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2021年6月 4日 (金)

文明堂のV!CASTELLA

先日発売されて話題の文明堂V!CASTELLA、既報のように、今回のThe PEAKSで使ってみた。

■公式サイトのV!CASTELLA紹介ページ

結論から行くと……リピートはない。

おいしいのはおいしい。ちゃんとカステラしている。補給食用として、口の中の水分が持っていかれない工夫がされているとのことで、それはそうなっていると思う。ただ、走りながら食べようとすると問題がありすぎる。止まって食べるなら問題ないんだけど、そういう制約があるものを買うのは、ね。特に、少なくともいまのところ文明堂の通販でしか買えなくて、送料を含めるとすごく高いモノになるし(賞味期限が3週間と短くて、送料無料になるほどまとめ買いはできない)、そこまですることはないな、と。

■致命的な欠点

なんといっても包装から取り出しにくい。かなりややこしい作業をあれこれ両手でしなければならない。

包装は縦長で縦方向に裂いて開ける。裂くのには、もちろん、両手が必要だ(片手は口で代用できるけど、後述のように、裂き損ねると大変なことになるので両手できちんと裂いたほうがいい)。中からカステラを取り出すのにも、基本的に両手がいる。縦半分くらいまできれいに裂けても、横に出してこないといけないからだ。上にリンクをはった公式サイトには、横に裂いてカステラを縦に出せるがごとくの写真があるが、はさみでも使わなければああはならない。

■裂き口はひとつしかなく、ほかからは裂けない

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文明堂公式サイトにはこんな写真があるが

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■実際はこうなる

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こんな形なので、包装を裂いただけでは食べられない。カステラを横に取り出すか裂いた部分を折るかしないといけない。

■これでようやく食べられる

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脱酸素剤が入っているのも、ね。ちなみに、脱酸素剤は裂き口に近い側に入っている(上の写真にも写っている)。そのため、食べる前に脱酸素剤を取り除いてどうにかする必要がある(手に持っておいて食べ終わったら袋に入れるか、すぐバックポケットに入れるか)。

せめて裂き口から遠い側の端に入っていれば、カステラを食べ進み、最後、パッケージ内に残すような感じにできるので、ほんの少しだが、両手を取られることが減る。まあ、なるべく片手で食べるということが開発段階で考慮されていないのだと思う。自転車は対象外というか。

さらに、裂くときうっかりすると、短くしか裂けないことがある。こうなると大変だ。

■包装を裂くときこうなるとやっかい

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今回、スタート地点(CP1)に戻る直前に開けたのがこんなふうになってしまった。開いてるところが小さくて、そのままでは取り出せない。裂き口はひとつで、改めて大きく裂くこともできない(裂き口以外は丈夫で裂けない)。裂けてるところに両手の指を突っ込み、両側に引っぱって大きく開こうとしても、包装が頑丈でなかなか広がらなかったりする。

■こんな広がり方になったりする

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これでは開口部が小さすぎてカステラが取り出せない。頂部に思いっきり力を入れたら開くことができたが(↓)、自転車に乗りながらそこまでできるとは私は思えない。

■ここまでやればさすがに食べられる

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PEAKS中にミスったときは、口にできるまで分単位で時間がかかった(その間、両手を取られているわけで……状況によってはあぶなくて、食べるのをあきらめざるをえないだろう)。

走りながら食べる手順をまとめるとこんな感じになる(↓)。

  • 裂き口から袋を裂く(両手がいる)
  • 脱酸素剤を取り出してバックポケットに入れる(両手がいる)
  • カステラを横に取り出し、袋上半分を折ってカステラが隠れないようにする(両手がいる)
  • 折った部分を押さえつつ片手で口に運び、1/3から半分くらいかじる(全部一度は無理)
  • 後半は、開口部から沈んでいるので、押し出すか引っ張り出すかしなければならない(両手がいる)

ランニングなど両手が自由に使えるスポーツならいいけど、自転車には無理ゲー。これが楽々できるほど余裕の走りなんて、少なくともレースとかじゃないし。トレーニング中も、そんな余裕で走ってるなら、止まって補給でもいいやんと思うし。いや、まあ、おきなわの海岸線を大集団で走ってるときとかならなんとかなるかなとも思うけど、その場合でも、こんなに両手を取られると、変な動きをするヤツがいたりしたとき対処が遅れそうで怖い。ありえないことする人、たまにいるから。

そのへんでばら売りするようになったら、味の変化としてひとつ混ぜておき、止まったとき口にするとか使い道がないことはないだろうが、走りながら食べる自転車の補給食としては不向きだと思う。

井村屋の「スポーツようかん ポケット」と同じだ。あれも、少なくとも前半は片手でさっと食べられる、だからいいんだみたいに宣伝されてるし、自転車サイトなんかでもそういうふうに持ち上げてたりするけど、さ。でも、後半はどうすんのよ。端っこを片手で持ってもう片方の手でしごくとかしないと出てこないじゃん。結局、両手がいる。いや、まあ、スポーツようかんの場合は、喉に刺さらないよう注意しながら全体を口の中に突っ込み、歯で絞り出すって手がないことはないけど、さ(実際、私は、試し買いしたものをそうやって食べた)。

体を動かしながらなるべく片手で食べるなんて競技は自転車くらいで特殊だっていうのはわかっているけど、自転車に適した補給食ってなかなかないのよね。

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