『できる人ほど上司を使う』
自分の名前で出た最初の訳書(2003年)です。
地球データブックの翻訳を分担でしはらく担当していたのですが、このころ、その縁でダイヤモンドさんから、ときどき、「こういう本があるんだけど、だれか訳者を紹介してもらえないか」という話が来ていました。その中で、面白そうで、つい、「自分がやってもいいか」と聞いて担当してしまったのがこれ。
いろいろな意味で出版系に慣れておらず、訳したけど出版されなかった部分がたくさんあったり(ページ数調整で章まるごとばっさり)訳を工夫したところほど最終的に消されてしまったりとか、エネルギーの大幅な無駄遣いをしてしまった感があります。翻訳出版という意味でいろいろと反省すべき点が多かった案件であり、訳の最終的なデキも内心、忸怩たるものがある1冊です。5年も前に出た訳書だから、そのころに比べて今は先に進んだのだと思えばいいのかもしれませんが。
形式はケーススタディ。ルワンダ民族紛争やヒマラヤでの大規模遭難事故など、かなり壮絶な例を使いながら、仕事の進め方というものを考えさせてくれます。ややこしいことなど考えず、教訓的な話はすっとばし、読み物として読んでも楽しめるというか、圧倒される内容となっています。
ただし、この本は最終的に自分で考えて行動しろという姿勢で、いわゆるハウツーは書かれていません。そういう意味で、あまり一般的ではないかもしれません。
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