全日本フィギュアスケート選手権2023観戦--感想編
●男子
島田くんがうまくなって、ちゃんと楽しませてくれるようになっていた。
三浦くん、エッジワークはよくないのに、それをものともしないパワーがすごい。
それにしても……男子の中位って、あそこまでスケート滑らなくてもあそこまで力で押し切ってジャンプ飛べちゃうんだと目がテンになることがけっこう多い。
まあでも、男子は、それぞれに自分の持ち味を活かそうと工夫してる人が多いというか、個性がはっきりしてる人が多いというかで楽しい。女子は筋力ない分、無理が効かなくて金太郎飴になりがちなんだろうな。仕方ないと言えば仕方ないのかもな。
いくら男子でも、筋力で押し切っていたのでは後半組になれない。だから後半は滑るスケートが楽しめる。
佐藤くんは、よく作り込んだショートでよかった。
友野くん、ショートはミスが多くて残念。一番楽しみにしていただけに。細かいところの作り込みはさすがだった。フリーも、最初はどうなることかと思ったけど、よかったわ~。細かな作り込みがすごくて、あっという間に終わってしまった。特によかったのはステップ。メリハリのあまりない音楽にメリハリのあまりない動き。なのに、びったし音に合っていて、感動モノだった。
三浦くん、4回転連発とのことでフリーはジャンプ練習するのかと思ったら、すんごい作り込んできていた。それであそこまでチャレンジするとは。すごい。
鍵山くん、宇野くんはふたりともさすが。ミスはあったけど、プログラムの作り込みとかは頭抜けてる。鍵山くんはスケートが柔らかくきれいでよく滑る。スタートしてリンク半周も回らないうちに引き込まれた。プログラムは当然に作り込んであるし。よかった~。宇野くん、ジャンプにミスはあったけど、いや、さすがだわ。よく滑るし、独特の雰囲気あるし。
ちなみに、フリーの最終グループでスタンディングオベーションを贈ったのは、友野くん、三浦くん、鍵山くん、宇野くんの4人。私のスタオベはプログラムの作り込みが最低要件なので。
それにしても……毎回書いてるような気がするが、山本くんはほんともったいない。あの体にあのジャンプ力。見栄えはピカイチのはずで、つなぎ部分とかジャンプの準備とかになるとドラえもんの両手だらりになっちゃうのをなんとかすれば、宇野くんともガチに勝負できる、来年こそは直してくれよと毎年思い、毎年、がっかりをくり返している。ふだんのジャンプ練習で直せるところなのに。(余談ながら、「つなぎ」って言い方がきらい。とっても大事な部分、時間的にはジャンプなんかよりずっと長いんだから)
このあたり、夫婦で話をしていて、改めて思ってしまった。我々はふたりとも、到達点が高いかどうかにかかわらず、できることをしない人、しようとしない人には厳しいんだな、と。
スケーティングがうまいのは、宇野くん、鍵山くん、友野くん、かな。この3人は次元が違う。氷を押して進むのではなく、前へ前へと乗ることで滑っていく。アイスダンスの選手と同じタイプのスケーティング。
●ダンス
全日本フィギュアスケート選手権のアイスダンス、三つ巴との話だったけど、たしかに、今年初出場の二組、うまいわ。ちゃんとダンスしてる。今後が楽しみだ~。
それにしても、全日本に6組も出場してくるとは、時代が変わったなぁ。いや、まあ、あれでホントにプレゴールド持ってるのかって思っちゃった組もいたけど、さ(あとで確認したら、ふたりもシルバー。ジュニアから出てきたのかな)。
アイスダンス、点数うんぬんは別として、どの組が好きかと尋ねられたらダントツで小松原組だなぁ。ふたりの一体感が突出してる。ダンスはそこが大事だと個人的に思うのよ。
●女子
いつも女子の前半は若い子のジャンプ大会で眠気を抑えるのに苦労するのに、今年は、しっかり音を聴いて滑ろうという意識のある子が何人もいてよかった。まだまだではあるけど、数年後が楽しみだ。それにしても、動きが曲の表現になるのと、「言われたとおりに動いてます」になっちゃうのとは、何が違うんだろう。意識の違いなんだけど、どこからそれを感じるのだろう。
上園さんだったかな、若い子。まだまだだけど、音をよく聴いて滑ってて今後が楽しみ。動きが体の中心から始まって指先へと広がっていくのもよかった。フィギュアスケートだと手だけ動かす人が多いのよね。
櫛田さん、点数はさておき、ショートは楽しませてくれた。フリーも見たかったなぁ。櫛田さんのフリーが後一人で見られなくなったことが、今年の女子ショートで一番残念に思ったことだった(ということで夫婦の意見が一致した)
三原さんは完成度が高い。ジャンプやスピンなど、個別の技に凄みはないけど、あの完成度はすごい。総合力勝負。やっぱ、好きだわ。神は細部に宿る。フリーは、失敗しちゃいけないと抑えすぎで途中までらしくなかったのが残念。スパイラルからあとはすばらしかった。
岡島さんとこの住吉さん、住吉さん、ショートはミスがあったけど、演技そのものはよかった。こういう人が増えてほしい。フリーも女子には珍しい鋭い動きでよかった。
坂本さん、豪快なジャンプは相変わらず。それを脱力して飛べるようになってる。進化してるよな~。
坂本さんが長めのエッジで滑りを見せた後だからなおさら感じるのかもしれないけど、吉田さんのショート、動いてるというよりバタついてると感じてしまった。
樋口さん、いつもジャンプ練習で見たくね~と思っていた記憶があるんだけど、ショートはだいぶよくなってた。でもロングは変わらずジャンプ練習(--;)
うまくて、本人も会心の出来らしいのに、訴えてくるものがない演技ってあるのよね。なにが違うんだろう。やっぱり気持ちの問題なのかなぁ。プログラムも、エレメンツは難度高いし点数出るんだろうけど、エレメンツ繋ぐだけになってるのとかは、ねぇ。見ててつまらん。まあ、発展途上でそういう段階っていうケースもあるにはあるんだけど。若い子とかね。
それにしても、女子は柔らかく伸びやかにばかりで飽きる。そういう滑りがほんとに合ってるのは数人にひとりもいないんじゃないかと思うのよね。渡辺さんも、冒頭いいじゃんと期待したのに、途中からすっかり柔らか系に行ってしまった。冒頭の雰囲気で最後まで滑って欲しかったなぁ。
そういう意味では、吉田さんとか、好感が持てる。いまはまだ動きがチャカチャカしすぎでイマイチだけど、将来に期待でまた見たいと思う。次はどんなの見せてくれるのかな、と。
無駄足も気になる。無駄足がないの、男子だと宇野くん、鍵山くん、友野くんとかそれなりの人数に達する。女子は坂本さんだけかなぁ。さすが。
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