Mt.富士ヒルクライム2017-分析と反省と今後
今回、公式記録は、1時間20分13秒39で、50代男子74位/出走1625人。2年前が1時間19分22秒で53位、ロードに乗りはじめて1年余りで出場した3年前が1時間21分57秒で56位。気象条件とかもあるので必ずしも「タイム=強さ」ではないのだが、おおざっぱに言って、富士ヒルについては、3年前からたいして伸びていないってことになる。シルバー獲得の1時間15分切りを目標に掲げている私にとって、これは、もう、惨敗、のひとことだ。
2年弱前から8823の練習に参加するようになり、ここ1年半はパワートレーニングに励んできた。なのに伸びない、伸びていない? やはり、加齢の影響が大きいのか?
実は今回、チームメイトから「井口さん、もっと速いと思ってました」と言われたり。いや、私も思っていたよ。もうちょっと速く走れるって。1時間15分は無理でも、「少なくとも」17分台くらいでは走れるだろうって。だって、ここ2年でけっこう強くなったって感じてるし数字も出てるんだから。
当日だって、調整もそれなりにできていたし、走りもタレずに走りきれてて悪くなかったと思う。
■パワーデータ
帰京の車中、同乗の加藤さんと話しながらいろいろと考えてみたのだけれど……やっぱり、なんかおかしい。だって、なにをどう考えても、ここ2年であきらかに強くなっているのだから。自分もそう感じるし、2年前から8823の練習で一緒に走っている加藤さんも、「昔はすぐちぎれていたのに、最近は、あんまり遅れなかったり、ほぼついてきたり、あきらかに強くなってる」と言う。ツール・ド・おきなわも、2015年は出し切って3時間27分、2016年は足を余らせて3時間20分。2016年と2017年のピークパワー比較(↓)を見ても伸びていることがわかる。FTPだって伸びている。
■2016年と2017年のピークパワー比較
でも、それなりに走れたと思う今回、タイムが伸びていない。なぜ?
帰路の車中、その整合性をいろいろと考えてみた。とりあえずの仮説が、20分MMP、5分MMP、1分MMP、30秒MMPなど短時間のMaximum Mean Powerは伸びているが、1時間以上のMMPはほとんど変わっていないのかも、だ。
いや、ほとんど変わっていないは言い過ぎかもしれない。思い返せば、今年は、全体にそれほど苦しくなかった(いや、苦しかったんだけど、前みたいに死にそうになりながら走っていたわけじゃない)。それは、ペース配分がよかったからかもしれないのだが、多少は1時間以上のMMPが伸びて余裕ができていたのかもしれない。あるいは、短時間のMMPが伸びて、ときどきががっと踏むのに耐えられるようになったのか。
ともかく、1時間以上のMMPが短時間のMMPほど伸びていないことはまちがいない。それは、2016年と2017年のピークパワー比較を見てもあきらかだ。
まあ、短時間MMPのほうが伸びるのは、当然と言えば当然。だって、一昨年、8823の練習に参加するまで、私がしていたことと言えば、ローラーでも実走でも、1時間などの上りを一定出力で走るような練習ばかりだったからだ。だから、そのあたりの力は、一昨年やその前年には、もう、かなり伸びていたはずなのだ。対して、もっと短い時間の出力についてはトレーニングしておらず、力もついていなかった。そして、8823の練習やパワートレーニングでそのあたりがぐんぐん伸び、力がついたと感じるし(実際、力がついているわけだ)、ツール・ド・おきなわのタイムなども伸びたのではないだろうか。FTPが伸びているというのも、実質は20分MMPが伸びている(私の計測方法だとそういう意味になる)、だし。
じゃ、それが原因なのか。それだけが原因なのか。つまり、1時間以上のMMPがまったく伸びていないということなのか。
そのあたりを見るため、今年のデータ(上掲)と2年前のデータを比較してみた。パワーメーターがGarmin→Pioneerとかわっているし、パワーメーターの誤差もあるのであんまり細かいことを言っても意味がないのだが、それなりのことはわかるだろう。
2年前は最大心拍172bpm、平均心拍165bpmで平均出力223W、1時間19分。今年は最大心拍165bpm、平均心拍160bpmで平均出力226W、1時間20分。
平均出力が微増かほぼ同じというレベルなのに遅くなっているのは体重増加(64kg→66kg)の分だろう。体脂肪率は8%台とほぼ同じなので、体重増加は筋肉によるもので仕方ないと思われる(このあたりが短時間MMPの向上につながっているんじゃないかとも思うし)。
こうやって数字を並べてすぐ気づくのは、心拍の違いだ。最大心拍も平均心拍も5bpmほど下がっている。平均心拍が5bpm下がるというのは、はっきり下がっていると言えるだろう。これで出力微増、タイム微増というのは、力がわずかに上がっている、ということでもある。
つまり、今年は追い込み不足だったということか。
2年前は序盤20分に250W近く突っ込んで心拍も最大心拍の172bpmまであがり、そのあとは225W、210W台、最後は210W強とどんどん落ちていく右肩下がりだった。今年は序盤から中盤は230W台で終盤220W前後とイーブンペースに近かった。ペース配分的には今年のほうがいいはずなので、全体的にもう5Wかできれば10Wくらい引きあげるイメージ? あるいは、後半にもう少し追い込んで走る? そのいずれかくらいで走れていれば、シルバーにはとうてい届かないけど一昨年の自分に負ける結果にはならなかっただろう。
まあでも、ぎりぎりまで追い込んで走れたとして、一昨年よりちょい速いくらいが限界だったんじゃないかっていうのも事実、かな。つまり、この2年間で、1時間以上のMMPについては若干しか伸びていない。(50代後半で伸びているならがんばっているとも言えるわけだが)
さて、今後、どうするか。
ひとつの方向は、あくまで富士ヒルシルバーを狙う道。今年(というか例年)、60代でシルバーだと表彰台になっちゃうわけで、それを考えると、実現の可能性はかぎりなく低いと言わざるをえないのだが、ともかく、どこまで行けるかトライしてみることはできる。
狙うのであれば、富士ヒルに特化した練習・準備をする必要があると思う。具体的には、1時間以上の上りを走り込むことと、スバルラインそのものを走り込むことだろう。風張峠に上れる季節になったら、週に1回は風張峠を上る(上りっぱなしではないが、檜原村からなら1時間強ほぼ上り)。さらに、スバルラインも走れる季節になったら、あちらも複数回走りに行く。そうやって、1時間以上ヒルクライムができる体を作るとともに、スバルラインのペース配分を工夫する。
(PCGゲンさんのパワートレーニングメニューも、富士ヒルに向けて出力の長時間維持を狙うものが最近入れられており、そのおかげでそれなりにいい感じで仕上がってきていたが、それだけでは足らないということなのではないかと)
このくらいはやらないと、私の年でタイムを短縮するのは難しいんじゃないだろうか。短時間のMMPを伸ばしていけばFTP(というか長時間の出力)にもプラスではあるわけだが、そういう全体を伸ばすことで結果として伸びる範囲では、おそらく、1時間以上も上り続けるという部分については、加齢による力の低下と相殺されてしまい、微増がいいところなのではないだろうか。
今年、尾根幹のインターバル走はずいぶんやったが、風張峠も2回くらいしか上っていないし、スバルラインは1回しか走っていない。トレーニングしてない部分がそうそう強くなるはずない、んだろう。そういう準備なしで、1時間以上の全力走でぎりぎりまで追い込むペース配分ができるはずもないっていうのも、言うまでもないことだし。
もうひとつは、ヒルクライムは基本的にあきらめるという道。このところ、あまり向いていないらしいと感じてもいたわけだし、ツール・ド・おきなわも上りは20分前後までだし、あちこち走りに行っても1時間以上も上り続けるところは珍しいわけで、そういう部分の伸びはあきらめ、全体的なパワートレーニングをした結果走れる範囲でいいと考えるのも道だと思う。トレーニングに使える時間も体力も残り期間も限られているわけで、自分の得意な部分に集中したほうがいいというのもひとつの考え方であるはずだ。短時間MMPはまだまだ伸びているようだし。
さてさて、どうするか……は、来春までに決断、かな。
富士ヒルへの参加自体、これ以上エントリー枠が拡大されるようならやめたほうがいいんじゃないかって話もあるし。
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