『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』
久しぶりに訳書が出ます。いつもは黒子の産業翻訳ばかりですからね。
今回は、今年の5月にアメリカで発売されたスティーブ・ジョブズの伝記、『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』
ジョブズは文筆業で身を立てている人たちがキライだとのことで、いわゆる"Unauthorized"になっています。要するに、「著者が勝手に書いた内容であり、書かれた本人としては認めないよ」ってことですね。
原著は、"iCon"という表題がiMacやiPodなど、一連のアップル製品の名称に似ていることなどが問題とされ、出版元のWiley社の書籍がすべて、アップルストアから撤去されるなど、いろいろと話題をまいたようです。
ジョブズの仕事人生は波瀾万丈。アップルコンピュータを創業後、自分が招いたCEOに追放される。ピクサーでCGアニメーションの世界を拓き、事業的は失敗だったNeXTのお陰でアップルに返り咲く。そして、iPodとITMSで音楽の世界を一新。若いころの話を読んでいると、こんなヤツと一緒に仕事なんか絶対にしたくないと思うような人物なんですが、最後まで読んでみると、そういう人物だったからこそ、ここまでのことができたんだろうなぁという気がしてきます。興味のある方は読んでみてくださいませ。
あと、ブログでいつもえらそーに書いているけど、こいつの実力はいかほど?って思う方も、ぱらぱら読んでみられると、ある程度のイメージがつかめるのではないかと思います。今、持っている力を出し切って仕事ができたと思うし、結果としてもかなりのレベルのものに仕上がったと思いますから。一方、訳者としての自分の力には、自分で気づいているだけでも、あちこちに改良の余地があります。あと2年か5年くらいもしたら、その部分は改良ができているだろうと思う半面、きっと、そのころには、今、気づいていない改良の余地が見えていることでしょう。訳者として、そうでありたいと思います。
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