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2008年11月

2008年11月29日 (土)

ほんやく互学会

昨日(2008年11月28日)、知り合いが主宰した「ほんやく互学会」という勉強会に出席した。分野はさまざま、キャリアにも幅はあるが出席者は全員、プロの翻訳者。年齢は、30~50歳というところか。参加者から提案された課題や主宰者が提案した課題の訳文を事前に提出し、それを題材にああだこうだと議論をした。5~6時間、ぶっとおしで(冒頭、別件の発表が二人からあった分を含む)。

10年ほど前に翻訳フォーラムで盛んに行われていた討論のオフライン版という感じ。

ああでも、勉強会というのはもともとオフラインで行われていたはずなので、私の感覚がちょっとずれていると言うべきなのかもしれない。

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2008年11月28日 (金)

訳書や著書の書名の決まり方

前々から書こうと思っては忘れていたことがある。訳書や著書の書名がどのように決まるのか、だ。

先日刊行された『セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる』の書評で「題名がよくない」との評価があって思いだした次第。

訳者や著者が決めると思う人が多いはずだ。著書はとうぜんに著者だろうし、訳書も訳者の意見を中心に編集さんとの相談で決める、くらいだろうと。私も昔はそう思っていた。

実態はまったく異なる。

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2008年11月26日 (水)

翻訳業界山脈モデル

翻訳の業界における自分の位置というものを考えるとき、その評価軸はひとつにならない。してはならないと言ってもいい。

「翻訳業界なんて業界は存在しない。さまざまな業界において翻訳の需要が発生しているだけ」という考え方もあるが、それはとりあえず、横に置いておく。

一つの評価軸で比べるということは、山にたとえれば、一つの大きな山(いわゆる独立峰)のどのあたりにいるのかを考えるということになる。しかし、現実の仕事の世界は、数え切れないほどのピークがある山脈というか、むしろ平野に点在する山脈と小山と丘と……みたいなものだと思う。自分がいるところが周りよりも少し盛り上がっていれば、その小山においては第一人者として外部からそれなりの評価をされるだろうし、その部分に需要がある限り、食いっぱぐれる心配がない。自分がいるところよりもはるかに高いピークが自分から少し離れたところにあっても、自分に影響が出ないという意味では関係がない。自分の周りというのは、普段の仕事でいえば、自分が登録している翻訳会社の自分が登録している分野、と考えていいだろう。

翻訳者として、その中で何ができるか、すべきかを考えれば、やはり、薄紙を積むようにして自分の力を高めていくことだと思う。自分がいる小山を高くしておけば、海面が上がってきたとき(不況など)、水没せずにすむ可能性が高くなるからだ。

結局、どこにいようと、自分を取りまく現状がどうであろうと、薄紙を積んでいくのが一番大事だと私は思うし、それしかやれることはないとも思う。そして、そういう意味では、翻訳業界が独立峰であっても山脈であっても関係ないようにも思う。

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2008年11月18日 (火)

『ランダムハウス英語辞典』CD-ROM版

翻訳作業中、ほんの少しでも不安を感じたら辞書を引いてみる。「たぶん」「たしか」と思ったら辞書を引く。翻訳作業における基礎動作だと思う。「たかが辞書。信じるはバカ。引かぬは大バカ」と言われるのだから。

まずは、一般的な辞書で言葉の基本的な意味範囲を確認する。

「訳語を確認」ではなく「意味範囲を確認」である。ある言葉は一定の意味範囲を持つからだ。辞書に記載の訳語は、その意味範囲に入る例を示していると考えるべきだ。

そのとき、一応、ざざっと見ておくのが『ランダムハウス英語辞典』。『ランダムハウス英語辞典』は訳語がリストアップされているだけでなく、用例その他を活用して意味範囲を示す姿勢が強いので、私は、とりあえずの確認における第一候補としている。

独自規格ではあるが、Jammingが対応してくれているので、他のEPWING辞書とまとめて引くことが可能。プロの翻訳者なら活用すべき1冊だと思う。

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2008年11月15日 (土)

『アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝』

アチコチ、イロイロとあって意外なほど時間がかかってしまったが、ようやく刊行。

『アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝』

アップルを創ったもう一人のスティーブ、スティーブ・ウォズニアックの自伝。

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2008年11月10日 (月)

OCRによる紙原稿のテキストファイル化

このごろ産業翻訳の仕事はほとんどがファイルで原稿が送られてくる。しかしごくまれに紙しか原稿がないケースがある。また、書籍は完本しかない場合のほうがたぶん多い。

原稿が紙の場合、まずはOCRでテキストファイルにする。テキスト化する手間をかけても、その後、訳語の統一などでもっとたくさんの手間を省けるからだ。手間を省きたかったら手間を惜しまない。急がば回れの典型例である。

実はまた書籍の仕事が始まったので、ちょうど、この処理をしているところである。心覚えを兼ねて手順をメモしておこう。

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