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2016年12月21日 (水)

バロックギアの功罪?

バロックギア、今年の4月に導入して半年ちょっと使ったことになる。このギアをどう考えるのか、このあたりでいったんまとめてみたい。

■導入したバロックギア(34±3T)

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バロックギア導入の効果」に書いたようにクランクが3時と9時のとき、接線方向の力が大きくなる、すなわちトルクが増える。その結果、ペダリング効率は高くなる。このあたりは、メーカーのうたい文句通りと言えるだろう。

ただ、それが本当にいいことなのかというと、いろいろな意見がありそうに思う。

■足に優しいのか

3時と9時でトルクが増えるわけだが、そのとき、クランクの回転速度は落ちている。歯数が37Tになっているのだから当然だ。ケイデンスが80で同じだったとして、3時と9時の回転速度を考えてみよう。

ノーマルギアの場合、ケイデンス80と同じになる。当たり前だ。

対してバロックギアはケイデンス73.5相当。フロントの歯数が1割弱増えるのだからケイデンスは1割弱落ちる。つまり、いわゆるケイデンスで上る→筋力で上るの変化が起きていることになる。「重いギアを踏むと足を使うからケイデンス高めで足を残そう」みたいなことがよく言われるが、その逆を行っていることになる。

それはよくない……と考えるのもどうだろう。ペダリング効率の向上は、足が出している力のうち推進力に使われる割合が上がっていることを意味するので、その面からは、逆に、足が残る可能性があるからだ。

最終的には、どちらの効果が大きいのか、かな。足を残すことを考えなくていいのであればバロックギアが有利、足を残したいならどちらがいいかはよくわからない……こう言っていいのではないだろうか。

アンカー、宮澤さんなどは、「力の入れ方が全周でなるべく同じになるようにすべき。アマは踏み込むときだけ力を入れる人が多いが、それは、毎回インターバルをしているようなもので、そんなことをしていたら足が残らない」と言われている(講習会でもイベントで一緒に走ったときも、こうしきりに言われていた)。この意見に従うなら、バロックギアはやめるべきとなる。

ほかにも考慮すべき点があると思う。

■トルクがかからないとぎくしゃくする

いろいろな人がインプレッションで書いているが、トルクがあまりかからない状態でバロックギアにシフトするとペダリングがぎくしゃくする。緩い上りであまり飛ばしておらず、軽くペダルを回しているとき、アウターローに近くなってインナー+リア半ばのギアにしたりするとぎくしゃくしてしまうのだ。TT状態のヒルクライムならフルに踏みっぱなしだから気にならないが、軽く走っているとき、あるいはロードレースで集団の速度が遅いときとか、ギア選択の幅が狭くなるかもしれない。

■インナー→アウターによるギア落ち

バロックギア導入に伴う問題点」に書いたように、リアスプロケット真ん中あたりでインナー→アウターにシフトするとき、トルクがかかっているとギア落ちする。インナー→アウターのシフトは坂を上りきった直後とか、チェーンに力がかかっていない状態であることが多いので実走で問題を感じたことはないが、ローラー台では負荷が抜けないので、最近も何度かチェーン落ちを経験している。私の場合、TrainingPeaksのパワートレーニングメニューに従ってトレーニングするので、パワーを上げ下げするのにインナーとアウターを行ったり来たりすることがあるからで、一般にはあまり問題にならないかもしれないが。

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コメント

ばっかいさま、

正直な感想ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
今後もラインナップを拡充して参る予定です。
引き続きバロックギヤをよろしくお願い致します。

株式会社スミス 
アシスタント クニサワ未歩

投稿: 株式会社スミス アシスタント | 2016年12月22日 (木) 08時57分

おお、これはこれは、メーカーの方からコメントがあるとは。ありがとうございますm(._.)m

いろいろ書いてますが、私としては、外して元に戻すつもりはいまのところなく、もうしばらく使ってみようと思っています。

ラインナップ拡充では、ぜひ、ブラックの定番化をお願いしたいところです。特徴的な色のフレームに赤いパーツは、正直、つけたくないものですから。ブラックギアを期間限定で売られたときは、買い替えたいと思ったくらいでして(機能的には変わらないのでもったいないと、かろうじて思いとどまりましたが)

投稿: Buckeye | 2016年12月22日 (木) 10時16分

> 外して元に戻すつもりはいまのところなく、
> もうしばらく使ってみようと思っています

と書いていたのだけれど、結局、この冬のオーバーホールで、いったん、ノーマルのチェーンリングに戻すことに。クランク変えたので、バロックギヤも買い直さないと使い続けられないし、それなら、しばらくノーマルに戻してみてどう感じるか、試してみようかと。

一番はっきりわかる違いは、やはり、トルクがかかっていないときにぎくしゃくせずスムーズなこと。インナーで坂を上ったあと、アウターにするのをつい忘れるほどだったり(^^;) いままでは、平坦になったとたん、ぎくしゃくするんで忘れることがなかったんだけど、それがなくなり、え、こんなスピードでもうギアないの?と思ったら、フロントがインナーのままだったってことが何回か発生した。

投稿: Buckeye | 2017年2月27日 (月) 09時42分

そうそう、なんだかんだで、いまは、±2のバロックギアを使っている。先日までは34±2、今年冬のオーバーホールでフロントを52/36にしたので、それと一緒に36±2のブラックに。34±3はトルクがかかっていないとぎくしゃくしてしまうけど、34でも±2なら特に気にならない。アウターに戻せば違いを感じるのは感じるけど、インナーままでシフトアップしてしまってギアが足りなくなるなんてミスをするくらい気にならない。

投稿: Buckeye | 2018年2月 1日 (木) 14時46分

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