体重コントロール――基礎編
スマートコーチングの仲間で、このところ、体重コントロールが話題になっている。いい機会なので、あれこれ、自分なりの考えをまとめて書いておきたい。
「ZWIFTミツバチミートアップ」にも書いたが、自転車でレースをするなら体重コントロールは大事だ。もちろん、たかが趣味なので、そこまでするよりおいしいもの食べたいとか、それはそれでアリなんだけど、速く走れるようになりたいとトレーニングを積むなら、その一環に体重コントロールがあると言っても過言ではない。
「体重コントロール」と書いたが、私の場合、体重は結果という位置づけで、正確には「体脂肪率コントロール」をしている。具体的には、シーズン中8%、シーズンオフ12%くらいが目標だ。(男性だからこの数字なのであって、女性は、ここまで体脂肪率を落とすと病院送りになりかねないのでご注意を。念のため)
体脂肪率がシーズン中の目標値、8%になると、いまは、たぶん、62kg強になる。4年くらい前は65kg前後だった。これが減った理由はわからない。同じ体組織計で計っているので測定方法が変わって体脂肪率がずれたとかではない。ふつうに考えたら、筋肉が落ちた、のはずなのだが、出力が大きく落ちたということもない。自転車に使わない筋肉が落ちたのかなぁ。
余談ながら……体脂肪率の目安は、シーズン中もなにかあったときの痩せ代を残せ、そのためにも8%が下限と嫁さんに言われているので8%、冬場はかぜを引かないように二桁に戻せと言われているので12%としていたりする(^^;) ヒルクラメインで5%くらいまで絞ってる人も身近にいたりして、男性ならそのくらいまで行けるはずなのは知っているが、そこまでするのは心身ともに大変だっていうのもある。
ああそうだ。自転車に乗り始めたときは、体重が70キロ台後半で、80キロも夢じゃない(^^;)という感じだった。腹がつかえて息ができなくなるので、靴ひもは、片足結んだらいったん体を伸ばして呼吸しないと倒れそうってくらいで。そして自転車にはまり、週1kgペースで10週間、10kg減り、その後も緩やかに減って、60キロ台前半に突入。あとは、トレーニングで筋肉が増えて重くなったり、最近のようになぜか軽くなったりして、いまにいたる、である。
■体組織計
体組織計はあったほうがいい。というか、私は、体組織計に頼って体脂肪率コントロールをしている。
体組織計に表示される体脂肪率は正しいとか正しくないとか、世間的にいろいろ言われているようだが、そのあたりは気にしない。毎日、同じような状態で測定し、変化の大きな流れを見ていく分には、絶対値が多少狂っていようがあんまり気にする必要はないからだ。
私は、朝、着替えるときに計っている。測定方法の関係から体表面が濡れていると測定値が大きく変動するので、風呂上がりとかは避けた方がいいだろう。
メーカーも機種もあんまり気にすることはないかと。乗るだけのものじゃなくて、ハンドルもついてるタイプのほうがいいとは思うけど。
ちなみに、ウチにあるのは、(↓)の旧型、タニタのRD-800。
■計測結果がグラフで確認できる
日々の測定値はいろんな要因で乱高下するので、データを週単位くらいで見るのが大事だ。コロナの感染者数と同じで、上下に揺れている幅がなんとなく下がりつつあるか、上がりつつあるか、横ばいかを見る、と言ってもいいだろう。パソコンに取り込んで移動平均線を出せばそれが一番だが、無精な私はやっていない。
ああそうだ。上のグラフを見ればわかるのだが、こないだの年末年始は、瞬間風速で68kg、14%強くらいまで行ってしまった。昨年コロナであれこれみ~んな中止になってもがんばっていたんだけど、おきなわ中止の発表でさすがに心が折れ、そこから体重も体脂肪率も順調に増えてしまった結果である(^^;)
年明けは、一応、ニセコがあるという前提で体重コントロールを始めてがんばっている。
■体重コントロールの基本方針
バランスのいい食事をちゃんと食べて絞る。我々の体は、食べた物でできているのだから。
楽しみのために食べたり飲んだりするものは、優先順位が低いものは減らすが、ビールなど、譲れないものは減らさない(^^;)
飲み物は、基本的に糖分なしの甘くないものにする(甘い飲み物、おいしいとは思うけど、私にとって優先順位が低い)。具体的にはブラックコーヒーが多い(←そもそも好きなのだ)。紅茶・日本茶・中国茶もそれなりに飲むが、こちらも砂糖は入れない(これも、砂糖入れないほうが好み)。ペットボトルも爽健美茶とか十六茶とかが基本(これはちょ~っと残念。紅茶花伝とか微糖のラテとか好きなのよね)。コーラとかも実は好きだったりするが、こちらは自転車で走りに出たときに限定している。
それ以外、細かなところはけっこう適当。いや、そういうところもきっちりやればそれが一番だけど、性格的に、きっちりやるのは無理なもので。空いたお腹をごまかすおやつも、新城さんは「お菓子とか食べず、ナッツなど(良質の油)、フルーツ(リンゴ、ぶどうなど。バナナは避ける)」と言われていた。私も、なるべくそっち寄りにはしているけど、クッキーとかチョコとかをかじることも少なくない。
■糖質オフについて
最近話題の糖質オフについても触れておこう。
糖質を減らすとダイエットしやすいと言われる。理由はいくつかあるらしい。
ひとつは、摂取カロリーを減らしやすいから。おかず同じでご飯を減らせば、その分、カロリーが減るわけで。
ふたつめは、いわゆる血糖値スパイクとインスリンの分泌。糖質をたくさん食べると血糖値が急上昇し、インスリンが分泌されて血糖→脂肪の変換が進み、血糖値が急落、お腹が空いたと感じてなにか食べたくなるサイクルが生まれやすいという話もあり、このサイクルに入らない、入りにくいという意味でも、摂取カロリーが減りやすい。
みっつめは、インスリンが出ると、血糖→脂肪の変換が進むだけでなく、脂肪分解が抑制される、脂肪を代謝する回路の働きが弱くなるという話があるらしく。エンデュランススポーツである自転車は、脂肪の代謝回路が使えればスタミナにつながると言われてて、そういう意味でも、このあたりは避けたいところだ。
じゃあ、低糖質を徹底するのがいいのかというと、自転車の場合、そうでもない。トレーニング時には糖質が必要になるので、低糖質を徹底的に追求すると、トレーニング強度を上げられなくなるおそれがある。
というわけで、私自身は、糖質を取りすぎない、というくらいにしている。まあ、いま、糖質取りすぎな人は、2~3カ月、できるかぎり低糖質にしてみると、脂肪代謝回路が回復するなど体質が変わる可能性もあるのでいいかもしれない。
ああ、あと、この関係で、糖質より先に野菜などを食べるほうが太らないとか最近よく言われてるが、これは守ったほうがいい。食べる順番が違っても摂取カロリーは変わらんじゃんって言われればそのとおりなのだが、順番が違うと食後に血糖値がどのくらい急激に上がるのかが違い、その影響で、あとあと、お腹の空き具合が変わってくるからだ。先に糖質を食べると血糖値ががつんと上がり、インシュリンが出て糖類を脂肪に固定。結果、血糖値ががっくり下がって空腹を覚え、つい、なにか食べてしまう。この「なにか食べてしまう」分だけ摂取カロリーが増えるわけだ。
■体重を減らす方法
体脂肪率コントロールとか体重コントロールとか、ダイエットとか、言い方はいろいろあるが、やることは一緒。「摂取カロリー<消費カロリー」の状態にしばらく保つ、だ。消費カロリーは、年齢・体格、ふだんの生活様式、トレーニング量でほぼ決まっていて変わらない。また、特にコントロールしていないとき、体重は、摂取カロリー=消費カロリーとなってバランスしているはず。
となれば、やることはひとつ。摂取カロリーを減らす、である。
■カロリーの目安
基本として、まずは、どのくらいのカロリーが必要なのかを押さえておくといいだろう。
「1日に必要なカロリー」@日本医師
私なら、50-69歳、体重65kg前後なので、基礎代謝が1400kcalくらい、身体活動レベルはIの低いで(なにせ通勤なしの座りっぱなし^^;)1.5倍、つまり、ふつうなら、1400kcal×1.5=1日2100kcalという計算になる。実際には、体脂肪率が10%前後と異様に低い分、筋肉が多く、代謝が多いはずで、えいやっと、2300kcal近くは必要なんじゃないだろうか。
ここに、自転車トレーニングで消費するカロリーがある。平日1時間強のトレーニングだと、強度にもよるが、700kcalくらいのようだ。(ロングライドで2000~3000kcal消費することもあるが、そちらは別に考えるべきだろう)
合計すると……3000kcal前後、かな。
対する食事側のカロリーだが……ファミレスとかのカロリー表示を見ると、1食1000kcalというのはけっこうがっつりしたヤツだったりする。朝昼はよっぽどがっつり食べなければ1000kcalを下回るはずなので、晩飯は、がっつり1500kcal前後くらい食べて、1日の収支がバランスするくらいなんじゃないだろうか。
ちなみに、脂肪1gを消費するには、7.2kcalが必要。1カ月で1kg、脂肪を減らしたいなら、平均で1日33g減らさなきゃいけないので、1日に33g×7.2kcal/g=240kcal、カロリー収支をマイナスにすればいい計算だ。私の場合なら摂取を2800kcal弱に抑えるということ。
ちなみに、240kcalは、「どら焼き1個」、「発泡酒ロング缶(500ml)1缶」、生ビールなら「中ジョッキ1.2杯」くらいだそうだ。
参考サイト:「カロリーとは」@タニタ
このくらいなら、ちょっと気をつければなんとかなるはずだ。お腹が空いてつらい思いをすることも少ない。
この2倍、500kcal減らそうとすると、朝飯分くらい減らすことになり、いろいろと大変。食間にお腹が空いてしまうので、なにか食べてお腹をごまかすことになるし(食事は抜くより回数を増やしたほうが、楽に総カロリーを落とせる)、ということは、3食は500kcal+おやつ分を減らさなければならなくなる。正直、けっこうつらいことになる。
■余談
こういう数字をもとにいろいろ考えてみるとおもしろい。
たとえば暴飲暴食。なにかイベントだったり、それこそ減量でいらついて爆発したりして、夜、腹一杯食べちゃったとしよう。翌朝、体重が1kgとか下手すればもっと増えていたりする。やっちゃった……と落ち込むかもしれないが、そんなに心配することはない。そのあとふつうの食生活に戻り、3日もすればほぼ元に戻るからだ。
なぜか。
腹一杯食べたとはいえ、ふだん、夕食が1000~1500kcalなら、その倍、2000~3000kcalがいいところだろう。つまり、余分に取ったカロリーがすべて脂肪になったとして、140~210gしか増えないわけだ。翌朝の体重ががんと増えるのは、固形の成分がお腹に残っていたりするからだろう(水分の問題もありそう)。
というわけで、2~3日もすればほぼ元に戻る(理由は……以下略^^;)。たまさかなら、ハメを外しても大きな問題にならないと言ってもいい。くり返すのはアウトだし、減量5日分前後は戻っちゃうのでやらないですむならそれにこしたことはないのだけれど。
ラーメンは好きな人が多いが、ダイエットにはよくないと言われる。でも、ラーメンそのもののカロリーは500~800kcal。カロリー的な面からは、昼とか夜とかにラーメンを組み入れることは十分に可能と思われる。どうしても糖質が多く、血糖値スパイクが起きやすいなどのデメリットがあるので、しょっちゅう食べるのは避けたほうがいいかもしれないが。
■参考サイト
「筋量を維持しながら脂肪を削るためのヒント」@南部コーチのブログ
覚えておくべきポイントは「除脂肪組織を維持しながら脂肪を減らすには1週間で体重の1%が限界」、さらには、「無理なくこなすにはこれの半分程度を目安にすると良い」かな。月に引き直すと……月4%が限界、2%なら無理なくこなせる、だ。
体重65kg前後の私なら、月1.3kgくらいまでなら無理なくこなせる、月2.6kgくらいまでならギリ可能。例年、月1kg前後のペースなら、あまりきつい思いもせず、けっこうちゃらんぽらんなやり方でもできているのだけれど、その体感ともよく合う話である。
■まとめ
無理なく落とせるスピードで体重(体脂肪)を落とすためには、1日240kcal前後、摂取カロリーを減らせばいい。1日に食べる量を、1割弱、減らす計算だ。
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