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2008年7月 3日 (木)

『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』

昨年(2007年)の6月に出た訳書です。

Web 2.0時代になって、人々の働き方がどう変わるかを数多くの実例をもとに明らかにした本です。著者はアメリカ人コンサルタント、二人ですから、これでもかというくらいしつこく詳細に実例を紹介してくれます。

翻訳者という仕事はWeb 2.0時代が実現してくれるさまざまな事柄の影響を受けやすい立場にあります。翻訳さえできればいいという方は別ですが、私のように多少なりとも商売っ気がある人や、翻訳という業界や仕事が今後、どういう方向に進むのかを考えてみたいと思う方は、読んでおいて損がない1冊だと思います。

一般向けの書評としては私がなんだかんだ言うより、(↓)を読んでいただくほうがいいでしょう。

アルファブロガーとして知られる小飼弾さんの書評

■日垣隆氏の大読書会

この本を題材に、日垣隆氏が読書会を開かれました。でも有料メルマガ読者限定とのことで、私は申し込めませんでした。でも、聞きに行きたい。ダメ元で頼んでみようと日垣さんの公式ウェブでメールアドレスを探すけど見つからない。まあ、ああいう有名人がメアドをさらすと大変なことになりそうだから仕方ないとは思いますが。

あきらめきれないので、その読書会にコメンテーターとして招かれた小飼弾さんに「なんとか参加させてもらえないか、日垣隆氏にきいて欲しい」とメールしました。小飼弾さんは、その直前に『ウィキノミクス』を書評で取りあげられており、それを私の日記に知らせてくれた人とやりとりしていたら、「小飼さんならお友だち」という友だちが現れ、ちょっとつながりができていたのです。

日垣さんから返事、来ました。参加はかまわない、参加費はこれこれ……ではなく、壇上に上がれ、と。

日垣さんは、訳者にも参加してもらったほうがおもしろいかもと、版元である日経BP社に「訳者を紹介してくれ」と頼もうかと思ったこともあったのだそうです。でも、こういう本を訳すようなタイプなら、ほっときゃ向こうから来るんじゃないかとも。

結局、日垣さんの予想どおり、『ウィキノミクス』を地で行くような展開になったわけです。こういうちょっとしたことがつながり、あまりコストや労力をかけずに160人もの人が集まっての大読書会ができてしまう……これが『ウィキノミクス』の世界です。

この読書会の概要は、(↓)に紹介されています。

■『ウィキノミクス』の読み方

この本、実は読み方にコツがあります。

上記の読書会が開催される前、メーリングリストでいろいろと事前討論をしたんですが(これができるのも『ウィキノミクス』の世界)、そのとき、読むペースがなかなか上がらないというコメントがよくありました。そこで紹介した方法です。

最初の2章、読み飛ばしましょう。

ここは著者らの想いがたくさん、詰まっています。その思いが共有できないと、わかったようなわからないようなで、読むのがつらくなります(読者を置いて想いが先走ってるって感じることが多く、訳すのもしんどかったところです^^;)。そのあたりは字面を追うだけのつもりでさらっと流し読みし、3章以降の実例中心のところに進みましょう。実例はわかりやすいですし、いろいろとおもしろい話が出てくるので、サクサク、読み進められるはずです。

最後まで行ったら、最初の2章をもう一度、読み返してみてください。今度は著者らの想いが読み取れるはずです。

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