力があれば機械翻訳ソフトを使いこなせるのか?

私は、職業翻訳者が機械翻訳ソフトをツールとして使うのはよくないと考えていますし、ことあるごとに、この立場から書いたり話したりしています。

これに対し、機械翻訳ソフトをツールとして使うことを推奨される人たちは、「実力がなければ引きずられる」、逆に言えば、「実力があれば大丈夫」と言われます。翻訳ワークフロー、SATILAのPRページもこのパターンです。

前回のエントリー、「機械翻訳ソフトは自分のコピー?」では、機械翻訳ソフトを使っていると実力の涵養が難しいという話を紹介しました。こちらは、すでに実力をつけた人なら使えるのか、という点を検討します。

本当でしょうか。

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2009年11月16日 (月)

機械翻訳ソフトは自分のコピー?

先日の「機械翻訳ソフト利用による翻訳の実例」でアップロードした訳文についての検討のあと、「機械翻訳ソフトの出力訳文に引きずられる」ことについての議論が続きました。そこで言われたのが、(↓)のような趣旨のことでした。

今、工場では熟練工の動きをコピーした溶接ロボットがたくさん働いている。翻訳ソフトもそれと同じで翻訳職人の生き写しとすればいい。自分の生き写しとなった翻訳ソフトであれば、その出力訳文に引きずられることなどあり得ない。

今回も、相手の方のお名前を伏せ字にして私の返信をアップロードします。

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2009年11月13日 (金)

機械翻訳ソフト利用による翻訳の実例

別の翻訳者と機械翻訳ソフトの利用について議論したときについても触れておきましょう。2003年の春ですから、もう、6年以上も前のことです。

そのときは、(↓)のように聞かれ、原文と訳文のセットを提示されました。

機械翻訳による出力訳文を以下に例示します。
これでも機械翻訳の出力訳文に引きずられていると言えるでしょうか。

これに対する私の返信をアップロードします。なお、もともとが翻訳パラダイスという会員制MLにおけるやりとりなので、相手の方の名前は伏せ字にしてあります。

このときも、私の結論としては、「機械翻訳ソフトをツールとして使うのはよくないだろうな」でした。機械翻訳ソフトの出力文をどの程度、書き換えているのかがわからなかったので、手間と訳質との関係についてはまったく不明です。

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2009年11月11日 (水)

機械翻訳ソフト利用の評価-SATILAを実例に

機械翻訳ソフトを活用する代表例としてSATILAによる訳文を細かく見てきましたが、まとめるとどうなるでしょうか。

構造がごく簡単な文なら、トライアル合格レベルくらいの訳文にはなるようです。しかし、ここからが翻訳という作業をしていないため、ちょっと複雑な文になるととたんに意味不明になります。「ちょっと複雑」というのは人間にとってはすんなり理解できるけれども文脈などさまざまな絡みを持つものを含みます。

ここからが翻訳という作業とは、(↓)のようなことの確認を言います。

  • 原文は全体として何が言いたいのか。
  • 翻訳対象の1文は原文の中でどういう役割を担っているのか。
  • 明示的・暗示的に原文で表現されていることが、訳文で過不足なく表現されているか。
  • 対象読者は誰であり、その訳文で読者に伝わるのか、誤読される可能性はないのか。

なお、この作業はワンパスで流れるものではなく、循環的です。(「機械翻訳に関する天動説と地動説、そして解釈学的循環」)

機械翻訳ソフトの利用を推進する人たちは、「訳抜け防止」と「表記統一」が一番の目的だと主張されます。質が多少落ちても訳抜け防止と表記統一のメリットのほうが大きい、と(SATILAの場合は「質もあがる」と主張されていますが)。

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機械翻訳をツールに使うと誰が喜ぶのか

一連のエントリーで、SATILAを例に機械翻訳ソフトをツールとして使った場合のアレコレを検討してきました。

翻訳の質という意味ではかなり低いものにならざるをえないようですが、だからといって、このような翻訳にニーズがないとは言えません。SATILAオートではやはりいかにも機械翻訳の出力という感じですが、SATILAプロアシストなら、たしかに、機械翻訳という感じではなくなり、下手な翻訳者が訳したという感じにはなります。単純に機械翻訳をかけるだけは避けたいが、まともにコストをかけたくもない。そういうニーズはあるはずで、機械翻訳をツールとして使えば翻訳のコストがたとえば半分になるのなら発注したいと思うところがあるでしょう。

つまり、翻訳案件が発生するソースクライアントにはメリットがあります。

仲介をする翻訳会社にとっても、半値をオファーしてソースクライアントから受注できればメリットがあります。品質が落ちる分は、あらかじめソースクライアントに納得してもらえばいいわけですし、その場合、右左で仕事を流すだけになってかえって社内的には楽になるかもしれません(粗利の額は小さくなりますが)。

仮にこのような作業が行われる時代になったとして、実際の作業をする翻訳者にとっては幸せなのでしょうか。

一連、検討してきた機械翻訳の出力文(SATILAオート)を毎日、1~1.5万字も読み(1週間で書籍1冊分くらいになります)、直してゆく作業を続ける。きついと思いますけど。しかも、料金半額だとすると、最近のスターティングレートと言われる8円の半額で4円。実働8時間(会社員なら残業2時間レベルか?)で1日4000ワードを訳して16000円。月20日働いて32万、年間売上が400万に達しないレベルです。会社員との比較で考えるなら、月間40時間の残業を1年間続けて年間300万というレベルです。

しかも、この作業を続けたからといって翻訳の力がつき、(これに比べれば)高単価の通常マーケットに参入できる……なんてことはありえません。そういう訳し方をしていないのですから。機械翻訳ソフトによる翻訳という市場が存続したとして、20年、30年、場合によっては40年と上記の作業を続けるのでしょうか。

私には、こういう仕事をして翻訳者が幸せになれるとはどうしても思えません。価値観は人それぞれですから、それでいいと思う人がいるならそれはそれで構わないとは思いますけど。

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機械翻訳をツールに使うとスピードはどこまで上がるのか

先日の翻訳会社が出してきた訳文基準と原文基準の換算率もそうですが、誰かが出してきた数字はそれが妥当であるのかどうか、自分なりに検討してみる必要があります。

私が出している数字も同じですから、鵜呑みにしちゃいけませんよ>みなさん

今回、SATILAに関する説明ページをいろいろと見歩いた結果、アレっと思った数字がもう一つあったので、そちらについても検討を加えてみたいと思います。能率が最大で2倍以上になるとされているのです。

SATILAの概要

このページでも、翻訳作業のどこを効率化するかの検討が行われていますが、「翻訳作業の大半は『入力』」なのだそうです。

●翻訳ワークフロー、SATILAでは、「翻訳作業の大半が入力である」とされている

翻訳作業の大半は「入力」

このグラフでは、「脳内翻訳」が20%、「実際の入力にかかる時間」が80%となっています。これならたしかに「翻訳作業の大半は『入力』」となりますね。SATILAを作った山本ゆうじさんは、自身、一時期は翻訳者でしたから、ゆうじさんの翻訳作業において入力が80%を占めていたということなのかもしれません。

しかし、入力が80%を占めるという話、私には変な気がします。私の推測(「ツール導入でどの程度効率が上げられるか」)で「用語確認など」としている部分まで「入力」に含めるとしても、せいぜい50%前後にしかなりません。用語確認のうち、指定用語であることの確認は入力に入れてもいいですが、辞書を引く部分については「脳内翻訳」側に入れるべきものだと思いますけどね。

もちろん、山本ゆうじさんが正しく、私が間違っている可能性もあります。

思う・思わないでは話にならないので、できるかぎり定量的に検討してみましょう。

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SATILA-オート→プロアシストでの書き換え量

SATILAプロアシストでは、SATILAオートの出力をどの程度書き換えてあるのでしょうか。この点を検証してみれば、機械翻訳をツールとして使ったとき、効率化と品質の関係がどうなるのか、ある程度の感触がわかりそうです。

SATILAオートとSATILAプロアシストで共通する部分の色を赤くしてみます。ついでなので、訳文の総合評価も、以下のように3段階でつけてみました。

  1. このくらいに訳してあれば悪くない。一般的なトライアル合格レベル。
  2. 言語的におかしいが内容をよく考えれば判読できるレベル。質よりコスト削減が優先されるローカライズで許容される下限ギリギリか? 一読了解可能な原文から分かったような分からないような訳文になっているわけで、翻訳でがっくりと文書の質が落ちている。
  3. 意味不明あるいは大きく間違っている。

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「SATILA-航空宇宙分野の比較」について

■SATILAカスタマイズ効果の比較 航空宇宙分野」に示されたSATILAプロアシストの訳文について検討を加えてみます。以下、「以下はSATILAカスタマイズの効果を比較する例です。」の一文と表組みされている部分は元ページからの引用です。

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「SATILA-医学・薬品分野の比較」について

■SATILAカスタマイズ効果の比較 医学・薬品分野」に示されたSATILAプロアシストの訳文について検討を加えてみます。以下、「以下はSATILAカスタマイズの効果を比較する例です。」の一文と表組みされている部分は元ページからの引用です。

原文はこちらです。それぞれの文で原文へのリンクがはられていますが、Wikipediaはどんどん変更されるので、今後、当該部分がなくなる可能性があるので一応、はっておきます。

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「SATILA-IT分野の比較」について

■SATILAカスタマイズ効果の比較 IT分野」に示されたSATILAプロアシストの訳文について検討を加えてみます。以下、「以下はSATILAカスタマイズの効果を比較する例です。」の一文と表組みされている部分は元ページからの引用です。

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「SATILA-MSの比較」について

■SATILAカスタマイズ効果の比較 IT分野 (M)」に示されたSATILAプロアシストの訳文について検討を加えてみます。以下、「以下はSATILAカスタマイズの効果を比較する例です。」の一文と表組みされている部分は元ページからの引用です。

このページの例はマイクロソフト関連のようです。

なお、山本ゆうじさんが翻訳者として仕事をされていたのは主にローカライズとのことです(『産業翻訳の仕事を獲得する本 2004/05』のインタビュー記事による)。つまり、IT分野は私よりも山本ゆうじさんのほうが詳しいはずの世界です。逆に、航空宇宙分野は、工学部出身の私のほうがバックグラウンドを持つ世界だと思われます。

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ツールとしての機械翻訳

機械翻訳をツールに使うという人たちと、過去、いろいろな場所で何度も議論してきました。自分が使うものではないとは思うけれども、たとえば翻訳メモリのように翻訳業界内で一定の位置を占めてゆくものなのか、その価値があるものなのか、あるとしたらどの程度の価値があるものなのかなどを確認したいと思うからです。

議論していていつも困るのが、機械翻訳ソフトをツールとして使ったとき、最終的にどの程度の訳文が出てくるのか、また、そこまで持ってゆくのにどの程度の手間がかかるのかの関係がまったく明らかにされないという点でした。

複数の人と議論してきましたが、みなさん、大まかには(↓)のような主張をされます。

  1. 機械翻訳ソフトが使えないのはカスタマイズをしていないから。カスタマイズをして「自分のコピー」とすれば使える。
  2. 機械翻訳ソフトの導入によって効率は格段にアップする。
  3. 機械翻訳ソフトを使っても訳文は翻訳者が考える。だから品質が落ちることはない
  4. 機械翻訳ソフトを使って文芸作品でも訳せる。徹底的に訳文を見直せばいいのだから。

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2009年11月 9日 (月)

ツール導入でどの程度スピードが上げられるか

先日の「翻訳作業時間モデル」で作業別の時間を分割して考えましたが、このうち、ツールによって簡単にスピードアップできるのは、入力部分と用語確認の一部です。私のSimplyTermsと秀丸マクロはそういう考え方をベースにしています。

機械的にできる部分を自動化するので、もともとの翻訳スピードが速くても遅くてもある程度の効果は得られます。ただし、翻訳が遅い人の場合はツールでスピードアップしても全体では感じられるほどの変化が得られない可能性があります。ベースとなる数字が小さいため、絶対値ではあまり違いが出ないのです。

それよりなにより、翻訳の力が大きく不足している人の場合は、下手にこういうツールを導入せず、原文・訳文とじっくり向き合ってよく考えるというトレーニングを積むべきだと思います。もちろん、そういう人も、辞書引きなど副作用がないツールはどんどん導入すべきです。

仮に、用語確認と入力が30%も短時間で終わるようになったとしましょう。「とても遅い人」の場合、これで浮く時間は9分。この9分だけ、読む、用語確認、考える、入力が余分に行えるわけです。要するに、余分にできる翻訳量は(↓)だけ。全体的なスピードアップは18%です。

100ワード/時×9/(60-9)=18ワード/時

割合としてはたしかに18%アップですが、絶対値では1時間に18ワード、1日でも100ワード強しか違いが出ません。このくらいの違いは、案件と自分との相性がよいか悪いかによる違いに吸収されてしまって、ツールによる違いを感じることは難しいと思います。

ちなみにこれが速い人になると……用語確認と入力、35分が30%短縮されると10.5分浮きます。その結果、計算では21%スピードアップして、400ワード/時が485ワード/時になります。1日あたりの処理量で600ワード前後も増えるため、違いを感じることができるでしょう。

では、こういうツールを導入すると、どのくらいスピードが上がるのでしょうか

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2009年11月 7日 (土)

翻訳作業時間モデル

翻訳の作業を種類ごとに分割したら、それぞれにどのくらい時間がかかるものでしょうか。もちろん、訳文を考えながら辞書引きや入力を並行処理しているわけで、明確に分けられるものではないのですが、一応の目安として考えてみます。この目安があれば、それぞの作業をどのように改良していったらいいのか、考えることができると思いますから。

翻訳ツール-人間とパソコンの役割分担」にあげた表を再掲します。

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2009年11月 3日 (火)

分からなくても分かっているように訳せる?

知り合いの翻訳者のブログ、「技術者から翻訳者へのシルクロード」に「わからなくてもわかっているように訳せる資料が多いのは確かだが、訳者が本当はわかっていないことが読者にわかってしまう資料も結構多い」というエントリーがあがりました。

これに対する翻訳者の反応は、(↓)に大別されそうです。

  • うん、自分もそう思う。
  • 分からなくて訳せるはずがない。

私は基本的に後者の立場であり、このブログでも「中身が理解できなくて訳せるはずがない」とくり返し書いています。でも、ですね、このエントリーを読んでまっさきに思ったのは「そうなんだよなぁ」でした。実はこれ、矛盾していないんです。

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