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2019年2月28日 (木)

補聴器の買い換え

私は耳が悪く、もう15年くらい前から補聴器を使っている。障害者手帳が出るほどではないのだけれど、人と話をしているとき聞こえづらいとか、特にたくさんで話をしていると両隣の人は話がわかっているらしいのに私には聞き取れないとかがあって。まあ、補聴器ってつけたらクリアに健聴者と同じだけ聞こえるようになるわけじゃないので、いま、補聴器を使っていても、両隣の人は話がわかっているらしいのに私には聞き取れないって珍しくないんだけど。

「難聴について」←耳が悪い人はどんな感じに聞こえるのか、イメージとしてわかりやすいと思う

それはともかく。

いま使っているのはもう丸8年になるので、そろそろ買い換えを考えた方がいい(一般に、5年くらいで買い換えが多いらしい)。というわけで、いろいろと試してみることにした。

最初に買ったのは、2003年でWIDEXセンソ(1995年発売)。私の聴力は声の中心となる中音域がへこんでいるという変わったタイプで、昔のアナログ式補聴器は使えなかった(中音域を増幅すると、低音か高音が大きくなりすぎる)。センソはフルデジタルでバンドごとに増幅度が変えられるので、中音域のみ増強するといったことが可能だと知って購入した次第。

その後、2010年に同じくWIDEXのCLEAR 440(2009年発売)に買い換えている。

■WIDEXのCLEAR 440(2009年発売)

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実は特にWIDEXがいいと思って買ったわけではなく、大手メーカーならどれも性能は似たり寄ったりだろうということで、近くの専門店で2週間、無料貸し出ししてくれるところがあったWIDEXを試した上で買い、そこがWIDEX専門店だったので、買い換えもそのままWIDEXにしてしまったというだけだったりする。

ちなみに、1個目は耳穴型。つまり、耳の中に本体が入るタイプ。試聴ではCICという耳の奥深くに入って外からまったく見えないタイプを作って貸してもらったのだが、これはダメだった。私は耳が動くのだが(たまにいる)、CICは耳奥の軟骨部分に半分くらい入るので、耳を動かしてしまうとすごく痛いのだ。

2010年の買い換えでは、耳かけ型に。耳穴でもよかったのだが、違うタイプを試してみたかったので。

耳穴型と耳かけ型、どちらがいいかは……微妙、かなぁ。耳穴型は閉塞感を覚えたりしてだめな人がいるらしいが、私は特に気にならない。っていうか、慣れた。ただ、耳穴型は、痩せたり太ったりなどで耳穴の形が変わるとフィッティングが変わってしまう。そういうとき、耳かけ型なら先端で調整が利くので便利だ。便利なのだが、ふだん、使っていても耳に入れるスピーカー部分が深くなったり浅くなったりずれやすい。気づくと半分くらい外れていることもある。そういう意味では、スピーカー位置が動かない耳穴型のほうがいいのかな。

さて。今回の試聴。

今回は、しばらく前にオーティコンのOpn(オープン)がすごくいいらしいと知り合いから聞いていたので、WIDEXの新製品に加えて、そちらも試してみることにした。

あと、風切り音がほとんどしないというリサウンドの外マイク(MIH)タイプのもの。本体とマイクが分離していて、マイクは耳のひだに収めるというちょっと変わった形をしている。ふつうの補聴器で自転車に乗るとゴーゴーすさまじい風切り音がして、ほかの音が聞こえずうるさいだけなので、ロードバイクに乗るときは、いつも外していた。自転車に乗っているときも付けていて効果があるなら、そのほうが安全などいろいろな面でいいはずだ。

というわけで、今回試したのは以下の機種。

■WIDEX EVOKE E4-F2(2018年発売)

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■オーティコンOpn 1(2016年発売、かな)

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■リサウンド リンクス3D 9(2017年発売、かな)

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リサウンド以外は最新製品の最上位機種。リサウンドの最新製品はクアトロ(2018年発売)なんだけど、これはMIHタイプの設定がないので。(MIHタイプは今後やめるということではなく、リサウンドは時々、こういうことをするらしい)

■聞き比べた結果

WIDEXはわりと自然な音に感じる。言葉の聞き分けはWIDEXよりOpnが格段にやりやすい。ただし、かなりキンキンした音になる。金属的というか人工的というか。リサウンドはOpnに近い感じ、かな。聞き分けはOpnに少し及ばないように思う。音質的には、同じくキンキン系。

私の場合、ひとりでいるなら、音楽とかは大きめにかければすむし、電話も大きく鳴る設定にしておけばなんとかなるので、補聴器は、人と話をするときのために付けているようなもの。そういう意味では、音質より聞き分けを重視したい。というわけで、WIDEXは候補から外すことに。リサウンドのMIHタイプが自転車に乗っているときも使えるならコレに、それが難しいようなら、Opnか、あるいは、シグニアの製品かというところか。

ちなみに、シグニアの製品は試していないのだが、居酒屋での会話など、騒音下の聞き取りを得意としていて、軽度難聴者がシグニア補聴器を使うと「うるさい場所では耳のいい人以上によく聞こえる」という研究結果があるほどだそうだ。それは、私のような理由で補聴器を使っている人間にとってはすごい魅力。

ただ、今回は、自転車優先だろう。使えるシーンが一気に広がるわけだし。安全には投資しておくべきだと思うし。両方買って使い分ければそれが一番だが、あれもこれも気軽に買えるほど安い買い物じゃないし。グレードにもよるけど、シグニアの最新製品の最上位機種なんて、両耳120万くらいもするほどで。

リサウンドは、最初、耳かけのものを借り、続いて、MIHタイプを作ってもらって試用した。MIHタイプは耳かけより自然な感じになる。耳穴をふさぐ形になるので低音がしっかりするからだろう。

リサウンドのリンクス3D MIHは、たしかに、風切り音がほとんどしない。

ただ、最初に作ってもらったものは、普段はいいのに、自転車に乗っているときには右側が外れやすくて往生した。はめて1分ともたず外れる感じなのだ。で、外れるとゴーゴー、風切り音がうるさいことうるさいこと。マイクがぴろんと外に外れているわけで、当たり前だ。

そのあたりなんとかならないかと販売店に相談したところ、右だけ作り直してもらうことに。戻ってきたものを見ると、マイクラインが少し長くなるとともに、伸びている向きも少し内側になっていた。

試してみると……外れない。これなら自転車に乗ってるあいだも補聴器が使える。というわけで、リサウンドのリンクス3D MIHに決定。

ちなみに音については、人間、慣れるものというのを実感した。オーティコンOpnを2週間試聴したときは、WIDEXが自然でオーティコンはキンキンと感じていたのだが、その後、2カ月ほどもリサウンドのリンクス3Dを使っていたら、逆に、こちらが自然でWIDEXはこもると感じるようになった。慣れというのはすごいものだ。

あと、そうやって慣れていく過程で特になにか感じることなどなかったのが、やっぱりなという感じ。自分の感覚は変わっていないと思っていたのに、2カ月たったら、その間、なにも変化していないように思うのに、元々自然だと感じていたものに違和感を覚え、もともと違和感を覚えていたものが自然だと感じられるようになっているわけで。仕事の関係でよくしてきた、人間の感覚なんてそんなもんという話が、別件でだけど実証された形だ。

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