COMANDANTEのコーヒーミル
なるものを買ってしまった。粒度が均一で微粉が出にくいと定評があり、究極のコーヒーミルとかコーヒーミルの最高峰とか、そんな言われ方をするやつだ。
手挽きのミルなのに4万円前後もする。一般的な手挽きミルの10倍以上だ。それだけ出したら、定評ある小型業務用電動ミルが買えてしまう。さすがにどうよと思った。高いモノは、たいがい、高いだけのことはあるのだけれど、その違いが自分の価値観にとってどうかという問題があるからだ。でも、コーヒーは毎日何倍も飲むほど好きだし、微粉を取り除くとおいしくなるっていうのはよく言われることだしで(←知ってはいるけど無精でそこまでやっていない)、今回、ついに手を出してしまった。
日本の通販サイトで買ったのだが(アマゾンにもあるがめっちゃ高かった。1万くらい高かったかな)、発送元はドイツ。待つこと2週間で到着した。
■COMANDANTE(American Cherry)
ここしばらくいろいろ試してみているのだが……結論としては、さっさと買えばよかった、である。
いや、ね、実は、粒度がどうこうって、そんなに言うほどかと思っていたのだけれど、それは単に、ミルの性能が悪くて粒度を調整しても、実質、ちゃんと調整されてなかったからだというのを痛感した次第で。
■梱包状態など
さすがはドイツと言うべきか。無骨。
説明書も言葉のみ(ドイツ語と英語)でわかりづらい。私は大学院がアメリカだったし、いまの仕事も仕事なので英語に苦労はしないのだが、どうすれば粒度が調整できるのかわからない。できる、簡単だ、どこそこを指で回せと書いてあるし、その英語は理解できるのだが、実物を触っても、回らないところとするする抵抗なく回ってしまうところしかなくて、調整できる感じがしないのだ。
■粉受けのカップを外し、本体をひっくり返して……
■底面のここを左に回せば粗く右に回せば細かくなる、はずなのだが……
しかたがないのでネットで調べてみたら、調整方法はもちろん、粒度が実際にどのくらいになるのかなど、詳しく書いてくれている人がいた(粒度ごとの写真もある)。
いや、まあ、実は、ここも説明不足というか、ここに書かれているところは回してみたんだけど、くるくる空転するだけだったのよね。ポイントは、ハンドルを取り付け、ハンドルで回転軸が回らないようにして調整ノブを回す、だったのだ(^^;)
ともかく、めいっぱい締め込んだところから何クリック戻すかで粒度を調整する、と。このサイトによると、調整幅は4~52クリック、ハンドドリップなら18~36クリックくらいとのこと。
ハンドドリップ用 18クリック~36クリック
18~26クリックまでが中細挽き。28~36クリックまでが中挽き。
この粒度帯はハンドドリップに適しており、粒度の揃い方も非常に均一である。
豆の細胞が硬めで成分が出ずらい浅煎りの豆は中挽きより少し細かい中細挽きで挽くことで、そのコーヒーのポテンシャルを引き出すことができる。
私が最近買っている豆は焙煎深めなので、少し粗めだろうということで、30クリックからスタートし、34、32、31も試してみた。これだけで味が大きく変化する。
お湯の温度も、いままで基本にしていた93℃のほか、91℃、89℃ともう少し低めも。これまた味がはっきり変わる。昔、いろいろやってみたときは、あんまり変わらないなぁってことで、ハリオ推奨の93℃でいいやってなったのに(ハリオのV60パワーケトル・ヴォーノだと、93℃が一番手間がかからない)。
まだ詰め切れていないが、最終的には、焙煎深めのわりには粒度細かめ、お湯の温度低めが好みに合うんじゃないかと思っている。
使い勝手は悪くない。
豆は、ハンドルを外して上から入れる。本体が細めで、ざらっと入れるとこぼれがちなのだけはマイナスかな。
■豆を入れたところ
こんな感じでめいっぱい入れると、35gくらい入る。ただし、下の受けが小さいので、一度に挽くのは30gが限界かなぁ。
ハンドルは軽く回るし、回す回数も20gで80~90回と多くない。HARIOのMSCS-2Bはそこそこ力もいる上、20gで200回近く回さなきゃいけなくて、40gも挽くときは途中で休憩が必要なほどだったけど、COMANDANTEならさらりと挽き終えられる。細身で置き場を取らないのも、我が家的にはポイントが高い。
音も小さい。いままでは、コーヒー挽き始めると嫁さんがテレビの音量上げたりしていたし、こちらはこちらで、話しかけられてもまともに聞こえないという状態だった。COMANDANTEなら音量調節は不要だし、コーヒー挽きながら話もできる。そのくらい違う。
木製の見た目なのも好み。めっちゃ高いって以外に欠点は見当たらないかも。
もう、ね、ほかのコーヒーミルには戻れない。無理。
色は、今回買った白っぽいAmerican Cherryより黒っぽいWengeのほうが好みだし、自宅の内装にも合う。なので、ときどき探してみて、どこかで買えたらWengeを買い、そちらを自宅用、いまのAmerican Cherryは色が合う山側に置くことにしたいとまで思っている。
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