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2018年4月19日 (木)

鹿角探しについて

このブログを読んで鹿角を探すようになったという方から、なかなか拾えないのだがどうしたらいいか、安全なルートなどあったら教えてほしいとのメールをブログ経由でいただいた。我が家としてははまっている趣味(^^;)なので、興味を持っていただけたことはすなおにうれしい。で、もしかすれば、同じように興味を持たれている方がほかにもおられるかもしれないので、回答はこちらに書いておくことにした。実際、過去にそういう問い合わせを何度かもらっているし。

本ブログの「八ヶ岳-動植物」カテゴリーや「八ヶ岳-アクティビティ」カテゴリーを見ていただくとわかるが、我が家は、ゴールデンウィークを中心として、鹿角拾いに八ヶ岳南麓に入るというのを14年前からくり返してきた。こばっかい・にこばっかいが参加した清里キープのキャンプで鹿角探しというのがあったのだが、だいたい10人にひとりくらいしか拾えず、拾えなかったこばっかいたちがどうしてもというので始めたものだ。

最初はハイキングルートの近くなどを探した。結果、初年度ゼロ本、2年目2本。どちらも、何日か探した結果である。

たぶん、もっと奥に入らないとだめなんだろうと、その後は、少しずつ、山の奥に入るようになった。いまは、上り3~4時間、下り2~3時間の合計6時間くらい、森の中、道なき道を歩くようになっている。奥に入るようになってからは、毎年二桁本数は拾うようになったし(というか、後半は1日で二桁が普通)、累計で50人はくだらない人数を連れて探しに入っているが、拾えなかった人は、過去、ひとりだかふたりだかしかいないくらいになっている。

さて、今回、問い合わせを受けた件だが……私のブログを読んで同じように探したいと思う人がいるのはけっこううれしい。うれしいのだが、お勧めしていいのかどうかは、迷うところだ。

森の中、足元を見ながら歩くというのは意外に方向を失うもの。山菜採りに山に入って行方不明なんて報道がときどきあるが、鹿角探しもあれとまったく同じことが起きかねない。そういう意味で、安全なルートなどないからだ。

ただ、八ヶ岳の麓はどこもあまり険しくないので、基本を守っていれば滑落などの心配はまずない。どこからでも、基本的に(基本的にと書いているのは、山の基本としてやっちゃいけない下り方はしないことが前提だから)、下れば人里に出ることができる。そういう意味で、八ヶ岳の麓ならどこでも安全である(山中、道なき道を歩くだけで危ないわけだが、そのなかでは比較的に安全、という意味)。

我が家がハイキングルート周辺を外れ、奥に入るようになったとき、にこばっかいは小学校3年生。子どもの性格と体力とやり方によっては、そのくらいでもなんとかなるのはなんとかなるわけだ。逆に、子どもの性格と体力とやり方によっては、高校生でも、いや、それこそ大人でも危ない。自分たち以外、安全を確保してくれる人はだれもいないのだから。

結局、山の基本ができている人が道(風景)を覚えている範囲で歩いているかぎりはたいがい大丈夫とでも言えばいいだろうか。我が家は、私が子どもたちに山の基本を教えつつ、何年かかけて少しずつ奥まで入るようにしていった。似たような風景ばかりでどこがどこやらわからなくなってしまうので、往復1時間くらいの狭い範囲からスタートし(そのくらいしか覚えておけない)、そのあたりを覚えたらもう少し足を伸ばすという形で。いまの範囲を網羅するのに、毎年数回は山に入り(鹿角拾いはしたけどブログ記事は書いていないケースがたくさんある)、5年以上はかかったと思う。

結果、かなりの範囲に見覚えがあるところまで来たので、生物部を連れて入山というむちゃまでするようになったわけだ(はい、道知らない人を複数人連れて入るのは「むちゃ」のレベルです。万が一はぐれたりしたら大変なことになります)。ちなみに、連れて入る人はそれなりに選んでいる。子どもたちが小さいころ、友だちを連れていきたいと言われたときは、何人か、この子はだめとした。こちらの言うことを聞かず、勝手なことをされたら遭難しかねないので。また、最初のころは、一度に連れて入るのはひとりかふたりに制限していた。

そんな感じなので、山の奥まで鹿の角を探しにいきたいという人は、

  • 装備、歩き方、天候の見方などなど、山の基本が身についている
  • 歩くのは見覚えのある範囲+αにとどめる

という形なら大丈夫だろうと思うが、自信のない人には、正直、お勧めできない。というか、やめておくことをお勧めしたい。遭難してからでは遅いので。

あと、「連れていってほしい」というお話を、そう言えば、昔一度、ブログ経由でどなたかからいただき、お断りしたことがある。すでに付き合いがあっていろいろわかっていれば、山に入って大丈夫そうかどうかの判断もつくが、様子のわからない人を連れて行けるほど気軽なイベントではない、下手すれば遭難の可能性だってあるイベントだと思うので。そのあたり、あしからずご了承いただきたい。

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