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2008年7月19日 (土)

翻訳メモリは文脈の読み取り・形成に悪影響を与えるか

翻訳メモリが文脈の読み取り・形成に悪影響を与えるか否かという点をもう少し詳しく考えてみたい。

私は「ある」という考えで、だからこそ、使わなくてもいい一般翻訳の人たちは翻訳メモリを使わないほうがいい、過去訳の参照などはKWICなどのソフトウェアで実現したほうがいいと言っているわけだ。

これに対し、JennyさんやJackさんなどの立場をめちゃめちゃ乱暴にまとめると、「悪影響は小さく、気をつけて使えば問題にならない。文脈をきちんと訳文に反映するという作業は、Trados環境でもできるようになる人はできるようになるし、できるようにならない人は淘汰されて行く」ということになると思う。ローカリゼーションの人は好むと好まざるとにかかわらず翻訳メモリを使わなければならない立場にあり、気をつけて使うしか方法がないことは事実。また、気をつけて使えば、それなりになんとかできる程度の悪影響しかないであろうとは私も思う。

ホントのところ、どうなんだろうなぁと思っていた矢先、『一般産業翻訳と翻訳メモリ』にSakinoさんから以下のコメントがあった。

私も、ローカライゼーションの現場のことは全然知らないのですが、「製品の質」という点は、どうなんでしょうね。TRADOSを使って作った訳文って、結構な割合で、「あぁ、使ってるな」ってわかるんだと思います。以前、ご縁があって、イレギュラーなかたちで下訳というか教育というか、そういうかたちである方の訳文を見てさしあげたことがありましたが、「あなた、使ったでしょ」と指摘してやりなおしてもらいました(そんな前のことじゃないというのに、細かい経緯は忘れちゃったんですが、「何よ、この細切れ!」っていって、そのままお返ししたのだったかもしれません)。なんでも、「せっかく買っちゃったので、使わなくてはもったいないと思った」とのことで、文単位でなく段落単位の表示としてやりなおしたそうです(下訳ですから、文や段落の順番等を変えるとすれば、それは、こちらの作業ということになりますので、まぁ、それでも別にかまわないのかな、と思いました。でも、それって、要するに使わなかったのと同じだと思いますが)。そしたら、まぁ、一般論として「文脈とは、段落とは、文とは、接続詞とは、文節とは、単語とは……」とか、「どこに目をつけて、その間の関係を調整するのか」といったはなしは「講義」しましたけど、当該部分の内容についてはまったく指摘しなかったのに、みちがえるようにきちんとした訳文があがってきまして、こちらがびっくりしました。「講義」の内容のせいだったのか、TRADOSを実質的に使用しなかったせいかは不明ですが、ともかく、それだけでほとんど別人のような訳ができたことだけはまちがいがありません。たぶん、突き返して戻ってきた後の訳文の方が、ご本人のほんもののスキルなんだろうと、その後何回かやりとりがあったこともあり思いましたけれどね。TRADOSの使い方の習熟の問題だと考えられる向きもあろうかと思いますが、「気づくまで・気づかされるまで」品質が落ちるようなシステムって、いかがなものかと思いますよ。

もちろんこれはわずかに1例。これだけをもって全体をどうこう言えるものではない。

まだ「教育」を受けるようなレベルならできなくても当たり前……という話でないことは一応、指摘しておきたい。上記の話自体は初耳だったが、案件全体の話は「ああ、たぶんアレね」と思い当たるものがある。であれば、(アレなら英日なので)日本語として高い完成度が求められるモノであり、そこに参加する人たちというのは、いわゆる「夢子」さんたちよりも高い力を持っている人たちのはず。Sakinoさんの「突き返して戻ってきた後の訳文の方が、ご本人のほんもののスキルなんだろう」というのも、それを裏付けているかと。

でも、この話を聞いて思いだしたので、もう1例は追加できる。

私は最近、ローカリ主体のところから、ときどき、仕事を請けている。といっても、翻訳メモリは使わないことが前提。単価も、発注元としては、いつもより高くなる。発注側としてはきわめてイレギュラーな扱いだ。イレギュラーな扱いをしてでも「私」に発注したいと思う案件だけが私のところに打診されるのだ。

私のところに回ってくる案件は、クライアントの発注量の0.1%とか0.01%とか、たぶん、そういう微量なんだろうと思う。それでも、個人翻訳者にとってはそれなりの量になるくらい、大量にやってるところだ。当然ながら、ローカリ系の翻訳会社とも多数、つきあいがあるし、ローカリ系の翻訳者、プルーフリーダーなども豊富に抱えている。そちらに回せば、いつものルーチンですむのに、なぜ、手間も金もかかるイレギュラーな発注をするのか。

社外向けマテリアルなど(マニュアルも社外向けなんだが……^^;)、訳文に高い品質が求められる案件で、ルーチンで流せるところで翻訳したらクレーム処理で大変な思いをしたという経験を、過去、何度もしてきたからだと聞いている。後処理がスムーズにできるなら、発注の手間が増える程度は小さいものだし、単価があがることにも目をつぶるというのだ。

正直な話、ここで不思議に思うことがある。

このクライアントは、なぜ、そこまで追い込まれたのか。もし、翻訳メモリを使っても、それなりの割合の翻訳者が訳文で文脈をきちんと形成できるようになるなら、このクライアントは、わざわざイレギュラーな扱いをしてまで私に発注しなければならない状況に追い込まれなかったのではないのか。

「過去、全部の訳し直しを命じられたりして大変なことになったところからの案件」が回ってきたことがある。私の訳は「とても喜んでもらえた」そうだ。それは素直にうれしい。でも、このクライアントの立場に立てば……発注元としては、そこまでのものはなくてもよかったはずだ。ルーチンで流せる人たちで「まあ、こんなものか」と思ってもらえるレベルが実現できれば、クレームにはならず、イレギュラーな発注をする私との関係を作るに至らなかっただろうと思うのだ。

私は別に特殊なことなどしていない。原文を読み、その意図が実現できるように訳文を組みたてているだけだ。(そんなものが翻訳に存在するのかどうか知らないが)「ずばぬけた才能」を持つわけでもない。この4月からISSという翻訳学校の実践実務科でプロ一歩手前の人たちを教えているが、ときどき、「ここは私の訳より~さんの訳のほうがいいですね」と言わざるをえない。私はその程度の実力であり、(才能というものがあるとしても)その程度の才能にすぎないのだ。

だから、私程度の翻訳者になら、かなり多くの人がなれておかしくないと思う。まして、上記の案件で「まあ、こんなものか」と思ってもらえるレベルなら、かなりの割合でなれておかしくないはずだと思う。訳文側で文脈を一通り組みたてられれば「まあ、こんなものか」にはなるはずだと思うので。

ついでに指摘しておくと……実力的に同じなら、いつもそこの仕事をしている人のほうが、私よりもいい訳文を作れるはずだ。私はふだん、そこの仕事をしておらず、周辺知識が不足がちだからだ。案件がくれば関連のことをいろいろと調べてにわか勉強をするが、その程度では蓄積した人に届かないのは当たり前である。

私としては、自分とまったく同一の能力を持つ人が翻訳メモリを使い続ければ、今の自分がいる地点にはこれないと思っている。だから使わない。でも、翻訳メモリを使ったら文脈を組みたてられないとまでは考えない(機械翻訳ソフトを使うとそこまで落ちる危険性が高いと思うが)。考えないのだが……では、なぜ、このクライアントはクレームで大変な思いをしなければならなかったのか。品質が求められる案件であることは、発注時にわかっていたはずだ。だから、手持ちの訳者さん(ローカリ系の翻訳メモリ使い)の中でそういう系統が上手だと思われる人に発注したはずだと思う。それでもクレームがくり返し発生した。

なぜだ?

そこには、実力的に中の下以下の翻訳者しかいないのか? ローカリ系翻訳メモリ使いの中で実力トップクラスの人たちが1人もいないほど条件が悪いのか? 万が一、そうなら、実力トップクラスの翻訳メモリ使いはどこで仕事をしているのか?

発注部署の責任者からは、「今の翻訳品質に満足はしていないけど、値段も値段だから、こんなもので仕方ないとは思っている。無い袖は振れないから」という話は聞いているが、その「値段も値段だから」は一般翻訳と比較しての話。ローカリ系の中ではごく普通の値段らしい。

そんな具合に考えてくると、翻訳メモリを使いながら文脈をきちんと形成できるようになるのはごく一部なんじゃないかと思えてくる。もちろん、文脈をきちんと形成できるようなったら上級者(少なくとも中の上?)であり、どんな環境でもそこまで行くのは一部に留まるだろう。でも一般的な形なら、たくさんの翻訳者とつながりがあって、1人もいないという状況にはならないのではないかと思う。そのくらいの割合で、文脈が組みたてられるようになるはずだと思う。

たった2例で何かが言えるとは思わない。だから、ローカリ系の人たちには、ぜひ、自分の周り、後輩たちの状況を目の端にとらえ、彼らがどうしているのか、どうなっているのかを確認して欲しい。そして、残念ながら、文脈形成に悪影響が出ているということなら、翻訳メモリを使うときにはこういうことに注意するんだよって伝えてあげて欲しい。

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コメント

Bucykeye さんの話、実はとてもよく判ります。もちろん、私が書けるのもローカライズ業界すべてに共通することではなく知っている範囲のことに限定されるのですが、Bucyeye さんの話の補足程度にはなるかと思います。

> そこには、実力的に中の下以下の翻訳者しかいないのか? ローカリ系翻訳メモリ使いの中で実力トップクラスの人たちが1人もいないほど条件が悪いのか? 万が一、そうなら、実力トップクラスの翻訳メモリ使いはどこで仕事をしているのか?

「実力的に中の下以下の翻訳者しかいない」とまでは言いませんが、要は

★ローカライズという特殊なコンテキストに特化(あるいは過適応)しすぎていて、それ以外に対応できない人が多い

ということに尽きるようです。ふだんは優秀とされている翻訳者さんでも、技術的な抽象度が高い技術文書やホワイトペーパー、マーケティング資料や販促物、Web マテリアルをお願いしたとたんに訳文がガタガタになる、そういう例を私もたくさん経験しました

誤解のないように繰り返しておきますが、それは実力の上下ということではなく、平常接している文章と種類が違いすぎるということであって、言ってみれば医療系の翻訳者さんに自動車マニュアルの翻訳を振ってしまったということに近いのではないかと思います。
つまりこのような失敗は分野による向き不向きが主因なのであって、TRADOS が直接の原因ではありません。実際、私が見てきた悲惨な訳文は、いずれも TRADOS 不使用の原稿ばかりでした。

ただし、「ローカライズというコンテキスト + TRADOS というツール」に長年慣れすぎたせいで、他分野への不適応が助長されているという面もあるかもしれません。

投稿: baldhatter | 2008年7月19日 (土) 12時12分

baldhatterさん、

Tradosを使わずに訳した案件だから、Tradosの影響がないとは言えないというか、いつも使っていれば、その影響は(影響があるのであれば、ですが)、必ず、使っていないときにも出るものだと思います。これは別にTradosに限った話ではなく、それどころか翻訳に限った話でもなく、普遍的に成り立つものだと思います。

>★ローカライズという特殊なコンテキストに特化(あるいは過適応)しすぎていて、それ以外に対応できない人が多い

たしかに。それはあるかもしれませんね。

「誰が誰に何をどう伝えようとしているか、という枠組みを把握し、それを実現できるように訳文を組みたてる」が翻訳の基本だと私は思いますし、こういう方針であれば、文書の部分部分において「何をどう」が異なり、部分部分の訳し方が微妙に変化しつつ、全体を構成していくっていうこともすんなり理解できるはずだと思います。

でも、実際には、「~の文書は~のように訳す」とデジタル的に場合分けで覚えている人がけっこういたりするようです。そういう覚え方をしていて、しかも、基本的に一つの分野しか仕事をしていなかったら、たしかに、大枠がズレただけでガタガタになるかもしれません。ああそっか、ローカリ系だけなら、視点の置き方なんかも場合分けで覚えてしまっても十分対応できるのか……

そうなると、残る疑問は……baldhatterさんが言われるように「特化・過適応が多い」のなら「特化・過適応していない人が若干はいる」はずであり、その人に頼めばすんだはずなのにどうして見つけられなかったのか、ですね。誰か1人、見つけられればいいわけですから。

投稿: Buckeye | 2008年7月20日 (日) 08時14分

> その人に頼めばすんだはずなのにどうして見つけられなかったのか

ある程度の数の翻訳者を抱えているところなら、たぶん PM なりコーディネータなりが各翻訳者の特性を見極めていなかったという単純な理由かもしれません。
もともと手駒が薄いところなら、本当に適格な人がいなかったのかもしれません(間口の狭いローカライズベンダーならありうると思います)。

投稿: baldhatter | 2008年7月20日 (日) 21時35分

(ローカライズ以外の発注側という立場で)メモリソフトを使う一番の目的は、DTP工数の削減のためです。
メモリ対応可能かどうかとは関係なく、もともと質のよい訳者を見つけるのはとても難しいですから、翻訳の質がよくてさらにTrados等のツールも使える訳者は神様みたいに有難い存在です(この態度が誤解を生んでいるかもしれません)。Officeソフトであれば上書きしてもらえるので、流し込み工程がなくなり、後はレイアウトを整えるだけで済みます。Wordの場合はバイリンガル状態でもらえるのでチェックが楽ですし対訳資産が手元に残ります。ただし、手配する際はもちろん(メモリや編集対応可よりも)翻訳の質が最優先です。

メモリ対応でない訳者へ手配する際、少量の場合は通常ベタ打ちで納品してもらいますが、大量の場合はWordfastかWerecatでテキストを抜き出したファイルに翻訳してもらうことが多いです。目的は翻訳後に元ファイルへ書き戻すためです。
Excelでは、WordfastのTranslate(+CopySourceWhenNoMatch+Glossary propagation)機能を使い、隠し文字の原文と用語だけ置換済みの原文が交互の状態のWordファイルを用意します。(SimplyTermsを使わせていただきテキストを抜き出してみて、作業性のよい方を選ぶこともあります。置換は自作のWord一括置換マクロで行うことも多いです。)
PPTでは、Werecatでページ単位の書式込みテキストをWordに抜き出して、Wordで上書き翻訳後PPTへWerecatで書き戻します。Werecatは翻訳者兼Wordfastホットライン回答者作成のフリーソフトです(http://www.volny.cz/ddaduc/werecat.html 不明点についてはWordfastメーリングリストで質問すれば回答してもらえると思います)

メモリ対応だと質が落ちるという印象は今のところは持ったことがありませんが、二度と失敗は許されない状況なら、利益度外視な発注もありかもしれないと思いました。(これはあくまで勝手な想像ですが)有名訳者へ手配すれば、少なくとも客先の(翻訳は見ずに経歴だけを見て判断することが多いと思われる)決裁者の機嫌を取ることはできると思いますから。

投稿: Jan | 2008年7月22日 (火) 08時54分

Janさん、

ExcelとかPptとか、直接上書きで発注するんじゃないんですね。私のところには、エージェントさん経由の場合でも、いずれも、直接上書きということで発注が来ますけど。といっても、私の場合は、ExcelもPptも、SimplyTermsでテキスト化して翻訳し、書き戻すという処理をしますけど。

ExcelやPptの書式をSimplyTerms(なり他のソフトなり)でどこまで処理すべきかっていうのも悩ましいところがありますね。なんでもかんでもタグ化してしまうとうるさくなって、作業効率が落ちてしまいますから。太字、アンダーライン、斜体に加え、フォントのサイズと色くらいまで処理できればいいかなとは思っています。

投稿: Buckeye | 2008年7月23日 (水) 11時13分

翻訳メモリを使うと文脈の読み取り・形成に悪影響が出るかどうかという面については……翻訳フォーラムにも書きましたが、私としては、ここ数年、どのようにすれば訳文側で文脈を組みたてられるのかを中心にいろいろと勉強もし、試行錯誤もしてきたつもりなのに、どうも、まだ、トンネルの先に光が見えてこないんです。流れが目に入るという面でTradosよりも優れているはずの環境において、数年間、努力しても身についたと思えない能力が(少しずつ、改善されているはずだとは思いますが……)、若干でも流れが見えにくくなる環境で身につくのだろうかと考えると、どうしても否定的になってしまうわけです。

投稿: Buckeye | 2008年7月23日 (水) 11時14分

訳者さんにPPTやExcelへ直接上書きしてもらっていたときもあったのですが、チェック・ワードカウント・DTP工程で返って手間が増えることが多かったため最近は滅多にお願いしていないんです。(データ、客先要望等から判断して上書きしてもらった方がよい場合はお願いしてますが)

ExcelやPPTに直接タイプしてもらうと、スペルミスや訳抜けが多く、また翻訳そのものの質が落ちたりしました。
訳者さんのせいばかりでもなくて、素人が変に凝って作ったPPT等で、1枚のスライドの上に何枚もオブジェクトが重なっていたために起きた訳抜けもありました。
またDTP工程においても、訳者さんが中途半端にDTP作業したために、流し込みをやり直した方が早いなんてことも多々ありました。
試行錯誤の連続ですね。。。

投稿: Jan | 2008年7月24日 (木) 14時29分

CATツールを調べていたら、たまたまこちらに流れ着きました。
興味深く読ませていただきました。
私はフリーランスで翻訳をやっていますが、パートタイムでやって来た事と、作業環境がMacなので、まずTRADOSが使えない環境です。
お引き受けする仕事は出版物、社内文書、PR資料などでローカライズとは無縁なので、CATツールがなくても何も問題がないのですが。
たまにこちらから仕事を探して応募しようとすると、かなりの割合でCATツール、特にTRADOSが要求されるため断られたりする事も多かったです。

先日いつも仕事を受けている会社から「クライアントが気に入らないらしく、他の人にと言われたのでお願いできますか?」と原稿と、参考資料として前任者の和訳が送られてきました。
確かに、翻訳ツールを全く使わずに翻訳して来た私の目には、「???」な日本語が多く、「なんでこんなにブツ切れの文章にしちゃったんだろう?」と不思議でしたが、最近夫のパソコンを借りてトライアル版のTRADOSを使って納得しました。
便利と言えば便利ですよね。
うっかり脱訳することはないでしょうし。
上記の翻訳会社からは「和訳の質を優先されるクライアントさんからのお仕事をお任せしたいので」と言われて嬉しいのですが、裏を返せば和訳の質を問わない企業も多いという事で、昨今の家電等の取説やマニュアルの珍妙な日本語の謎も解けた感じがしました。

投稿: zelda | 2010年12月28日 (火) 12時21分

おっしゃるとおり、便利と言えば便利だと思います>翻訳メモリー

そして、便利だというメリットの裏にはデメリットも隠されています。

翻訳メモリーにメリットがないというのは現実に目をつぶっていることになりますが、同時に、翻訳メモリーにデメリットがないと思うのも現実に目をつぶっていることになります。

メリット・デメリットのどちらが自分にとっては大きいのか、自分はどうしたいのかなどを考えて選ぶのであれば、ソレはソレ、でしょうね。

>> 裏を返せば和訳の質を問わない企業も多いという事で

そのとおりだと思います。

ただ、質を問う企業は個人にとって十分に多いというレベルなので、取引先を選べば質優先の仕事を選ぶことも可能です。

投稿: Buckeye | 2010年12月31日 (金) 18時56分

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