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2017年7月23日 (日)

北アルプス山麓グランフォンド――当日

晩飯が飲み放題でちょっと飲み過ぎたらしく、夜中になんども目を覚ましてしまった。意識としてはなんか、ずっと起きていた感じ。といっても、実際は、眠りが浅くなったときなんどか目を覚ましただけだと思うけど。

目覚ましがなる少し前の3時15分に起床し、混まないうちにトイレをすませてしまう。3時半すぎには塩田さん、榎本さんも起き出して準備をはじめる。塩田さんは長袖アンダーにUVアームカバー、長袖ウインドブレーカーとそれなりの装備だが、榎本さんと私は夏用ジャージにウインドベスト。これしか持ってきていないのだ。ウインドベストも、雨とわかっていれば防水のものにしたが、今回のものは水を通してしまう。それでも、念のためとウインドベストと袖無しアンダーを持ってきていたからまだよかった。

天気予報は、朝は曇りだが10時くらいから小雨というもの。天気がもっているあいだにどこまで走れるかが勝負かなぁ。

■北アルプス山麓グランフォンド150km

朝飯開始の4時、レストランに向かうと長蛇の列。なかなか進まないなぁと思っていたら、「こちらへどうぞ」と横から声がかかった。レストランが2室に分かれているようで、ちょうど我々がいたすぐ後ろがそちらの入り口だったのだ。ラッキー。

バイキング形式だったので、サラダ、おにぎり2個、いなり2個、みそ汁、バナナ1本、オレンジジュース、牛乳とたっぷり食べる(バイキング形式だから列の進みが悪かったわけだ)。朝ご飯の追加が必要かもと補給食を用意していたが、不要だった。

車から自転車を降ろし、最終準備を整えてスタート地点に着いたのが5時ちょい前。なんと、最前列になってしまった。

■スタートの最前列に並ぶ(写真は公式サイトからいただいたもの)

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MCのアケさんに「どちらから?」とか聞かれてしまった。初体験(^^;)

■スタート前インタビュー~(写真は公式サイトからいただいたもの)

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新設150kmには70組ほどがエントリーしているらしい。平均3人のグループとして200人強、かな。

■開会式

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朝一、路面は乾いていたが、開会式あたりからぽつぽつと降り出す。あらら。

5時、我々からスタート。今回のメンツ、上りは塩田さん、榎本さん、私の順で、全体としても、たぶん、私が一番弱いんだけど、まあ、ほぼほぼ足がそろっている。今日は無理なく楽しく走りましょう~と声をかけあってスタート。

150kmはスタートしてすぐ右に折れ、小熊山へ。上り基調。体もまだ冷えているし、250Wくらいでたんたんと。ルートにフォトスポットとあり、天気がよかったら止まって景色を眺めたくなりそうな場所だったが、一面のガスでなにも見えないのでパス。

しばらくすると、我々の次にスタートしたはずの二人組が追いつき、追い越していった。そのまま5人でピークを越え、下りへ。道は荒れているしガスで視界が効かない。私のようにメガネをかけていると雨粒がレンズにつくわ、湿度が高くてレンズが曇るわと最悪のコンディション。怖いな~、先頭の榎本さんが飛ばすようなら落としてもらわなきゃと思ったら、榎本さんも慎重ペースで降りていく。よかった~。と、我々を上りで追い越した二人組が吹っ飛んでいく。このコンディションであそこまで飛ばすなんて、地元で道をよく知ってるとかかなぁと見送り、我々は我々でたんたんと。

しばらく走って、上から降りてきた道と合流するようなところがあり、たぶん下だけど、どっちだろうと思った直後、前を行っていたらしい人の片割れが路肩で自転車から降り、Uターンしようとしている。ん? やっぱり上で下はミスコース? でも、ガーミンのナビはオフコースと言ってこないし、ほかのふたりもそのまま下っていく。さっきの人はどうしたの?と尋ねると、なんと、ひとり、コースアウトして崖を滑り落ちたらしい。落ちなかった人は大丈夫と言っていたし、落ちた方も上ってきていたから大丈夫だろうとのこと。

小熊山下にスタッフがいたので、一応、コースアウトした人がいることを伝えて我々は木崎湖畔の道へ。

青木湖の手前でミスコースして本コースに戻ろうとしていたら、塩田さんから「パンク~」の声。あらら。雨が降ると小石がとがったほうを上にしがちでパンクが増えるとは言うけれど。

チューブ交換をすませて青木湖畔へ。120kmか100kmの人たちをパスしつつ気持ちよく走る。ここからしばらくは平坦基調。いいペースで走れて気持ちいい。ただ、雨が強くなってきており、雨粒があたって顔が痛いのだけは閉口である。

途中、わりと大きな川を渡る橋があり、ここから白馬の山々が見えてきれいなはずなのだが(アルプスあづみのセンチュリーライドでしばらく眺めていた記憶がある)、今日はあいにくの天気でなにも見えないので止まらずに通過してしまう。

■栂池高原エイド

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7時前に栂池高原エイド着。あんまりゆっくりしても体が冷えるだけなので、おそばをいただいて早々に出発。

ここから本格的な上りが始まる。速そうな二人連れ(150km)と一緒になったこともあり、いいペースで上っていく。260Wとか270Wという数字が見えることも多く、平均で240W。私にとってはほぼ限界のペースだ。ちょっと落としてくださいと言おうかなと思ったあたりでピークに到達。二人連れは下りもいいペースで飛ばしていく。こちらは、下りは慎重ペースなので、だんだんと遅れていく。ついて行けるペースではあるけど、レースじゃないんだし、悪条件だし、安全第一である。

ちなみに、塩田さんによると、この二人連れは若者でゼッケンホルダー付きだったとのこと。実業団とかでよくレースに出ているような人たちなのだろう。

鬼無里の給水所は(給水所なので)パスするつもりがうっかり入ってしまった。せっかくなのでトイレ休憩。涼しいというより寒くてふるえがつきそうなくらいなので、ボトルは減らないが、トイレは近くなる。

それにしても、今回はパンクが多いようだ。道ばたでもあっちこっちでパンク修理をしているし、エイドでも必ずだれかがパンク修理をしている。そういう路面状況ということなのだろう。

鬼無里の給水所からもう少し下ると、平均勾配8%くらいとけっこう傾いている区間に入る。こちらもさきほどの上りと同じくらいのペースで。ただし、時間的に半分くらいと短いので、そこそこ余裕でピークに達した。

■ピークには小川アルプスラインエイド

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このあたりで9時くらい。ここではおやきときゅうりをいただく。どっちもおいしかった。おやきが温かいのがうれしかったなぁ。

雨は降り続いており、気温も上がらない。スタート時19℃だったのが、その後はずっと18℃弱。

下り途中の給水所でトイレに寄り、走りはじめると、なんか後輪が頼りない。下を見ると、つぶれている気がする。前を走るふたりに声をかけて止まり、確認するとやはりパンクしている(--;)

チューブ交換をしようとするが、チューブがタイヤに張り付いていてなかなか外れない。こんなのはじめてである。一応、くっつきにくいようにパウダー処理はしているのになぁ。かなり手間取ってしまった。その間に、パンクらしいという私の声が聞こえず先に行ってしまった榎本さんも上り返してもどってこられた。ともかく、修理を完了して走り出す。と、2~3分もたたないくらいでまた頼りない感覚。またらしい。私が2度目のチューブ交換をしているあいだに塩田さんがタイヤを細かく確認。トレッドに食いこんでいた砂のようなつぶを取りのぞく。この砂粒が原因だったのか、たまたま連続でだったのか、このあとは空気が抜けることはなかった。

これで3人が持ってきた3本のチューブは使い切った格好だ。もう1回、誰かがパンクしたらパッチでなんとかするか、ニュートラルカーを呼ぶか、になる。コースはまだ半分近く残ってるんだけどな。

下りきって上り基調の道をしばらく走り、9時40分ごろ、ぽかぽかランドエイドに到着。

■ぽかぽかランドエイド

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ネギミソをつけたおにぎりがとてもおいしかった。おかわりしたいくらいに(まだまだ上るので、そこまで食うとお腹が重くなりそうでやめておいたが)。

このエイドは自転車置き場が屋内。これはいいと思ったのだが、どうも屋内運動場のようなところらしく、砂がじゃりじゃり。そのせいか、走り出したら左のクリートがはまらない。エイドを出たところで水たまりでクリートを洗うとはまった。ところが今度は外れない。たぶん、砂をかんでしまったのだろう。というわけで、はじめて、クリートが外れずたちごけというのを経験してしまった(--;)

こけたところで左肘を少しすりむいたが、皮1枚なので大事ないとそのまま走ることにした。

エイドでも言われたが、この直後が平均10%くらいのいわゆる劇坂区間。蛇行している人もいれば、押している人もいる。我々はさすがに3人とも普通に直登していくが……。

この少しあとから雨がやみ、雲海の向こうにアルプスの山並みが見える瞬間などがあった。これこれ、こうでなくちゃと、3人ともちらちらよそ見をしつつ(^^;)走る。

120kmとの分岐を左に折れ、大回りの150kmコースへ。次もピークあたりにエイドがあった。11時45分ごろ大峰高原エイド着。

■大峰高原エイド

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150kmコースのみなのでがら空き(^^;) 白飯のおにぎりをもらい、もろみみそ風なるものをつけて食べる。ネギミソもおいしかったけど、これもいい。ちなみに、ネギミソはお湯で溶いて即席みそ汁にしてくれた。温かくてすごくおいしかった。漬け物や煮物なども、半分くらいは味見したかなぁ。我々3人のイチオシは、甘梅漬けというやつ。3人とも絶賛~。どっかで買えるのなら買っていきたいという話が出ていたほどだ。

後続が何組か来たくらいで我々は出発。

が~っと下って鉄道を越えると松川のエイド(12時半くらい)。ここ、アルプスあづみのセンチュリーライドでもエイドとして使われていたところじゃないかなぁ。

■松川エイド

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ブルーベリーがおいしかった。一粒ずつ口に放り込んでゆっくり味わっていたら、「ようやく追いついた~」の声。そんなことを言われる知り合いはいないはずだがと思ったら、小熊山でコースアウトした二人組だった。時間ロスはかなりあったようだが、体も自転車も問題なく、そのまま走れているらしい。よかった。

この先は、言われないとわからないくらい微妙な上りの道。交通量は少ないし信号はないし、ゆるい上りで足は回し続けることになるしで、こんなあたりに住んでいたら、平坦のいい練習場所になりそうだ。坂もいくらでもあるし。強くなるでしょうね~と話ながら気持ちよく走る。

あとはゴールまで走るだけと思っていたら、残り10kmくらいでまたエイドが出てきた。補給の必要はまったく感じないのだが、でも、エイドは全制覇しなきゃということで立ち寄る。13時15分くらい。

■大町温泉郷エイド

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ここでの提供品はそうめん。これもおいしかったな。ああ、あと、羊羹もあったか。それから、前のエイドで出ていたとおぼしきおやきなんかも。こちらは余った分が回ってきたのだろう。おやきは2種類あったので、さっき食べなかったほうをもらった。

このあともじりじりと高度を上げていく。そのままゴールかと思ったら、ガーミンの高度表示(コース前方の高度を示してくれる)がかくんと上向いた。どうも、ゴール直前1kmあまりが傾いているようだ。戻ってからルートラボで確認すると平均9%ほど。

かなり走ったところできつくなってはきているのだが、これで最後なら後先考える必要もない。30秒、1分くらいが得意と脚質が似ている榎本さんとふたり、思いっきり踏んで競う。いや~、脚質の似ている人同士で競うの、楽しいわ。

最後は、塩田さんを待って3人で並んでゴール。MCのアケさんとハイタッチして本日のライドを終了~。

直後、スタッフの方がひとり、話しかけてきた。

■戻った直後、スタッフの方とお話(写真は公式サイトからいただいたもの)

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「150km、フルに走ってのゴールですか?」
「???」
「ショートカットして戻ってきた人は何組もいるんですが、フルに走ってという人はまだほとんどいなくて」
「ああ、そういう意味ならフルに走ってきました。エイドもフルで全制覇してきました(^^;)」
「フルに走ってこの時間ですか。速いですね。試走ではもっと時間がかかりました」
「チューブ交換3回もしたので、それがなければもっと早く帰ってこれたはずなんですが……」

どうも、フルに走って戻ってきたのは我々が二組目だったらしい。一組目は例の実業団らしき二人連れだろう。感想などをいろいろと聞かれた。その途中、他のスタッフに「ほら、やっぱり、こういう需要、あるんだよ」という一言があったことから、150kmで獲得標高が多いコースの新設についていろいろな意見があったのだろう。で、それなりの人は集まったが、悪天候だったとはいえ、大半がタイムアウトでもないのにショートカットを選択する(つまり、自分には無理だと判断する)ようでは、来年、どうするかという話が出ていたりしたのだろう。

個人的には、たいへんに楽しく走れたので、コースはよかったと思う。チームのみの参加というのも、うまくメンバーが集められれば、いつものイベントとは違う楽しみがあっていいと思う。これで天気がよかったら言うことないし、天気がいい条件で走れるならまた走りたいとも思う。

走行時間8時間39分(休憩込み)、走行距離153km、獲得標高2700m(雨でサイコンの標高表示がおかしくなったりしていたので、この数値はあてにならない)。平均ペダリングパワー204W、NP 189W。TSSは384と、The PEAKSの464には負けるが、スーパーグランフォンド軽井沢の386とはほぼ同じ。すてきにきつい走りができた。

このあとは、どろどろになった自転車を軽く洗って車に積み、鹿島槍スポーツヴィレッジの大浴場でさっぱりしてから東京へ。関越の渋滞もあまりひどいことはなく、7時すぎに塩田さん、榎本さんと分かれ、8時半に帰宅。

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