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2024年6月16日 (日)

ニセコクラシック2024――レース本番

4時50分起床。ゆっくりと準備を進める。あわてて肩を変に動かすといろいろ終わりかねないし。5時半すぎに長男を起こし、5時45分に部屋を出て車に自転車を積み、6時ごろ出発。朝メシは車の中で食べた(プチトマト、ランチパック、カツサンド、蒸しパン、コーヒー。1000kcalくらいか)。

天気予報は基本的に曇り、雨にはぱらつかれるかも。予想気温は21℃前後。

というわけで、撥水も兼ねて日焼け止めを塗り、夏用上下に薄手アンダー、指切りグローブの夏仕様。防水シューズカバーもなし。ボトルは、給水所でもらわないことを前提にロング×2とした。補給はマグオン×3。緊急連絡はApple WatchがあるのでiPhoneは持たない。保険証の類いも息子に預ける。

CTLはかなり下がって71。TSBは37。休みすぎてだいぶ弱くなってるって数字だな。これはもう、致し方ない。走れるだけで御の字なんだから。

蘭越につき、自転車を組み立てると、ウォーミングアップへ。そのあたりを15分ほど走ってみる。上りではダンシングも試してみる。うん、特に痛むとかないようだ。上りではダンシングを多用するので、ダンシングしたら痛むならここで諦めるってこともアリだと思っていたのだが、なんとかなりそうだ。よし、今日は走ろう。どこまでできるかはわからないけど。

そしてスタート地点へ。60代後半クラスが自転車を置く場所まで、あっちで知り合いにあいさつし、こっちで知り合いに声をかけられでなかなかたどり着けない、60代後半クラスは35人くらいと少なく、あわてて自転車を並べる必要もないしで、みんなとゆっくりおしゃべりしながら進んでいく。みなさん、鎖骨を折ったのとか知ってるから、両手を上に上げてみ?とかしっかりいじってくれる。仲間がいるのっていいよね~。

自転車を置き、トイレ列に並んだあと、最終朝ご飯のおにぎり1個を食べたら、もう、7時半のスタート直前だった。

■スタート前の会場

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non-UCIの若い連中が第1ウェーブ、50代が第2ウェーブ、60代以降と女性が第3ウェーブで、ウェーブ間は一応、分離するようになっていた。

我々は第3ウェーブの最後尾。なので、パレード走行が始まるとなるべく前に出るようにした。鎖骨と肋骨が折れていてどうなるかわからないので、あんまりがんばらないことにはしているけど、でも、ねぇ。

橋を渡った直後は止まりそうなほどのスローペース。しかたない。周りもみんなしかたないと落ちついている。

流れ始めると、すき間をみつけては前に上がっていく人たちがいる。というわけで、私も、そういう人をみつけては後ろにくっついて上がっていく。首、振れるようにはなったけど、まだ、できればあんまり振りたくないので(ピリッと痛むことがある。レースなのでつい大きく振り、ビリっとなったら終わるかも)、きょろきょろとすき間をみつけるのは人任せにしようという作戦。

どこかでリアルスタートになっていたのだろう、突き当たりを右折して道が太くなった時点では、少し前で中切れが起きていた。そうか、そういう展開になるのね。リアルスタートのとき、どこまで上がれていたかで集団が決まり、それが順位の上限を大まかに決めてしまう、と。

まあでも、ケガを抱えて出場した私にとっては、集団のサイズが小さくなるのはありがたい。ン十人サイズなら、このあとの危険箇所もたいがい大丈夫だろう(もちろん、自分を含めみんながちゃんと注意して走れば、なわけだが)。

海岸までは、下見のとき前に上がるべきと思ったポイントなどは前へ、それ以外は下がりすぎない位置を心がける。それが功を奏したのか、海辺まで、その集団から切れることなく走ることができた。後ろは見ていないのでよくわからないが(首、できれば振りたくないので、必要がないかぎり後ろは見ない。前と横だけ)、たぶん、後ろは少しずつ切れて人数が減っていったのではないだろうか。海岸で折り返すころ、集団は半分くらいになっていたように感じる。

海岸の右折は、やはり右車線に誘導された(公式サイトなどでも予告されていた)。ただ、曲がってすぐのあたりはコーンがなく、膨らんで戻ってくれば大丈夫なあたりからセンターライン上にコーンが置かれていた。また、私が走ったあたりは次々と集団が来るからか、対向車線も車を止めてくれていた。まあ、そのほうが安全だわな。私の集団でも、半分くらいの人は左車線まで膨らんでいたもん。

海岸で折り返すと向かい風。進みが悪くて気分的に落ちたのか、サイクリングペースに落ちたときもあったが、よく言えば落ちついたペースで全体としてはまあまあかな。

左折すると上りが始まる。とりあえずはゆるめ。とはいえ、上りが得意な人たちが前へと出て行く。私はといえば、切れたいと思うくらいしんどいけど、少し我慢すれば平坦が出てくるコースだとわかっているからなんとかついていける。下見の効果だ。

上り前半の後半、下りがちょこちょこ出てくるあたりはローテでペースアップ。集団はたぶん20人とかいるようなのだが、ローテに参加しているのは数人。高速巡航という小柄・軽量な女性につらいパターンなのにローテに参加している女性がいるんだから、男は前に出てこいよ。先頭交代しろと合図しても前に出ないから後ろをふり返ったら、「すみませ~ん、前、出られません~」って女性に言われたことさえある。その女性にとっては、付き位置ならぎりぎりついていける限界ペースってこと。しかたがないので長めに引くはめになった(しばらくがまんしていたら、さすがに、その女性をパスして出てきてくれる人がいた)。

この道が左折するあたりに長男がいて、何位くらいか教えてくれるはずなのだが、見あたらない。下見のときにはわからなかったなにかがあって、ここに到達できなかったのか。

曲がったちょい先に給水ポイント。ボトル1本でスタートした人など、たぶん集団の半分以上がそちらに寄っていく。私は、2.5時間ならロングボトル2本で大丈夫、給水はパスすることでン秒でも短縮という戦略なので受け渡しの人がいない側へ寄る。

ここからが本格的な上り。上れる人が前に出るので離れすぎないよう必死でついていき、平坦やちょっとの下りで追いつくをくり返す。それができる。下見で予想したとおりだ。とはいえ、この上りきりではいったんオールアウトしたけどね~。まあでも、2年前、やはり肋骨にヒビを入れてすぐ走ったときは、このあたりで失速したんだから、今年はなんとかなっていると言うべきだろう。

鋭角右折からちょい下り、以前から走っている上りへと入る。

ここの上りが始まる前に集団前方へ上がりたいけど、オールアウトからの回復が間に合わず位置キープがやっと。まあ、しかたないわな。このあとは、下がりながら上るがほとんど使えず、上れる人たちの背中を必死で追う展開。ところどころに下りが出てくるからなんとかなるけどしんどい。KOMが近づくと、同クラスの人、3人が固まって前に出て行く。やばい。あれにはついていかないと。

というわけで、KOMでふたたびのオールアウト。KOMのすぐあと右折して下りに入るが、とりあえずはまるで踏めず、重力任せの加速。でも、ここ、数少ない稼ぎどころなのよね。上りと下りでは使う筋肉が違うはずなんだから、気合いを入れてケイデンスを上げればそれなりに踏めるはずと足をぶん回してみた。うん、それなりに踏めるわ。というわけで、先行していた同クラスの人(よく知ってる内川さん)をパスして前に出る。その少しあと、でかい人が横に来た。先頭交代してくれるらしい。後ろにつき、出力低めで足をぶん回し続けると、体のモードが切り替わった感じで元気になった。よし、これならと、大きくUターン以上に曲がる左カーブでまた前に出る(高速なので曲率を大きくしようとセンターライン近くを走っている彼をインベタで抜いた。グリップ的にはまだまだ余裕を感じるくらいだったので)。次の右カーブを前で抜け、左直角に向けてまた踏む。

左直角のところ、ボランティアの人たちが道を塞ぐように立って、左だ、左だと合図をしてくれている。あの人たち、怖いだろうなぁ。左に曲がるとわかっているはずなのに、70キロ近い速度でまだ踏み、迫ってくるんだから。

下見で考えたとおり、道案内標識をくぐった瞬間、腰を引いて急ブレーキ。やはり、このタイミングで余裕だった。このあとも、でかい人と交代しつつ下っていく。

この下りが終わり、最後の給水ポイントに向けて上りはじめるころには、前の集団(non-UCIの若手で遅めの人たち)に追いついていた。やったね~。一緒に下ってきたでかい人(ペダリストのジャージだった)とお礼を言い合う。いや、いいタイミングでいい人と一緒になったわ~。

こちらの給水ポイントでは、水のボトルをもらい、ある程度飲んでから体にかける。そして、えっちらおっちら上っていくと、上りきりに長男の姿が。お~、やはり、ここはちゃんと来れたのね。「いま5位。前の集団とはけっこう離れている」とのこと。給水ポイントの上りで、KOMを一緒に越えた同クラスの人がみんな追いつき、抜いていったので、この集団内で私は4人目。集団トップで2位? 3位? ともかく、この集団からちぎれて後ろに抜かれたりしなければ世界戦の切符は確保できそうだし、万が一この集団にいる同クラスのトップなら表彰台だってあるかもって感じか。

このあとも、平坦と下りで稼ぎ、上りは少しずつ下がりつつ遅れすぎないよう必死でついていくをくり返す。でも、だんだんとしんどくなる。まあ、本調子じゃないんだししかたない、ここまででもいい加減できすぎだ、あきらめても……という思いを打ち消しては前を追うのくり返し。343号に出るあたりでは、また、軽いオールアウト。343号は軽く上ってはいるが平坦のペダリングになるので前を追いたいが、体が動かない。むしろ離れ気味になっている気がする。やばいなぁと思いつつよろよろと最初の小ピークを越え、ここで踏まないのはあきらめるってことだよなと最後の力を振り絞って踏み倒す。そして上り返すとだいぶ前と詰まっている。そうなるとげんきんなもので、それなりに力が出る。というわけで、その後も、よろよろと上り、下りを踏み倒して上り返しをくり返す。

そうそう。このアップダウンの下りで危ない一幕も。なぜか後輪に横向きの力がかかり、よれた感触があったと思ったら、後ろから変な声が聞こえた。たぶん、後ろの人がはすったけど、それなりに力があって前輪をむりやり保持してこけるのは避けられた、その分、前側の私が少し横にずれる感じになったのではないかと(はすられた方は気づかないことが多い)。

アップダウンが終わって平坦基調になったあたりで状況を確認。去年表彰台だった人は先に行ったらしく姿が見えない。内川さんは少し前で見えている。やはり知り合いの高田さんは私と同じあたりで前後している。内川さんに追いつければ三つ巴、追いつけなければ高田さんと私のふたりで最終順位を争う、かな。

そう思って内川さんを見ていると、少しずつ近づいているようだ。追いつける可能性が高い。

足を使わないようにゆっくり、じんわりと追いつく。内川さんがしきりに後ろをふり返っているのは、同クラスの私と高田さんが追いついてくることを警戒しているのだろう。なので、視界に入りにくい位置に滑り込み、しばらく後ろについて休む。

ニセコの信号に向けた上りきりで前に。上りから平坦への移行は得意なので仕掛けるならここだろう。ちらっと後ろを確認すると少し離れたようだ。必死で足を回す。なんだけど、左折する少し前で内川さんが追いついてきた。だよね~。高田さんもいるようだ。結局、3人がほぼだんごで左折。

今年のラストは、ここを300~400m直登したところがゴール。というわけで、このペースで上りきれるはずがないと思いつつも、左折後はとにかく踏み倒す。内川さんがすぐ前にいるのだから足を緩めるわけにいかない。

半分くらい上ったあたりで内川さんとの距離が離れ気味になった。こちらは軽くオールアウト。しかたがない。出しきって完全オールアウトする直前で足を緩め、ぶん回すことで回復を狙う。内川さんだってきついはず。オールアウトで失速してくれれば最後の最後で逆転もありうる……と思ったのだが、内川さんはゴールまで踏み切れそうだ。ということは高田さんが追いついてくることを警戒すべきか。横にだれかの前輪が来るたびちらっとチェックしつつゴールをめざす。

最後はケイデンスで稼いでゴール。

もともと目標にしていた表彰台には届かなかったが、世界戦の切符は確保できたはずだ。

計測チップを返し、内川さん、高田さんと少しお話したり、近くにいた知り合いと話をしたり。その後、スマートコーチングの人が何人か集まっていたのでそちらへ。みんな、事故なく、けがなくゴールできてよかった。

しばらくしたら長男が登場。ゴール付近に姿がないなぁと思っていたのだが、交通規制を避けて迂回する道が渋滞していてまにあわなかったらしい(メインの通りが1本、我々のために封鎖されてるんだから、そらそうなるわな)。

車でホテルに戻り、シャワーを浴びて着替えたら、近くのカレー屋さんでお昼。

■ラムカレー(辛口)をメインにしたプレートとインドビール

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カレー屋さんを出たらざんざん降り。レース中、この天気にならなくてよかった(走っている途中は、ばらばらっと1分くらい降られただけだった)。

そろそろリザルトが出ているはずなので、ゴール会場へ。

クラストップから6分50秒遅れの2時間23分39秒で5位/33人。平均速度は32.70km。ちなみに、non-UCIの若い人も含めた総合だと165位/484人。トップは2時間3分3秒、平均時速38.17kmだそうで。さすがに速ええな。

■世界戦の出場資格を得た証であるメダル

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夜はスマートコーチングの仲間が集まっての打ち上げに息子とふたり、入れてもらい、焼き肉をたらふく食べ、ビールをたらふく飲んだ。

■感想

ネコと事故って鎖骨・肋骨を折るというアクシデントがなければ、やはり、表彰台を狙えたなぁというのはあるが。2.5週前に骨折し、入院・手術を経て、とにもかくにもそれなりの走りができたのだから僥倖だろう。本来なら安静期間でレースどころか運動もやめとけって時期であり、本業が整形外科の先生である内川さんなんて「2週半前? 2カ月半前じゃなくて?」って聞き返してきたくらいで。

レース中、鎖骨は特になにも感じない、肋骨も深めに息を吸うと鈍痛がある程度で、痛みで走りにくいといったことはなかったし、ダンシングで腕を使うことも特に問題なくできたわけだが、これはかなりの幸運だったようだ。同日に手術をした高校生は痛みがひどくていろいろとつらかったらしいし。たぶん、骨の折れ方が体の内側をあまり傷つけない位置だったとか、そういうことなのだろう。

なにより、無事だったのが一番、かな。落車に巻き込まれたらまちがいなく鎖骨がずれ、再入院・再手術になる話なのだから。

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