スーパーグランフォンド軽井沢2018―当日
朝、すっきり目覚めた。外がほんのり明るいようだ。ということはそろそろ起床かなぁと時計を確認すると、目覚ましの10分前。二度寝する時間はないので起きて準備にかかる。
天気予報を確認すると……あらら、9時から雨かい。数日前は夜から雨、昨日はそれが3時くらいからになり、12時くらいからになりとだんだん早くなっていて、急いで帰ってきても最後は降られるかもねと言っていたら、なんと、朝から雨。これはもう、雨は確実とあきらめるしかない。12時くらいからは強く降る予報でもある。最後は土砂降りかも、だ。予想気温もがっくり下がった。通過点の最高標高は地蔵峠の1732m。このあたりで降られるとかなり寒いことが予想される。
というわけで、前日用意したものと少し変え、厚地のアンダーに夏用ジャージ上下(上はアンバサダージャージ、下はパールイズミの黒)、冬用のアームカバーにフルのレッグカバー、フルのシューズカバーという格好にする。雨用のグローブを持ってこなかったのが悔やまれる。
補給も持参ということでダブルボトル。工具類も最低限は持つ。ただし、鍵は持たない、CO2ボンベは1本のみ、千枚通しも持たないと少しでも軽量化。
■SGF軽井沢の走行コース
会場に着くと、もうそろそろ出るとのこと。う、最後にトイレと思っていたのだが……と、スーパーチャレンジが先に出るので、トイレくらい大丈夫とのこと。
■スタート前のアンバサダーとスーパーチャレンジの人たち
手前にいるブルーのジャージがアンバサダー、その向こうにいるオレンジのジャージ(デザインは一緒)がアンバサダーと同じコースを走るスーパーチャレンジの人たちだ。スーパーチャレンジは10人弱らしい。
急いでトイレに向かうと、デスライドでご一緒した方にばったり会ったので、よっ!っと手を挙げてあいさつするも不審顔。1~2秒後、ああ、という顔に。そらそうだ。いつものオレンジジャージとまるで違う格好だもんね。
■デスライドでご一緒した人が撮ってくれたスタート前の私
5時46分スタート。中川さんを先頭に走りはじめる。しんがりの佐藤さんに「速くない?」と言われたが、そのとおりで、アップなしというのに意外に速い。ゆっくり入るって話だったような気がするのだけれど……まあ、無理というほどでもないし、落としてくれと言わなくてもいいだろう。
白糸ハイランドウェイなどまだまだ先のところでスーパーチャレンジの人たちを抜く。
体が温まったころ、白糸ハイランドウェイ。ここに入るとペースが上がる。あっちこっち、すぐ400W台なのだ。そんなにハイペースにしなくてもと毎年思うのだが……今年はその理由に気づいた。みなさん、リアのスプロケットが小さいのだ。だから、出力上げてある程度のスピードで上らないとケイデンスが落ちすぎてかえって大変になってしまう。私は、フロントを52/36にした分ということで、リアを11-32Tにしてきたので、もっとゆっくり上っても大丈夫なわけなのだけれど(^^;)
それでも、今年は少しゆっくり気味の入りだった。劇坂をクリアしたあと、斜度が緩んだとき、あんまりペースを上げず、少し休憩が入るのだ(出力が200Wを切る時間が少しだけある)。これは助かる。限界いっぱいいっぱいでハイランドウェイをずっと走るのはきつい。ちょっとだけでも休憩があるとぜんぜん違うのだ。
■たぶん、白糸ハイランドウェイの上のほう
みなさんはまだ余裕の表情。最後尾の私はし・ん・け・ん。
■ちょい休憩ペース
■白糸の滝の茶屋
というわけで、いっぱいいっぱいではあるし、足に焼けるような感覚もあるけれど、これはだめかもとは思わず(去年は思った^^;)白糸ハイランドウェイをクリア。ここまで44分。白糸ハイランドウェイは33分間で上ったようだ。
そのまま下りへ。みなさん、速い!(あたりまえ)こういう踏んで行ける緩い下りは大好きだし得意なつもりだったのだが、一瞬出遅れ、気合を入れて踏み直す。
例年、中川さん先頭固定だが、今年は先頭交代が多少あっている。中川さんが直前肺炎だったとか、そのあたりを考慮してほかの人たちが先頭を分担しようとしているのだろう。というわけで、私もちょっとだけ引いたのだが……私が2番手のとき、頭は中川さん、しばらく後ろについて走り、そろそろさすがにと思って前にでかけるのだが、中川さんはちらっとこちらを見るのにペースを落とさない。これは自分が引くという意思表示だろうな。というわけで、いったん下がる。これを2~3回くり返したかな。そのあたりで私が前に出て、しばらくすると交代して……という形で、とにかく、いいペースで下る。
そして、私が先頭だったとき、道案内のスタッフから「左に曲がれ」の指示が……え、ここ曲がるの? まだまだ道なりじゃなかったの? と思ったときは曲がり角を過ぎていた。急ブレーキをかけたら追突事故になりかねない。左側になんかのお店の駐車場が広がっているので、その前にほうでは駐車場に入ってコースに戻りたいなと思いつつ、じわっと強めにブレーキをかける(なんじゃそれ)。すぐ後ろを走っていた方も、え?っと言いつつ、やはり、じわっと強めのブレーキなのだろう、私の横にじわじわ出てきつつ一緒に減速。と、「まっすぐ行ってください!」と中川さんの声が飛んできた。そっか、ここ、通常のグランフォンドコースが曲がるところなんだ。で、スタッフの人たちがまちがえた、と。
ある意味、一番事故になったかもという瞬間だった。冷や汗。
そのあとも緩い下りが続き、気持ちよく走る。まあ、下るということは、あとで上らなきゃいけないってことでもあるんだが。
道が平坦になったなと思って少しで八ツ場ふるさと館に到着。ここで小休止だ。42km、1時間23分。
■平坦部分を走行中
このあたり、山がとてもきれいに見える。気持ちいい。
ここから草津の上りに入るとのことで、レッグウォーマーは脱いでバックポケットに。アームウォーマーは手首にまとめたり伸ばしたり走りながらで調整できるのでそのまま。けっこう涼しいのだ。補給はマグオンとスポーツ羊羹。ボトルは1本ちょい残っているのでそのまま。
平坦に近い道を少し戻るような感じで走ったあと、草津に向けて上り始める。
■草津に向けて上っていく
ここまで白糸ハイランドウェイをほぼ全開で上り、下りも基本的に踏み続けてきているからか、足が重く余裕がない。私は基本的に5番手を走っているのだが(しんがりは一番余裕のある佐藤さん)、なんとなく離れかげんになることが増えていく。切れたらやばいので(切れて見えなくなったらがっくりペースダウンしそうだし道がわからなくなる……)必死で踏み直してついていくが……ついにがまんしきれなくなり、じりっじりっと離れ始める。
■耐えきれず遅れ始める私。余裕がなく頭が下がっている(--;)
佐藤さんから「もうちょい、少なくとも7割方は来ているはずなんだけど……」と声をかけていただくが、うなづくのがやっとという状態。汗がステムにしたたり落ちる。7割方だとすると、ここまでの半分くらい残ってる? とすると、こりゃ耐えきれないかも、切れちまうかなぁと思いつつ少し走ると、左折するとつまごいとの道路標識が。
もしかして、上り終わりか?
やはり、前の人たちはそこを左折していく。遅れは30mくらいか。といっても、スパートする余裕もなく、そのままよろよろと左折。下りで追いつかないとと思ったら、曲がってすぐのところでみなさん、待っていてくださった。(左折時、こちらをちらっと見ているのは気づいたが、飛ばさず下って追いつくのを待つ、かなと思っていた)。
このあとしばらくは下り基調。助かる。といっても、下った分は、また、つまごいに向けて上らなきゃいけなくなるわけだが……
この下りだったかなぁ、橋を渡ったとき、谷の風景がすごくきれいで、思わず「うわぁ~」と小声で歓声を上げてしまった。アンバサダーで走っていなければ、まちがいなく止まって写真&休憩にしているところだった。
下ったあとは、グランフォンド軽井沢のコースと同じになるので、ほかの参加者を抜きつつ走っていく。
■グランフォンド軽井沢の人たちがたくさん走っている
■つまごいに向けてパックで走る
■あちこち高原の風景がきれい
ここは余裕がなくて遅れているわけではなく、よそ見をするため少し離れておいたもの。なにかあって前に突っ込んだらまずいので(^^;)
つまごいまでの上りはあまり死ぬことなく順調に走ることができた。
ただ、サイコンの斜度表示がおかしい。全力で上って時速10kmで-1%とか、ありえないっしょ。たぶん、気圧のセンサーの窓に水が入ったとか、そういうことだろう。
■つまごいのエイドに到着
つまごいのエイドまでは82km、3時間20分。
第1エイドはパスしたので、ここが最初のエイドなのだが……エイド食はみんなパス。このあといったん下ったあと地蔵峠の上りが待っているのでしっかり補給しておいたほうがいいし、炊き込みご飯とかあるらしいのだが、このエイド、靴を脱がないと食べ物に行きつかない。みな、雨対策でシューズカバーをしているし、veloTOZEの人も多い。これ脱ぐくらいなら、手持ちでってことに。わかるわぁ。
と、「きつかったぁ」の声が。思わず、「あ、みなさんもきつかったんだ。限界なの私だけかと思ってた」と言ったら、「そんなことありません。もう、切れたいなぁと何度も思ったけど、実業団で走ってる身として、Buckeyeさんより先に切れられないと必死で前に食らいついてました」とのこと。実際にちょい切れちゃったのは私だけなのだけれど、そのくらいであったのなら、ひとり一般サイクリストが混じっていても、ま、よかったのかな、と。
ここからの下りは寒そうなので、みな、防寒着をめいっぱい着込む。ウォーマー類は当然として、地蔵峠への上り前に脱ぐことを前提にウインドブレーカーも着てしまう。
■あれこれ着込んで下る準備
私は、ここでマグオン2袋、スポーツ羊羹2本を補給。ボトルも2本目半ばまで減っていたので1本作っておく。
15分ほどの大休止をしてから走り出す。
■ウインドブレーカーを着ちゃうと一般参加者と見分けがつかない(^^;)
快調に下って鹿沢についたが……意外に涼しい。「予定どおり脱ぐ? このまま行く?」「前を開けて調整すればよさそう」という会話があり、そのまま走ることに。
出力があがる上りは当然に暑くなってくる。前を大きめに開けてもやはり暑い。ウインドブレーカーの前を全開にしても暑い。
■みんな、ウインドブレーカーの前を全開にして上ってく
うーん、脱ぐべきだったかなぁと思ったが、その少しあとから気温がぐんぐん下がっていった。小雨も降っている。背中は防水ウインドブレーカーで守られ、前からは涼しい風が入るという形で、やはり、ウインドブレーカーは着たままが正解だったようだ。
地蔵峠への上りは、ちょうど、グランフォンド軽井沢の人たちがたくさんいた上、それなりに車も走っていて微妙に抜きにくい。これはパックの人数を減らしたほうがいいと、余裕のある佐藤さんが先行。それにつられて、比較的余裕のあるふたりが前方に消えていく。私は当然に最後尾のパック。
そのパックからも切れたいなぁと思うくらいきついのだが、もうちょっとだけがんばる、もうちょっとだけがんばると自分に言い聞かせて上っていく。ウインドブレーカー着てるからよくわからないのだが、それでも、一応はアンバサダーの端くれ。一般参加者が見ているところでひとり切れるのはさすがにかっこ悪いというのもある。
■地蔵峠のエイド
地蔵峠着は10時30分ちょい前。スタートから101km、4時間38分だ。
外のテントでふるまわれていたのは甘酒。冷たいのもあるらしいが、この寒い中、もらうのは当然に温かいヤツ。おいしい。
■建物の中でふるまわれいたのはカレー
■みな、けっこうぼろぼろ(^^;)
なにせ、天候が、ね。
ご飯を食べているので、ここも15分ほどの大休止。ま、これできついところは終わった感じ。一番危なそうな雨の下りは残っているけれど。
当然、みんな、ウインドブレーカーの前まで全部きっちり締めて下り始める。気温4℃。小雨。寒いしブレーキ利かないしで、平均-10%の下り坂を8キロ下るのだ。夏用の薄手長指グローブでは指がかじかむ。といっても、アンバサダーの中には指切りグローブしか持ってきていない人もいるし、ウォーマー類を持ってきておらず生足の人もいる。というわけで、下りは、それぞれのペースで。無理すれば事故になりかねないので。
下るとだんだん気温が上がり、一番下まで降りると10℃近くになった。このくらいになれば、ね。
このあとは、グランフォンド軽井沢のいつものコースだ。
■平坦になってもあまり気温が上がらず、みな、ウインドブレーカーは着たまま走る
■そして菱野温泉のエイド
グランフォンド小諸とも共通の部分で、グランフォンド小諸のポスターに顔を突っ込んで写真が撮れるようになっていた。
菱野温泉は短いけどかなり傾いたいわゆる劇坂なのだが、ここで、佐藤さんがまさかのアウター縛り登坂をしたらしい。本人気づかないうちにやってしまって、こんなきつかったかなぁと思ったそうだ(爆)。
■こういう看板も
■実は、ここに到着する少し前からグランフォンド小諸のコース案内看板があちこちにあった
■いちごがおいしい
エイド食はいちごといなりずし。両方いただく。
ここまで122km、5時間47分。10分ほどの休憩で再スタート。
雨もやんでいるしさすがに暖かくなってきたので、みな、ウインドブレーカーは脱いでアンバサダージャージになる。
■いつもの1000m林道
このあたりから抜くことががくんと減った。たぶん、人が多い辺りは抜いてしまったのだろう。
ときどき見かける参加者を抜きつつ、快調に走っていく。もしかして、雨が降り始める前にゴールできるかも。
でも、中軽井沢駅前の交差点で止まったとき、「降られずにすみましたね~」と言ったのは気が早かったようだ。国道18号線に出た少しあとからぱらぱらと雨が降り始める。まあでも、中軽井沢から軽井沢の一駅分走ればゴールだ。
最後は、アンバサダーが横一列に並んでゴール。走行時間は6時間、休憩込みの所要時間6時間52分。ということは、ゴール時間は12時38分かな。
SGF軽井沢は、走行距離146.3km。獲得標高は、Stravaの計算だと3862m、ルートラボだと3330m。ちなみに、サイコン側は途中からおかしくなったので当てにならない(1600mしか上ってないなんてことはありえない)。
パワー的にはNP 182WのTSS 332。いや、よく走ったわ。
TSSは先日走った桜のAACRと似たようなものなのだが、疲れ具合は今回が格段に上。全力で登坂しては下りでじっとしていて、平均が全体的に踏んでいたAACRと同じ、だからだろう。
心拍が5分170bpmは今年の2番目の記録、10分165bpmは今年3番目の記録、1時間153bpmは今年トップの記録、1.5時間149bpmも今年トップの記録と心拍の記録がすごいことになっていた。ひとりで走っていたらここまでがんばらないのだけれど、なんとかついていこうとした結果だろう。
一緒に走った中川さん、アンバサダーのみなさん、ありがとうございましたm(._.)m
■完走証のところで串焼きなどをもらったあと解散
いや~、事故もなく、大きく遅れる人もなく、最後までみんなで走れてよかったですよね~と言いつつ、別れを告げてそれぞれに。
私は、輪行組ふたりと一緒に温泉へ。ゆっくり温泉に入ったあと体重を量ってみたら、63.3kgと自転車に乗りはじめての最低記録くらいだった。走った上、温泉で水分が抜けたからだろうけど、2kg以上落ちたわけだ(^^;)
輪行組ふたりを駅で降ろし、私は、おみやげなどを買いつつ野辺山へ戻る。
■いい走りを祝して
ちょっと残っていた焼き肉のタレを使おうと、もともと、豚こまの焼き肉をレタスで巻いてとか思っていたのが、ステーキ肉をみたら、つい。ま、ひとり祝勝会というか、そんな感じで。ステーキといっても輸入牛肉なのでそんなに高くない。私は、ステーキは肉肉しいほうが好きなので国産霜降りより安い輸入肉のほうが好きなのだ(^^;)
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