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2009年10月

2009年10月30日 (金)

祝日

翻訳会社、川村インターナショナルの川村社長が書かれているブログに、先日、「祝日が多すぎないですか?」というエントリーがありました。

そうなんですよね。祝日って、なんだかんだで年間20日近くもあるんです。会社員なら、そのほかに年末年始のお休みが5日ほどありますし、夏期特別休暇も3日くらいはあるところが多いでしょう。ある程度の勤続年数があれば、有給休暇もフルになってて20日ありますよね。

合計すると、有給休暇以外で25日くらい、有給もいれれば30~35日は休めることになります。これらは特別な休みであり、通常の休みも、週休2日で52週なら年間104日が休み。それも合計すると……130~140日くらいお休みがある計算になります。年間の実働日数は225~235日。1カ月平均19日前後です。

私が単価と処理量から売上予想をするとき、基本的に月20日で計算するのはこれが理由です。

翻訳者の生活を比べてみましょう。だいぶ前の調査ですが、アルクの「実務翻訳者アンケート調査」を見てみます。

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2009年10月29日 (木)

ノンフィクション出版翻訳忘年会幹事打ち合わせ

ずいぶん前からノンフィクション出版翻訳忘年会という集まりが続いています。ノンフィクション書籍の翻訳出版に携わる人々、つまり翻訳者、編集者、版権エージェントが100人あまりも集まるもので、私も2005年から毎年、参加しています。

今年も12月7日の月曜日に開催する予定です。そろそろ準備を始めないといけないということで、昨日、幹事の打ち合わせがありました。ここ数年、事務方の作業を一手に引きうけてくれていた出版社の方が退職されるなど幹事の半分近くが入れ替わるため、手順の確認と役割の割り振り直し、引き継ぎなどをしました。

「そんな集まりがあるのなら自分も出たい」という方は、メールでご連絡ください。メールリンクは右バー下のほうにあります。

なお、翻訳者の場合、「訳書があること」が参加資格となります。申し訳ありませんが、これから始めたいという方は参加できません。

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2009年10月26日 (月)

和訳すると長くなるのか

翻訳の世界では、「和訳すると長くなる」と言われます。書籍なら厚くなるし、産業翻訳ならページ数が増える。PowerPointだとテキストボックスに収まりきれなくなる。

でも、テキストベースで仕事をしていると、「和訳すると短くなる」んです。

先日、さまざまな分野で英日翻訳の原文ワード数と訳文文字数の対応をまとめてみました。「訳文基準と原文基準の単価の換算(英日翻訳の場合)」に記載した表です。

この表をベースに、和訳したとき本当に長くなるのか検証してみましょう。

英語の1単語は平均5~6ストロークと言われているようです。英語は半角スペース1個をはさむ分かち書きですから、1単語あたり6~7ストロークを占めることになります。

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2009年10月23日 (金)

訳文基準と原文基準の単価の換算(日英翻訳の場合)

日英翻訳の場合についても訳文基準と原文基準の単価の換算について検討しておきましょう。

訳文基準と原文基準の単価の換算(英日翻訳の場合)」のコメントにも書きましたが、日英の換算が一般にどうなるかというのは、あまり情報が出てなくてよくわかりません。でもよく分からないで終わりにするのはどうかと思うので、わかる範囲で推測などしてみたいと思います。

まず、英日翻訳したものを日英翻訳したら元の英文ができる、と仮定します。こう仮定すれば、英日翻訳のとき仕上がり日本語400字になる英文ワード数から、日英翻訳で英文200ワードになる日本語文字数が推測できます。

ただし、翻訳するとどうしても冗長になりがちです。えいやっと、片道10%冗長になると仮定すると、往復で20%の狂いがでます。その点を考慮にいれた推測結果は以下のとおりです。

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2009年10月22日 (木)

訳文基準と原文基準の単価の換算(英日翻訳の場合)

ある翻訳者の日記に、とある翻訳会社がおこなった新しい翻訳ツールの説明会の話が書かれていました。私には、その単価に関する部分が気になりました(概要は↓)。

従来は訳文基準の単価だったが、ツールを使うときは原文基準の単価にする。換算は、たとえば英和で1000円/400字なら6円/ワード。なお、これはマッチ率ゼロの新規翻訳の単価で、マッチ率が高くなれば単価は下がる。

単価は単なる決めごとなので、訳文基準でも原文基準でも、ある意味、同じことです。

どちらを基準にするかで、翻訳者全体の傾向として仕事に対する姿勢が微妙に異なるおそれがあるとは言われます。訳文基準にすると、文章のキレがよい訳文にすればするほど手取りが減るという、翻訳者にとって釈然としない状況になるからです。キレがいいか冗長であるかも訳文の質をなすものであり、それによって単価が違ってくるわけで、そちらでみているという考え方になるわけですが。

個人的には、「IT系などカタカナが多いもの」と「医薬、論文など漢字が特に多いもの」(後述)では後者のほうが平均してずっと手間暇がかかると感じるため、訳文課金よりも原文課金のほうが妥当な単価設定になると思っています。同一単価で比較したとき、訳文課金だと手間がかかるものほど売上が小さくなりますが、原文課金だと逆になるからです。なお、売上ではなく時間単価で比較すると、この差はもっと大きくなります。

また、マッチ率が高くなれば単価は下がるという点は、ツールを使った翻訳では常識のようなものなので、これはまたこれでどうこう言うような話ではありません。

気になったのは、「英和で1000円/400字なら6円/ワード」という部分です。その換算率はさすがにおかしくないかと。

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2009年10月21日 (水)

『基礎日本語辞典』

この本、先日開催されたプロ翻訳者同士の勉強会で推奨された中に入っていたと聞いています。

私も2年ほど前に購入しました。よく使われる単語の意味と使い方、似た単語の意味範囲の差異などがかなり細かく記述されていますし、用例も豊富に載っています。単語という側面から文脈を理解する、文脈との関係で単語を理解するとはどういうことなのか、この本を読めばそれなりに理解できるはずだと思います。(「文脈理解」とは理解しにくいものなのだろうか?


1200ページを超える大部ですし、必ずしも全部が我々翻訳者の役に立つわけでもないとも思います。最初から順番に全部読もうとするより、ときどき、パラパラとめくっておもしろそうだと思ったところ(そのとき自分に問題意識がある項目)を読んでみるといった使い方のほうがいいでしょう。少なくとも、最初から全部を読もうとしたら、私は投げ出してしまうと思います。

この本のアチコチを読んでみれば、文脈との関係で単語を理解するとはどういうことなのかが理解できるはずだと思いますし、簡単な単語ほど翻訳が難しいということも理解してもらえるのではないかと思います。

高い本ですけど、買って損のない一冊でしょう。

  参考記事:デザインと翻訳

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2009年10月20日 (火)

「文脈理解」とは理解しにくいものなのだろうか?

先日、プロ翻訳者同士の勉強会が開催されました。主催者は友人で昨年も今ごろ開催されたものなのですが、今年、私はいろいろあって参加できませんでした。それはともかく。

その勉強会についてはメーリングリストが用意されているんですが、そちらで、Sakinoさん(私と一緒に翻訳フォーラムの共同主宰をしている人)が勉強会時に話された、文章を文脈で捉えるという姿勢が特に勉強になったとのコメントを書かれた方がおられました。

ショックでした。

いや、まあ、私は参加していないわけで、Sakinoさんが従来と大きく違う新説とか大きく進化した説とかを話された可能性もないではないのですが、十中八九、それはないわけで。となると、「いつもの話」があの人(私もよく知っている人です)にとっては新鮮だったわけですね……Tradosや機械翻訳ソフトなどについて警鐘を鳴らすとき、「文脈把握の足を引っぱる」というのが大きなポイントになるんですが、そうか、あの人クラスでも、こういう話をきちんと理解してもらえてなかったのねって思うと……

このエントリーを少しずつ書いている間にSakinoさんからざっと説明がありましたが、やはり、新説が出たわけではないようです。

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2009年10月19日 (月)

溶剤形塗料?

今朝、仕事の関連情報を集めていたら、「低VOC塗料(溶剤形)」というのが出てきました。

「溶剤形」って、漢字の意味として変だと思います。これ、「溶剤けい」と読むのなら「溶剤系」、「溶剤がた」と読むのなら「溶剤型」じゃないんでしょうか。

日本塗料工業会の上記URLページには(↓)とあります。

これらのことより、塗料製品中のVOC成分含有量が30重量%以下の塗料に「低VOC塗料」の自主表示を行います。水系塗料、粉体塗料などは元々低VOC塗料のためここでは溶剤形塗料が対象になり、表示は「低VOC塗料(溶剤形)」と致します。

水性塗料を「水系塗料」とするなら、それとの対比で「溶剤系塗料」とするのが素直だと思います。

意味からして明らかだとは思いますが、念のため使用例をざっと比較すると(↓)のようになります。

溶剤形<溶剤型<溶剤系

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2009年10月16日 (金)

スケジューリング

翻訳というのは受注産業で、フリーランス翻訳者というのはその最下流に位置します。いつ案件が入ってくるかわからないため、スケジュールが空いてしまうことがあるかと思えば、手が空いているからと安い仕事を請けたら直後に高い仕事の打診が入り断らざるをえなくなったりするというのはよく聞く話です。

その中でどうスケジューリングするのか-みんないろいろ工夫しているものと思います。

■私のスケジューリング方法

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2009年10月15日 (木)

計画とのギャップが生じるのは実行か実績か

1カ月ほど前に納品した案件について大元の発注者からフィードバックがあったので、そのコメントを参考に全体を見直し、修正して納品しなおしてもらえるかとの連絡がありました。

直しを見ると、誤変換1個所(「他品種」→「多品種」。お恥ずかしいことに見逃しがありました)と今見直すと直された形のほうがいいなと思う点が一つあり、そこはもちろん直さなければならないわけですが、あとは、好みの問題でどちらでもいいものが2割(固有名詞を当該クライアント内でどう表記するかを含む)、残りが改悪という感じでした。改悪であっても、産業翻訳の場合、どうしようが最終的に使う人の自由なので、直すことは別にかまわないと言えます。産業翻訳において我々は材料の下ごしらえをすることが仕事であり、いかに後工程で使いやすいものを出すかが勝負だと言ってもいいでしょう。

ただ、それ以外の部分でかなり字面訳寄りへと直されているところが何カ所もありました。当然、文脈も無視して一文単位で英語の形式を踏襲した訳になっています。「コメントを参考に全体を見直して修正」ということは、つまり、字面訳寄りにしろということなのでしょう。それはさすがにちょっと……。これまた発注元の好みの問題なので字面訳がいいならそれで私はかまわないのですが、そういう案件なら私が訳すことはないし、私よりもずっと発注元の好みに合った訳文をあげられる人がほかにたくさんいるはずです。

というわけで、おかしな直しが多いが直せということなら単語レベルは直す、訳文の直しは対応できないので、私への支払いをあててくれていいから別の人に訳し直してもらってくれという返事を出しました。

下手な相手に出したらけんかになるのでよい子はマネしないように。このくらい言ってしまっても大丈夫なくらい窓口の人には信頼されていると思うから今回は書いてしまいましたが、私も普通はこんなこと書きません。

厳しいことを書いたメールにはこちらが恐縮するくらい丁寧な返事をもらい、結局、窓口部署のほうで直すことになりました。

それはともかく。

いい機会なので、守秘義務に触れない部分の例を何点か紹介したいと思います。

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2009年10月14日 (水)

マクドナルドのちらし

先日、家族でマクドナルドに入ったときのこと。子どもたちが食べ終わるのを待ちつつ、トレイに置かれたちらし(というかなんというか)をぼんやりと眺めていたら、その日本語が気になってしまいました。

職業病ですね……

マック用語辞典みたいなもので、項目とその説明文のセットがいくつか並んでいました。気になったのは「Yes-プログラム」の説明(↓)後半の1文。

Yes-プログラム
若者のビジネススキルを高めるために、厚生労働省がつくったプログラム。マクドナルドはYes-プログラムの認定を受けているので、クルーとして働いてYes-プログラムを習得すれば、履歴書に資格として書くこともできるのでとっても便利。

家族の意見は、中1と小5の子どもたちは「何かおかしいの?」、嫁さんは「何かがおかしいけど、何がどうと明確に表現できない」だそうです。

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2009年10月10日 (土)

「最大」と「最大級」

翻訳会社、Dynawordさんの「誤訳の泉」、第4回は「和訳編:『the biggest』は『最大級』?」でした。

ココ、ちょっといろいろあってときどき読みにいってます。

"the biggest"を「最大級」と訳してある例をよく見るがコレは「最大」に直す、という記事で、書かれている内容については異議がないのですが……この話を取りあげるなら、「最大級」などと訳すべき"one of the biggest/largest"を「最大のものの一つ」と訳してあることが多い件も取りあげて欲しかったなぁ。

書かれている内容には異議がないが、"the biggest"を「最大級」と訳してあることが多いという話には驚いた。きちんと考えればきちんと訳しているはずだし、何も考えずに訳したら「最大」(あるいはその同意語)に訳すだろうと思っていたから。

"one of the 最大級"というのは英語でよく出てくる表現。コレが「最も~なものの一つ」的に訳されているのをよく見かけます。何が言いたいのか分かるのは分かるし、そういう意味で誤訳ではないと言うことが不可能ではない表現なのだけれど……日本語として不自然でしょう。違和感を感じる人は多いようで、「"one of the" 違和感」などでググると「おかしい」という意見を書いている人たちがけっこういます。逆に言えば、多くの人が気になるくらい「最も~なものの一つ」みたいな書き方が増えたということでしょう。

"one of the 最大級"はその性質においてトップクラスであることを意味しているので、大きさなら「最大級」とか品質なら「最高級」とか、多くの場合、「~級」型の表現ですませられます。ほかにも「有数の」「指折りの」みたいな表現も使えます。もうちょっと広げれば「秀逸」などの表現もあるし、「とても優れた」みたいな形もあり得ます。英語がくどすぎ、訳文側でさらっと流したほうがいいなんて場合は、逆に、「優れた」的な表現にとどめたほうがよかったりもします。

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2009年10月 7日 (水)

翻訳フォーラムのツール勉強会

2009年9月30日(水)に翻訳フォーラムでツールを中心とした勉強会を開催しました。

ツールの話となると基本的に作っているところ、売っているところの説明会が多く、どうしてもいいところだけが強調されがちです。でも、実際には便利なものほど副作用が強く出がちなもの。また、作業工程によっては、一般に対立するように思われているツールを組み合わせて使うとよい場合もあります。そのあたりを含めた話をどこかですべきだろうという話が6月の大オフで飛び出し、そこから生まれた企画です。

翻訳学校(ISS)の教室をお借りして午後2時30分~6時20分と4時間近くカンヅメでいろいろと話をしました。

「ツールはあくまで使うもの。ツールに使われない」ためにどのような工夫をして使っているのか、そういった総論をSakinoさんが担当。辞書引き、用語集や過去訳の検索、新旧文書の比較など、どのようなツールを使っていても役に(訳に)立つ話から、私のSimplyTerms、IT系中心に普及しているTrados、はては機械翻訳ソフトのエディター活用までをざっくりとカバーした話でした。

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JTF翻訳祭で話をします

2009年11月20日(金)、社団法人日本翻訳連盟が東京で恒例の翻訳祭を開催します。今年のテーマは「今こそ、脱皮のとき! ~世界同時不況から一年、翻訳業界の進むべき道~」です。

有料セッションでは講演×2とパネルディスカッションがあるのですが、その講演のほうで話をすることになりました。全体テーマに合わせて、演題は(↓)となっています。

「翻訳市場の変化と翻訳会社・翻訳者が直面している課題」

何をどう話すのか、細かいことはこれから考えますが、私は翻訳者なので、翻訳者の立場から業界の状況を分析するとともに翻訳者としてどう考え、どのような方向でどう行動して行くべきなのか、そんなことを話せたらと思っています。

現状把握をするため何カ所か話を聞きに行かせてもらおうかなと思い、今はチェック項目の洗いだしをしています。

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