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2008年11月18日 (火)

『ランダムハウス英語辞典』CD-ROM版

翻訳作業中、ほんの少しでも不安を感じたら辞書を引いてみる。「たぶん」「たしか」と思ったら辞書を引く。翻訳作業における基礎動作だと思う。「たかが辞書。信じるはバカ。引かぬは大バカ」と言われるのだから。

まずは、一般的な辞書で言葉の基本的な意味範囲を確認する。

「訳語を確認」ではなく「意味範囲を確認」である。ある言葉は一定の意味範囲を持つからだ。辞書に記載の訳語は、その意味範囲に入る例を示していると考えるべきだ。

そのとき、一応、ざざっと見ておくのが『ランダムハウス英語辞典』。『ランダムハウス英語辞典』は訳語がリストアップされているだけでなく、用例その他を活用して意味範囲を示す姿勢が強いので、私は、とりあえずの確認における第一候補としている。

独自規格ではあるが、Jammingが対応してくれているので、他のEPWING辞書とまとめて引くことが可能。プロの翻訳者なら活用すべき1冊だと思う。

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コメント

『ランダムハウス』で今でも残念なのは、編集主幹のお一人である堀内克明教授が、第二版を編集している時期にちらっと「動植物名の訳語に漢字を併記したいですね」というご希望をもらしたことがあり、結局それが実現しなかったこと。

些細な点ではあり、そんなのは国語辞典で調べればいいと言えばそうなのですが、RHD を引くたびに思い出すので、ちょっと書いてみました。

投稿: baldhatter | 2008年11月18日 (火) 13時32分

 「「訳語を確認」ではなく「意味範囲を確認」」というあたりまえのことがわかっていないと、日本語が第一言語の人は、英英辞典と英和辞典を一緒に使いこなせないんだろうな、と思います。
 英英辞典と英和辞典に関して、「英英辞典の方がいい」「英英辞典を先に引くべき」という主張をよく見かけますが、そういう主張の背景には、英和辞典の方で訳語しか拾っていないという実態が見え隠れしていることが少なくないのではないでしょうか。
 一つのトレーニングとしては、英英辞典複数と英和辞典(の大きいやつ、ランダムハウスと研究社新英和)の説明を読み比べて、範囲や意味の切り分け方の異同や対応関係をチェックするというのをある時期集中的にやれば、たぶん、その後は、「訳語を確認」ではなく「意味範囲を確認」という英和辞典の利用の仕方に自然に以降している自分に気づけるのではないかと思います。
 もっと根本的なトレーニングとしては、文脈つきの用例を100個くらい用意して(用例集)、それを場合わけしていって、それぞれのグループについて説明(語釈、語義)を書いてみるという作業をやってみる(用例集は、指導者が用意)というのを、できれば複数名のグループで行って、お互いや市販の辞書と比べてみるという辞書づくりの疑似体験をしてみればいいわけですが、さすがにちょっと大変だし、↑くらいが手軽なように思います。
 「意味範囲を確認」しながら英和辞典が引けていれば、英和辞典と英英辞典の併用時にも、相乗効果が狙える、ということかも。

投稿: Sakino | 2008年11月24日 (月) 12時48分

> 辞書づくりの疑似体験

それ、かなりの効果がありそう。外国語学部の一般教養課程あたりでぜひ取り入れてほしいですね。

> 「「訳語を確認」ではなく「意味範囲を確認」」というあたりまえのこと

中学英語のとっつきの時点で英和の一対一対応から入ることが当たり前になっているので、「意味範囲の把握」への移行は英語学習のどこかで意図的にやらないと身につかないかもしれません。高校生で無理なら、やはり大学の前半くらいかな。

思い出しましたが、私の英語の恩師は最初っから「辞書は最初だけ読むんじゃない」と指導していました。

投稿: baldhatter | 2008年11月24日 (月) 14時34分

> 辞書づくりの疑似体験

そこまで無理でも、(1)ある単語の出てくる用例セット(英文、文脈を用意する)→(2)各英文が、ランダムハウスまたは新英和大辞典のどの項目に該当するかを振り分けてみる→(3)振り分けた各用例について、その項目で挙げてある訳語のリストのどれがあてはまるかを考えてみる、および/または、そこに載っていない訳語を使った訳文をこしらえてみる、なんていう作業を行ってみるだけでも、ずいぶん違うんだろうと思います。これ、実は普段やってる作業なわけですが(←辞書を引くのもそうですが、表現をさがしてググるのはもっとそう)、多数の用例を一度に扱うことで見えてくることって、あるんだと思います。最初の用例セットを用意するのが手間ですが^^;。 (とっつきやすいのはこっちだと思いますが、難易度はこっちの方がたぶん高いんだと思います。)

投稿: Sakino | 2008年11月24日 (月) 17時14分

私は、最初から「英語は英語で理解しろ。英和で訳語の一対一対応などもってのほか。中学生向けの学習辞書は使うな。辞書の項目はずらっと読め」という教え方をされました。幸い、アメリカ留学中に知り合って結婚されたご夫婦が近くに住んでおり、その方に最初の方向性をつけてもらったので。

それだけに、「「訳語を確認」ではなく「意味範囲を確認」」というあたりまえのことがわかっていない人がいるということがなんとなくピンとこなかったりします。翻訳フォーラムの運営を通じてさまざまな翻訳者を見てきた結果、どうもそうらしいという理解は一応しているし、だから、このエントリーのような書き方をしているわけです。

ただ、具体的なトレーニング法というのは考えたことがなくて……Sakinoさんの方法、効きそうですね。

投稿: Buckeye | 2008年11月26日 (水) 17時16分

 えっと、問題は、何層にもこじれてるんです。ずぅぅっと翻訳フォーラムなんていうものを運営してくると、見たくないものを見ちゃったというか……。駆け出しの方が訳語さがしをしているのは、まぁいいんです(あっ、よくないかも^^:)。でも、それに対して、「それじゃだめですよ、英英辞典を先に引かないと」というのは、はっきりいってタチが悪い言説だというか、まぁ、少なくとも私ははっきりとそう思うわけです。なぜって、次に出てくるのは、「ネーティブが引く辞書を引いてもわからないだけだから、ESL(english as second language)用の辞書を引きなさい」っていうアドバイスでしょう。冗談じゃないですよ(はい、すっごく怒ってます^^;)。だって、お金もらって仕事してるんですよ。英語がネーティブの人に出すという選択肢もあるなかで、仕事をとってきてるんですよ。ESL向きの辞書(だけ)を引いてていいわけがないじゃないですか。そんなものは、引くならこっそり引くべきです。英語ネーティブの人が引くのと同じか、それより情報量の多かったり、特色があったりする辞書を引くのが当然なんじゃないですか? 日本語の場合、世界的にみたって、非常に高いレベルの英和・和英辞典が先人の努力で何種類も存在しているんですよ。考えるべきは、どうやって、英和・和英辞典を使いこなすか、and/or、どうやって情報量の多かったり、特色があったりする辞書(英英)を使いこなすか、以外にはないでしょう。
 このあたり、最初の職場で知り合った、今は経済分野の翻訳者をやっておられる先達に教わったのかなぁ、と思います。もともとCODとかは使っていましが、ウェブスターのでかいの(Unabridged)とか各種大型辞書とか引きながら仕事をしている人が隣の机にいたら風圧を感じるでしょう。そういう風圧って、大事だと思います。

投稿: Sakino | 2008年12月 1日 (月) 22時46分

駆け出しの人が訳語探しをするのは、まあ、いいんじゃないですか? ほとんどの人が通る道なんだから。そこに留まらなければいいわけで。Sakinoさんの「まぁいいんです」もそういう意味だと思うけど。

英英辞典は……そういえば、私も、仕事を始めたころは英英辞典と言えばESL系のものくらいしか使いこなせず、そういうのをけっこう引いていましたが、ここ何年か、引いた記憶がありません。最近、英英辞典を引くべきだと思ったときは、腕力がいりそうなヤツばっかり使ってますね。段階としては、こっそりにせよ、ESL系の辞書を引くときがあってもいいけど、最終的にどうあるべきかという話とごっちゃにしちゃいけませんね、たしかに。

英和・和英の辞書の使いこなしというのも、みんなできるつもりでいるからか、あんまり語られない部分ですよね。このあたりもなんとかしなきゃいけない課題、か……

投稿: Buckeye | 2008年12月 2日 (火) 15時28分

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