全日本フィギュアスケート2020観戦-二日目(リズムダンス・男子フリー)
ダンス、5組出場というのはかなり多いよな。ただ、二組は実力がいまいち。いや、まあ、あのステップをひととおり滑れるってだけでかなりうまいとは言えるんだけど、でも、こなすのがやっとで余裕がなく、細かなところへの配慮もできてないし、まだダンスになってないって感じ。
NHK杯にも出ていた上位3組は、いずれも、NHK杯よりずっとよかったと思う。特に村元哉中・髙橋大輔組。NHK杯のリズムダンス、スタート直後は悪くなかったのに後半はぼろんぼろんだったが、この1カ月で後半もしっかり練習してきたらしく、最後まで、いい感じで滑っていた。NHK杯とは別人ってくらいうまくなってる。
それにしても……高橋くんのダンス転向、シングルの自信や自負が変な方向に作用するとダンスにならないかもと、正直、どうなることかと思っていたのだけれど、今後が楽しみって感じだ。
1位の小松原美里・小松原尊組はさすが。男性がちょっとつまづいてヒヤッとする場面もあったけど、全体的に圧倒的。このくらい滑ってくれると、ダンスとして楽しめていいのよね~。
男子フリーは……はい、羽生くんが圧倒的でした。宇野くんもすごくよかったんだけど、あそこまでやられちゃ勝てないわ。
今回、途中から気になって見ていたのが、無駄足。ジャンプ前を中心に、音楽とも関係なく、ウエイトがきちんとエッジに乗ることもなく、なんとなく左右を踏み換えて滑る、人によっては、そのときは手もぶらぶらしているっていうのがあっちこっちにあるのだ。コンテンツとなるステップとかでは、どう滑るのかも考えて作られているし、手や体の振りも決めてある。それが決まってなくて、なんとなく滑っちゃってるって感じのところで(選手の頭の中は、次に飛ぶジャンプのことでいっぱいになってるはず)、私は、無駄足って呼んでいる。これがあると、プログラムで練習風景を見せられてもなぁって思ってしまう。
下のほうは、力不足で、かなり構えないとジャンプが飛べなかったりするから、まあ、しかたない。でも、上位になっても、そこは変わらない。だから、テンポのいい音楽でもゆったりした音楽でも同じテンポで体をなんとなく揺らしてジャンプに入っていく。要するに、そこまで考えて滑る人がいないってことだろう。
この無駄足がほぼなかったのは、最後の3人、つまり、宇野昌磨くん、鍵山優真くん、羽生結弦くんだけ。
宇野くんは、音楽とぴったり合っているとは言いがたい動きが少しあったけど、でも、左右のエッジにしっかり乗っているし、足数をちゃんと減らして必要最小限にしてきたんだなって動きばかりだった。やっぱり、ほかの選手とは格が違う。
鍵山くんもそんな感じ。カーブが単なるクロスになっているところ、しかも、一歩一歩の力強さが不足していて足数で加速しようとしているところがけっこうあったのが気になるっちゃ気になるけど、そこは、まだ力不足ということなのだろう。できるかぎりのことはしているのがよくわかるプログラムで、今後が楽しみだ。
羽生くんは……圧倒的。エッジも宇野くんよりさらにディープだし。いわゆるつなぎ部分も、コンテンツのステップと同じように考えて決めてあるんだなって動きだし。最初から最後までがステップっていうか。音楽も、特徴的な音はもちろん、緩急などもしっかり捉えていて、見ていて鳥肌がたちそうなほどだった。ところどころ、鋭い動きからぴしっと止まるところがあって、そのアクセントも強烈。トリプルアクセス~ハーフループ~トリプルサルコウだったと思うけど、コンビネーションの直後に入った止めなんて、その動きに引きずられ、拍手していた手が止まってしまったほど。最後は、え、もうおしまい?って思うほどで、演技時間もすごく短く感じた。
いや~、いいもの見せてもらった~。
演技後は会場総立ち。私、めったに立たないんだど、これはさすがに。
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