全日本フィギュアスケート選手権2022観戦
今年もクリスマスは全日本フィギュアスケート選手権の観戦。今年は大阪で、2018年と同じ会場だ。
■会場
■嫁さんが最近買ったかばん。これいいわぁ。
外側に透明ポケットがあり、イベントのパンフやクリアファイルを入れておけるのだ。
■大会の感想
フィギュアスケート、私は、ジャンプが飛べるかどうかより、音楽やストーリーを表現できるプログラムを工夫しているか、それを滑れているかで評価する。幸いなことにジャッジにはならなかったから。ジャッジになっていたら、点数つけないときにも、ついつい、点数が出るかどうかを考えてしまいそうだもんな。
そういう意味で、山本草太くんとかダメなのよね。ジャンプのアプローチがくっそ長いせいでプログラムの構成が単調になってしまい、おもしろくない。もっと気になるのは、アプローチに入ったとたんに手がドラえもんになること。ほかでいくら工夫していても興ざめだ。特にプログラム冒頭とか、ジャンプアプローチが時間の2/3くらい占めていたりして、もう見るのやめたいって思ってしまう。手なんて、ふだんの練習でいつもやれば直せることなのになぁ。あれほどの有力選手なのにできることやってないのは、ねぇ。
あと、女子もなぁ。金太郎飴で見てて飽きる。特にショートはひどい。音楽は単なるBGMだし滑りも変わらないし。音楽と滑ってる映像とをランダムに組み合わせても違和感なさそう。大半は言われたとおりに滑ってますって感じがするのもなんとも。ほんと、ショートなんて、ときどき寝落ちしてしまったようで記憶が定かでない人が多い。
よく言えばまじめなんだろうし、なんだかんだジャンプ飛べないと点数でなくて上に行けないからプログラムが後回しになりがちっていうのもわからないではないのだけれど。でも、つまらないものはつまらない。
対して男子は、特に下のほうとか荒削りだったりするけど、きれいにまとまってなくて個性が感じられる人が多い。だから、女子より男子がおもしろいと思っちゃう。
だって、ねぇ、フィギュアは見ていただいてなんぼの競技じゃん。音楽やストーリーが表現されていなければ見るべき要素はジャンプやスピンなどだけになってしまう。そんなん、単なる軽技じゃん。だったら音楽なんかかけず、ジャンプ大会、スピン大会でいいじゃん(暴言)。
ただまあ、私みたいな見方が珍しいのはわかっている(我々夫婦みたいな見方はと言うべきか。嫁さんも評価の方向性は私と同じ。基準は少し甘いかな^^;)。嫁さんや私がスタンディングオベーション贈ってるときって周りの人はあんまり立ってないことがけっこうあるし、周り総立ちに近いとき我々夫婦は「アレはないよね」ってささやき合っていたりするから。
以下、そんな偏った見方をする人間がどういう感想をいだいたか、思いつくまま書いておこう。
■女子
三原舞依さん、ショートが曲の特徴をよくとらえたプログラムですごくよかった。後半、曲想の変化に合わせて変化するスピンとか、そこまで細かく作り込んだかという感じ。フリーはきれいな滑りと美しいスパイラルなどの側面を押し立てた感じで、まあ、悪くなかったかな。
坂本花織さんはうまくなったなぁ。特にフリーでそれを強く感じた。ジャンプのアプローチが短くなっていて、曲を表現する動きからさっと飛ぶ形になっていた。あの入り方であそこまでパワフルなジャンプを飛ぶんかいって思う。アプローチを短くするのって実際にはすごく難しい。でも完成度を上げなければトリプルアクセルや4回転を飛ぶ選手相手に戦えないと、そうとうに練習したんだろう。
■ダンス
6組も出るようになったのが感動もの。ダンスらしい滑りになっているのは上位3組、楽しんで見られるレベルに達しているのは2組だけであっても。
印象に残ったのは、髙橋大輔くんの上達。うまくなったわぁ。シングル時代の成果などは忘れて、ダンスの練習を必死でしたんだろうなぁ。来年も続けるかどうかわからないみたいな話があるようだけれど(ダンスも体力勝負の側面があるので年齢的に厳しいだろうなとは思う)、観客のひとりとして、できたら続けてほしいと思う。来年、もう一段上の滑りを見せてよ。
■ペア
シードの三浦璃来/木原龍一組が帰国トラブルで欠場し、村上遥奈/森口澄士組のみだった。村上遥奈/森口澄士組は、ひととおりのことはできるけど、手に汗握って見ているって感じ。それでも、ねぇ、ペアってやるだけですごいと思うのよ。大昔の選手時代、ペアもやらないかと声をかけられたことがあるけど、怖すぎて受ける気になれなかったもん。
■男子
彦阪昇吾くん。自分になにができるのかを考え、しっかりと工夫してきたことがよくわかるショートでよかった。全日本選手にしては下手なほうなので、滑りも荒いし演じる・踊るもうまいとは言いがたいけど、でも、そのなかで自分にできるせいいっぱいで魅せている。実力的にフリーに残れないのが残念。来年はフリーも見せてくれい。
早稲田の西山真瑚くん、我が家での愛称はホストくんに決定~。華があっていい。来年もまた見たいところだけど、来年はアイスダンスに専念するつもりらしい。
大島光翔くん、フリーのトップガンがすごくよかった(ショートもよかった)。プログラムの最初っていろいろ動くのがふつうなのに、上体をほとんど動かさずゆっくりと滑るだけ。そうか、発艦か。映画の冒頭も空母からの発艦シーンだもんな。スピンも音楽に合わせたものがあってよかった(この点では三原さんと大島くんが突出)。ステップあたりは空中戦かなぁ。最後は着艦して静に戻って終了、だよね。エンターテイナーだわ。
長谷川くん、実力的には苦しいけど、しっかり音聞いて滑ってるのは好感持てる。加速のスケーティングとかも一生懸命音に合わせてた。そのくらいしなきゃ音楽かけてる意味ないやんと思うけど、意外にやる人少ない。将来に期待。最後は動きに音が合うって羽生くんみたいな境地まで行ってくれい。
森口澄士くん。フリーがすごくよかった。そうなのよ、手ひとつ、動かし方であんなに多彩になるのよ。ショートは印象薄かったのか覚えていないのだけれど、フリーはスタンディングオベーション贈った数少ない選手のひとりになった。
手って、動かしゃいいってもんじゃないのよね。手の動き、止め、一つひとつに意図がなきゃ。意図なしに振り回しているのは単なるノイズ、うるさいだけ。たくさん動かしたいヤツは森口くんの手を見習え~って言いたくなった。それか、宇野くんとか羽生くんみたいにあまり動かさず、要所要所を締めるかだよ。
羽生くん、意外なほど手足を動かさず、基本姿勢でいる時間が長い。で、ときどき、ふっと動いてビシッと止める。この静と動が印象的で、そのほかが止まっていることが気にならない。っていうか、なんでもないところでいらん動きをしない分、動いて止める静と動が印象的になってる。見得はいらんノイズを排したなか、要所で切るから効くんで、切りまくったら見得さえノイズになってうるさいだけ。
羽生くんの手は能とかに通底するものがある。対して今回の森口くんの手は漫才に通底するものがある、かなぁ。手数が多くてすごくよく動く。でも、要所要所は止まってるし、そもそも、どの動きにもどの止めにも意図がある。そんな感じだった。
中村俊介くん。曲をよく聞いているし、メリハリしっかりした滑りでよかった。もう少しスピンが回れればねぇ(^^;)
そして友野一希くん。ショートもフリーもよかった~。上手な人がプログラム作り込んできちんと魅せてくれるとこうなるのよねっていう好例。フリー最後のステップは会場も今回一番の大盛り上がり。そらそうだ。あそこまでいけばだれが見ても楽しいもん。
フリーが社交ダンスを模していたのも個人的にはツボだった。
大昔の選手時代、「舞踏への招待」でショートを滑り、全日本の会場でたまたま隣に座ったどっかのおばさんから「東日本予選のとき、ひとりでダンスするおもしろいショートを滑った選手がいた。もう一度見たいんだけど彼は出てるのかな」と言われてうれしかったので。私は最下位争いの実力しかなかったんだけど、それでも楽しんでもらえるならよかったなぁ、と。
あのアイデアをうまい人が滑ったらここまでになるのね~。堪能させてもらった~。
鍵山優真くん、楽しみにしていたんだけど、復調できてなかったようだ。そういう年もある。来年、いい滑りを見せてくれい。
宇野昌磨くんは、やっぱりうまいよな。宇野くんらしい滑りとプログラムで楽しませてもらった。静かな曲に合わせ、少ない足数で加速するのって実はかなり足を使うのよね。だから、下のほうでまねしてる選手は足数が増えて曲に合わない。手も、ゆっくり一定に変化させていくのはけっこう気を遣うことで難しい。ほかの選手がやると音を待って間延びした動きになりがちなんだけど、宇野くんは自然。さすがだわ。
ただ今回、ジャンプをとても慎重に飛んでいたようで、その分、表現側がおろそかになっていたようにも感じる。宇野くんにかぎらずジャンプのミスが多かったから、ジャンプの飛びにくい氷だったとか、そういうことなのかもしれない。なんだかんだ、ジャンプ飛べないと点数出ないからなぁ。
そうそう、最後のほうで飛んだ3A+2A+2Aのジャンプシークエンスもなぁ。そら点は出るだろうけど、点のために飛んでます感が強くてなんだかなぁと思ってしまった(同じシークエンス、ほかにも飛んでた人がいて、毎回同じことを思った)。
■宿泊その他の心覚え
将来また大阪だった場合のために心覚えも書き留めておこう。
今回、泊まりはドーミーイン大阪北浜。ここよかった。地下鉄の駅に近くて便利。駅近くにはパン屋もあるし(全日本はパンをあれこれ買い込んで晩飯にすることが多い)。コンビニもあるので、サラダとかはそっちで買えばいい。ピアノの貸しスタジオもごく近にある(嫁さんが通った)。会場までは40分くらいとそれなりで着く。予約が早かったからか、お値段的にも悪くなかった。我々が泊まったツインだと、この時期、朝食付きでふたり4泊10万を超えそうなのだが、ウチは6万強ですんだ。
ランドリーも無料(乾燥は有料)で使えて着替えも少なめにできる(途中1回洗濯することを前提に荷物を作った)。
ドリップコーヒーも部屋に用意してあってコーヒー用のカップもあるので、ドリップパックも保温マグも持っていかなくてよかった感じ。朝晩は保温ポットに食堂でコーヒーをもらう手もある。
ツインは部屋がけっこう広くて、仕事用にあれこれ持ち込んでもなんとかなる感じ。
■仕事場(^^;)
ただ、ここはベッドと同じ部屋なので、私が早朝に起きて仕事をするときとか、私が寝たあと嫁さんがまだなにかしているあいだとか、アイマスクがあるとさらによし、かな。
次回あった場合は、またここがいいかも~。
荷物は、海外旅行用に買った小さめスーツケースひとつのほか、それぞれにデイパックなどとした。男子フリーの後も泊まって、月曜朝の新幹線で東京に戻り、嫁さんはそのまま半日出勤するのだが、これなら、仕事にいらない荷物は私がひとりで持って帰れるからだ。
荷物といえば、大阪に行くときは、スーツケースの取っ手に固定できる大きなバッグも持っていくべきだな。嫁さんが職場へのおみやげにカールを大量に買いこんでいた。カール、関東で売らなくなったので、喜ばれるのよね~。
■リンク関係
会場が小さめで収容人数が少ないからか、入るのに時間がかかるということはないようだ(大宮は大変だった……)。
今年は寒かったからかリンク内も気温が低く、念のためと持っていった防寒着の出番があった。ざぶとんはなくてもいいが、私は足の調子が悪かったこともあり、ざぶとんも使っていた。
| 固定リンク
「雑記-フィギュアスケート」カテゴリの記事
- フィギュアスケーターの手先(2024.01.06)
- 全日本フィギュアスケート選手権2023観戦--行動編(2023.12.25)
- 全日本フィギュアスケート選手権2023観戦--感想編(2023.12.25)
- 全日本フィギュアスケート選手権2022観戦(2022.12.25)
- 全日本フィギュアスケート2021観戦(2021.12.26)
コメント