2009年12月20日 (日)

翻訳と営業

先日のJTF翻訳祭パネルディスカッションのとき、「翻訳者も営業力をつけるべきだ」との意見がパネリストとして登壇された特許翻訳者の時國さんから出ました。話の流れとしては、「営業力をつけて、自分の翻訳を必要としているソースクライアントと取引をすべき」というものだったと思います。

ソースクライアントとの直接取引を翻訳者全員ができるようになるとも思いませんし、そうなるべきだとも思いません。この点については、できないよりはできたほうが選択肢が広がっていいだろうし、できる人はやればいいけど、できなければできないで生きてゆく道はあるはず、そういう道を残すべきだと思います。

このあたりについては昔『実務翻訳を仕事にする』(宝島新書)に書いたので、ここでくり返すのはやめておきましょう。

営業については、パネルディスカッションで時國さんが触れられなかったけど、けっこう大事だと思うことがあります。

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2009年12月 9日 (水)

ノンフィクション出版翻訳忘年会

この月曜日にノンフィクション出版翻訳忘年会が開催されました。例年100人超の翻訳者、編集者、版権エージェントさんが集まる会なのですが、今年は160人ほどが参加と過去最大規模になりました。出版系において...

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2009年12月 1日 (火)

品質、スピード、価格

JTF翻訳祭2009来場者アンケートからコメントを紹介します。ソースクライアントの立場から、品質とスピード、価格の関係について出されたコメントです。

最初の部分は、パネルディスカッションで紹介された「翻訳でトラブルを経験した割合が30%」というソースクライアントへのアンケート結果についてでした。

「トラブル3割」はあり得ません。翻訳者、会社ともにこの結果には「しょうがない」というあきらめが含まれていることを気づいてほしいです。

言われるとおりだと私も思います。

実は私、2001年8月29日配信の「SOHO'S REPORT」(メールマガジン)に同じような趣旨の記事を書いています。なお、当時だと、ソースクライアントの払いで仕上がり日本語400字1枚2000円は激安に分類できる範囲でした。今はもっと安い値段があったりしますが……本質的なところではないので、数字は適宜、読みかえてください。

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2009年11月26日 (木)

JTF翻訳祭2009来場者アンケート

来場者アンケート、改めて見てみました。私の講演については、「あまり参考にならなかった」(5段階評価で2)という方もおられましたが、「とても参考になった」「参考になった」(5段階評価で5と4)が大半だったようです。今回は準備にかなり苦しんでしまいましたが、その甲斐があったかなとホッとしています。

自由記述欄では「私のPPTを印刷した配付資料が欲しかった」とのご意見をたくさんいただきました。

すみません、これが配布できなかったのはすべて私の責任です。レジメ締め切り日には講演の流れさえも固まっておらず、PPTを作ることはないだろうと思っていました。講演の流れがなんとか固まったのが前日お昼過ぎ。急がなければならないバックログはなかったので(できたら翻訳祭の朝、無理なら週明けに納品という仕事はありましたが)、そこからPPTを作りはじめ、全体の形が整ったのが夕方。翌朝、最終調整。もっと早くに流れを固められていれば、みなさんに配付資料をお渡しできたのですが……力不足で申し訳ありませんm(_ _)m

ところで、来場者アンケートの項目の一つ、講演者やパネリストに対する質問の欄で、私宛に以下の質問をいただきました。

翻訳品質の最終的な管理責任は翻訳会社にあると考えますが、翻訳会社が翻訳者に求める品質管理のレベルは、どの程度が適当と考えますでしょうか? 「スタイルガイドに関する調整は翻訳会社の仕事」と翻訳者から言われたことがあります。住み分けの標準はどのようにお考えでしょうか? また、MTの修正作業は翻訳者の仕事とお考えでしょうか? どのくらいのクラスの翻訳者なら、きちんとした品質を確保できるものでしょうか?

内容が多岐にわたるので、以下、分解して回答します。

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トヨタプリウスと翻訳

北米市場でトヨタプリウスが直面したさまざまな問題が今朝のニュースでレポートされていました。

フロアマットを2枚重ねているとアクセルがひっかかる(米国ではフロアマット2枚重ねがよく行われる)。
  ↓
トヨタは、当初、車の問題ではなく使い方の問題だとしていたが、米政府からの強い働きかけもあってアクセルペダルを短くする対応を行った。


アクセルをいっぱいに踏んだままだとブレーキをかけてもあまり効かない。
  ↓
アクセルが踏まれた状態でもブレーキをかけるとエンジンカットとなるようにした。

いずれも、「使い方が悪い」と言えないものではありませんし、当然、法律でどうこうというような問題でもありません。「使い方の問題だ」と突っぱねるもよし、「そういう使い方にも対応できるようにしました」と売り込むもよし、でしょう。

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2009年11月24日 (火)

JTF西日本セミナー

このところほぼ毎年、JTF西日本セミナーにでかけています。今年は12月4日(金)です。 JTF西日本セミナー 「翻訳力」ステップアップⅢ ~技術・実務翻訳者 井口耕二さんに訳文チェックしてもらおう♪~...

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JTF翻訳祭2009-「今こそ、脱皮のとき!」

2009年11月20日(金)、社団法人日本翻訳連盟(JTF)が東京で恒例の翻訳祭を開催しました。今年のテーマは「今こそ、脱皮のとき! ~世界同時不況から一年、翻訳業界の進むべき道~」でした。

私は今回、講演者の一人であったことから客観的な評価が難しいのですが、友人の翻訳者たちの意見などを参考に総括すると(↓)のようになりそうです。

ソースクライアントと翻訳者は壇上にあがった全員が自ら(同業者)について問題や提案を出すなど危機意識が感じられる人ばかりであったのに対し、翻訳会社についてはどう自己変革していくべきかという視点が見えず、翻訳会社の危機意識のなさ、変革する意思のなさが際立ったと言えます。危機意識は、「翻訳者>ソースクライアント>>翻訳会社」という感じでしょう。

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2009年11月18日 (水)

実力があれば機械翻訳ソフトを使いこなせるのか?

私は、職業翻訳者が機械翻訳ソフトをツールとして使うのはよくないと考えていますし、ことあるごとに、この立場から書いたり話したりしています。

これに対し、機械翻訳ソフトをツールとして使うことを推奨される人たちは、「実力がなければ引きずられる」、逆に言えば、「実力があれば大丈夫」と言われます。翻訳ワークフロー、SATILAのPRページもこのパターンです。

前回のエントリー、「機械翻訳ソフトは自分のコピー?」では、機械翻訳ソフトを使っていると実力の涵養が難しいという話を紹介しました。こちらは、すでに実力をつけた人なら使えるのか、という点を検討します。

本当でしょうか。

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2009年11月16日 (月)

機械翻訳ソフトは自分のコピー?

先日の「機械翻訳ソフト利用による翻訳の実例」でアップロードした訳文についての検討のあと、「機械翻訳ソフトの出力訳文に引きずられる」ことについての議論が続きました。そこで言われたのが、(↓)のような趣旨のことでした。

今、工場では熟練工の動きをコピーした溶接ロボットがたくさん働いている。翻訳ソフトもそれと同じで翻訳職人の生き写しとすればいい。自分の生き写しとなった翻訳ソフトであれば、その出力訳文に引きずられることなどあり得ない。

今回も、相手の方のお名前を伏せ字にして私の返信をアップロードします。

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2009年11月13日 (金)

機械翻訳ソフト利用による翻訳の実例

別の翻訳者と機械翻訳ソフトの利用について議論したときについても触れておきましょう。2003年の春ですから、もう、6年以上も前のことです。

そのときは、(↓)のように聞かれ、原文と訳文のセットを提示されました。

機械翻訳による出力訳文を以下に例示します。
これでも機械翻訳の出力訳文に引きずられていると言えるでしょうか。

これに対する私の返信をアップロードします。なお、もともとが翻訳パラダイスという会員制MLにおけるやりとりなので、相手の方の名前は伏せ字にしてあります。

このときも、私の結論としては、「機械翻訳ソフトをツールとして使うのはよくないだろうな」でした。機械翻訳ソフトの出力文をどの程度、書き換えているのかがわからなかったので、手間と訳質との関係についてはまったく不明です。

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«機械翻訳ソフト利用の評価-SATILAを実例に