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2008年5月26日 (月)

人は下りのエスカレーターに乗っている

-人は下りのエスカレーターに乗っている-

子どものころ、親によくこう言われた。忘れっぽい私が覚えているのだ、ずいぶんとくり返し言われたのだろう。あるいは、そのとおりだと納得するような体験を何度もしたのか。詳しいことは覚えていない。

とにかく、これは言い得て妙だと思う。言い換えれば「立ち止まることは後退に等しい」。

人は忘れる生き物だ。だから、頭を使わなければ、どんどん忘れて後退していく。

意外に気づかないかもしれないが、体も「忘れる」。私は昔、フィギュアスケートの選手だったが、小さいころは半年しかスケートリンクが営業していない田舎にいた。夏の間、練習しないでいると、体が動きを忘れてしまい、できていたことができなくなってしまう。成長期でもあり、水泳部に入って夏の間も体は動かしていたので、その半年間で体はむしろできていたのに、である。

だから、「人は下りのエスカレーターに乗っている」のだ。周囲が進むのではなく、自分が本当に後退してしまう。

下りのエスカレーターに乗っている自分と違い、翻訳に関係する技術や世の中は日々、進んで行く。言葉も日々、進んで行く。あちらさん、みんなは上りのエスカレーターに乗っているのだ。だから、現状維持でいいやと思った瞬間、下りのエスカレーターに乗った自分と周囲はすさまじい相対速度で離れて行く。ゆっくり歩いてのぼっても、下手すれば上りのエスカレーターには置いて行かれる。つまりついていくだけでもかなりの努力が必要。その状況で相対的に先に進むのであれば、さらに多くの努力が必要になるし、必ずしも進めるわけではないとなる。

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コメント

「立ち止まることは後退に等しい」言い得て妙ですね。
コンピューター・プログラムでも同様のことを感じます。一度作ったものに何も手を加えないと壊れていくのです。ハードウェアやネットワークや利用状況は変わっていくからです。使う人から見て現状維持にするには、手を加え続けなければならないのです。

投稿: himazu | 2008年5月27日 (火) 06時28分

人の世は進んでいくものですけど、中でもコンピューターの世界は秒進分歩ですから、強く感じられるでしょうね。

投稿: Buckeye | 2008年5月27日 (火) 12時36分

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