やっちまった
トレーニング中に、左脇道から右折で目の前に飛び出され、軽トラの正面に激突。(この記事は、後日書いたものをタイムマシンでさかのぼる形で投稿してます)
現場は長野県川上村中心部に向けたメインの道路(センターラインのある2車線道路)でゆるい下り。足は止めていたけど、あのあたりなら、おそらく、時速40km近いスピードだったはず。左の脇道から軽トラ接近。メインの道路に向けて軽い上りになるのもあって減速していたので、そのまま止まるんだろうなと思ったら、メインの道路に到達するあたり、最後の最後、ブレーキをもうひと踏みしたら止まるというくらいから逆に加速して飛びだしてきた(右折して対向車線へ)。すぐ目の前で、衝突は不可避のタイミング。
■事故現場(グーグルストリートビューより)
左側、ガードレールが切れているところに脇道が出てきているのが見える。そこを走ってきた軽トラが目の前に飛び出してきたわけだ。
■軽トラが出てきた道(グーグルストリートビューより)
軽トラのピラー部分はかたそうなんでぶつかりたくない。右側面は、そのまま左ガードレールと挟まれ、大変なことになりそう。正面に体側面でぶつかるのがまだしもだろうと判断し、とっさにブレーキをかけつつセンターライン寄りに(ブレーキをかけた記憶はないが、警察によるとブラックマークが残っていたそうだ)。直後、ほとんど減速しないまま(減速できるだけの時間的余裕がなかった)、左側面全体が軽トラ正面にぶつかった。軽トラは左から出てきて右折していたので、正面衝突に近かったと思う。
こちらは時速40km近い(ちなみに、この道路の制限時速は40km)、相手はアクセルを踏んで飛び出してきたところなので、ざっくり時速20kmというところか。というわけで、相対速度60kmの正面衝突に近かったはずだ。
激突。ものすごい衝撃だった。
ぶつかる瞬間までは目を開いていたし、そのあとも、自転車が宙を飛んでいくのが見えたのは覚えているが、体がどういうふうに動いて道に倒れたのかは記憶がない。気づくと、右を下にして対向車線に倒れていた。
痛い。とにかく痛い。なんかわからないけど、痛い。大丈夫ですかと言われても、出るのはうめき声ばかりで返事をする気にならないくらい痛い。「ぜんぜん見えなかった」という声も聞こえる。たぶん、軽トラを運転していた人だろう。こっちからは、脇道を走ってくる軽トラのタイヤハウスくらいまで見えていたので、向こうからも、こちらの上体くらいは見えていたはずだし、こちらはフロントライトもつけてたんだけど、ね。「車は来てない」くらいの見方しかしていなかったんだろう。
うめきつつ、セルフチェック開始。痛いのは、両足と左腕、特に左足。右腕は基本的に無事。頭、首、胴体にも痛みは感じない。おそらく、意識が飛んだ瞬間もあんまりない。死ぬようなケガではなさそうだ。
人の声が増える。何人か集まってきたようだ。
「救急車呼びますか?」「……お願いします……」
「道に倒れたままじゃまずいよな。端に寄せるか?」という声とともに足元に手をかけた人がいる。「触らないでください。動かすとすごく痛みそうです」とやめてもらう。
「だれか連絡すべき相手はいますか?」「嫁さんには連絡しないとまずいでしょうね」「番号は?」「携帯に」と言うと、対向車線側の畑のほうに行く人がいる。そっちに自転車が飛んでいるのだろう。「携帯は背中のポケットに入ってます」「携帯、左手に持たせてください」、嫁さんの電話番号を出して、あとは声をかけてくれた女性に任せる(事故った人の母親だったらしい)。
そうこうしているうちに救急車到着。名前や生年月日などを尋ねられる。人物の特定という意味もあるのだろうし、頭が正常に働いているかどうかの確認も兼ねているのだろう。頭は痛くないか、気持ち悪くないかといった質問も何度も。頭と首は大丈夫そうだけど念のためと首にコルセットをつけ、ストレッチャーに。体を仰向けにして左足を伸ばすと、痛みでうめき声が出る。
「このあたりでかかったことのある病院はありますか」「佐久総合の小海分院なら、何年か前にインフルエンザでかかってます」「じゃ、小海分院に聞いてみましょう」
小海分院が受け入れOKとのことで、救急車が走り出す。揺れると響いて痛い。左右に曲がると体が左右に振られ、これまた痛い。特に左側に振られるとすごく痛い。右手は無事なので、ストレッチャーを右手で握り、左に振られないようにする。
小海分院について、病院のストレッチャーに移されるところがまた痛い。
そのあとは、救急隊と同じようにあれこれ質問攻め。頭が逝ってないかの確認だろう。「今日は何日ですか」「何日……え~、何日かあんまり気にしてないんでよくわからないんですが、木曜日ですよね?」「……(^^;)」なんて会話も。
痛いのは手足なのだが、医者があれこれするのは頭、首、胴体関係ばっかり。このあたりがやられてると命にかかわるから、だろう。手足は、最悪、切り落としたって命に別状ないはずなんだから。あれこれ尋ねられたり、少し押したり動かしたりして痛むところがないかを確認。特に頭と首はくり返し。
しばらくして、ようやく、頭と首は大丈夫そうだねってことで首のコルセットが外された。
そのあと、レントゲン、CT、超音波、尿検査などなど。一つひとつがとにかく大変。じっとしていても痛いし、動かしたら叫びそうなくらい痛いのだから。
2時間くらいで暫定的な診断が出た。
- 骨盤骨折
- 骨盤を通って左太ももに通じている神経の損傷が疑われる
- 打撲・擦過傷
骨盤骨折と聞くとおそろしいが、今回は、左の端っこがぺきっと行っただけなので、押さえたりしなければ痛まないし、治療も特に不要。無理せず治るのを待て、と。
体感的に一番悪いのは左足なわけだが、左足がすごく痛むのは神経が骨盤部で痛んでいるからかも、とのこと。打撲もかなりあるし。擦過傷がかなりあると言われたが、自転車でこけたにしては少ない。ほぼ正面衝突で、スピードは衝突に吸収され、道路にはばったり倒れた感じだったのだろう。
この診断が出るあたりで、左腕と右足の痛みが急速に引いていった。どこかぶつけたりしたとき、ちょっと待つと痛みがす~っと引くが、そこまで2~3時間かかったって感じか。
顔の横に食いこんでいたガラス(軽トラのフロントガラスらしい)を取りのぞくなど、ようやく外傷の手当が始まる。(そんなんより命にかかわるものがないかの確認が大事ってくらいだったってことなんだと思う)
テキストメッセージならいいと言われたので、携帯を渡してもらい、お世話係に状況を連絡。
事故の激しさからすれば驚くほど軽傷だったと言える。とは言え、左足はいまだに激しく痛むし、自分の力ではまったく動かせない。念のため、病院に1泊することになった。
警察と事故相手の家族とが来ているとのことで、個室で順番に会うことに。
警察には私が記憶している事故の状況を話した。警察からは、このあとどういう処理になるかという話があった。その一環として、ある程度以上の事故は広報に回さなければいけなくて、これは広報案件になる、ただ、報道されるかどうかは報道機関側が決めること、意外に軽傷なのでこのくらいなら報道される可能性は低いと思うという話もあった。
事故相手は農家で、お昼を家で食べた長男が畑に戻ろうとしていたところらしい。この日、来たのは運転していた長男とお父さん。長男は30歳前後か(子どもが4人いて、末の子が大学生ということなので)。軽トラには自賠責のみで任意保険がかかっていないと聞いたときは一瞬青くなったが、一応、治療費や自転車の新調費用などはすべてこちらで負担しますという話だった。ロードバイクの場合、値段を聞いてびっくりというのが普通なのだが、「かなりいじってますよね」「基本カーボンなので使える部品は少なそうですね」などなにやら詳しい感じ。話を聞いてみると、長男が昔スピードスケートをしていて夏場のトレーニングにロードバイクを使っていたとのこと。なので、このくらいしますが……という話をしても、ああ、やっぱりという反応だった。痛い思いとか不便とか、自転車復活できるのかを含め将来的にもしかすると後遺症があるかもとか、心配なことはいろいろとあるが、物損からなにから、あれもこれも対決姿勢で臨まないといけないという話にはならずにすみそうだ。
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