『象は鼻が長い』
私としてはお勧めの書籍なのだが、日本語文法をよく勉強している人に言わせると、いきなりここに飛ぶのは分かりにくい、今はいい日本語文法の本がいろいろ出ているからそっちから入ったほうがいいのだそうだ。そういうわけで、お勧めすべきかどうかちょっと悩ましい。
とにかく。
私が日本語文法を勉強してみようと思うきっかけになった本がコレ。
「てにをは」の「は」だけを取り出し、その機能を、数多くの例文を用いて検討した本だ。
書かれている内容を乱暴にまとめると(↓)になると私は思う。
- 「は」は「がのにを」を代行する
- 「は」はテンやマルを超えて影響を及ぼす
「は」か「が」かなど、「は」と「が」を並べて議論することが多いが、そういうものではないというのが本書の内容。「『は』と『が』は主語を表す」もので、ケースバイケースでどちらを選ぶのかが決まるのだと思っていた私は、本書を読んで目から鱗が落ちる思いをした。そしてこれが、日本語の構造などを勉強し、それを活用して英日で訳文をリファインするさまざまなポイントの練習を始める契機となった。
前述のように、誰にでも勧めるべきかというと反対意見もあるので迷うのだが……自分の頭でいろいろと考えてみないと身につかないと思うので(「体育会系翻訳トレーニング論」)、やはり、一度は読んで、どうやったら、ここに書かれていることを訳文の組み立てに応用できるのかを考えてみたほうがいいんじゃないかと私は思う。
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コメント
Buckeyeさん、こんにちは(^^)。
「象は鼻が長い」、今読んでいる最中です!!
もうすぐ「『ハ』の本務」に入ります。
なかなか面白いです(^^)!!
これからは「訳文の組み立てに応用」することを念頭に
読み進めてみますね!!
ご紹介ありがとうございましたm(__)m!!
投稿: Aki | 2008年7月17日 (木) 20時52分
Akiさん、
そう言っていただけるとうれしいです。
訳文の組み立てにどう応用するのかは、私もまだ発展途上でよくわかっていないと思います。いろいろと考えてやってみてますし、その結果、たしかに一歩、前に進めたという実感もあるんですが、これで全部がわかったという感じにもまだまだならず……あせらず少しずつ行きたいと思ってます。
投稿: Buckeye | 2008年7月18日 (金) 21時58分