ツール・ド・おきなわ2016(100kmオーバー40)-本番
3時40分起床。よく眠れた。朝時点でCTL 86.8、TSB 16.3。いい数値だと思う。体の感覚としても、疲れがちょうど抜けたところと思える。
VAAMモニターで掲げた目標は(↓)
- 3時間20分
- 自分より上位に自分より年上がいないこと
去年、望外のいい走りをしてなお3時間28分近くかかっているわけで、3時間20分というのは高すぎるかなと思いつつ掲げた数字。あと、定性的な話として、(↓)も目標だ。
- スタート後の上りで先頭集団についていく
- 普久川ダムの上りも後先考えず踏んで先頭集団にどこまでついていけるか試す
ヨーグルトを食べ、しばらく待ってトイレへ行き、それなりに。時間があれば、スタート地点で念のためにもう1回行くほうがいいかもしれない。
■ゼッケンはこんな感じ
左のバックポケットには携帯電話、少々のお金と保険証、クレジットカード1枚を入れた透明なビニール袋。真ん中にゼリー型の補給食×5(SAVAS×3、マグオン×3)、右に瞬間パンク修理剤、予備のSuper VAAM顆粒×2本、マグオン顆粒×1本。
■5時ホテル発
■今年の朝食ボックス
今年は空揚げとポテトサラダ(フルーツの下にある)、フルーツが追加されていた。
まだ少し眠かったので、バス車中は基本的に寝ていく。140kmのスタート地点くらいで起きて、海岸線から逆送しつつ、コースを思いだそうと思っていたら、思いの外付くのが早く、目が覚めたらスタート直後のピークだった(^^;)
スタート会場には一番乗りだったようだ。おかげで、日陰でテーブルと椅子のある場所を確保できた。ホテル発の時間は例年と同じだったが、今年は140kmがいないため、100kmのスタート地点まで直行したのが原因だろう。
■特等席を確保
朝ご飯を食べたり自転車を受けとって空気を入れたりしてから、スタート直後の先へアップをしにいく。軽く2往復して戻ったら、自転車がずらりと並んでいた。今年はシードだからいいが、そうでなければ、もう少し早く戻ってこないとまずいな。
■アップから戻ったらこの状態(--;)
出走票を出しに行ったらなるしまな人たちが集まっていたのでご挨拶。スーパーグランフォンド軽井沢でご一緒した人とかもおられたので。そこからの情報によると、今年はスタートが早まりそうな状況らしい。それからしばらくしてオフィシャルに確認すると、我々の15分前だかに予定されていた女子国際はかなり早まるが、その後、いろいろ通すので、我々は早まってもわずかとのことだった。
■チャンピオンレースのメイン集団
アンカーチームを応援したあと、まだ時間があるので、念のためトイレに行っておく。結果、行ってよかったという感じ(^^;)
スタート前補給の仕上げにSuper VAAMのゼリーを摂ってから、自転車を持って列の前へ。詰まっているのを隙間をあけてもらって先頭の集団へ出してもらう。前のほうの人はシードゼッケンのことを知っているので、みんな、さっと隙間をあけてくれた。並んだ位置は40番目くらいかな。
■スタート列の先頭
それにしても……香港から参加のシードゼッケンが中身別人だったのはちょっとねと思ってしまった。去年、ずっと一緒のパックで走った人なので姿形を記憶しているのだが、まるで別人。というか、時間に余裕のある今年でもとても完走できるはずがないという体型の人。年齢もまるで違うし。
結局、10分ほど早くにスタート。スタート直前にSAVASのエネルギーゼリーを1本。
500mほどはパレードラン。ちょい後ろから「速いな~」というつぶやきがあったのは、初参加の人だろう。スタートはいつもこんな感じなので。
リアルスタートからは、パワーメーターなど無視し、先頭を視野に入れつつ、遅れないようにと踏んでいく。時間だけちらちら確認していたのだが、時間がたつのが速い。つまり、去年ほど死んでいないということ。やはり、だいぶ力がついたようだ。
意外にあっけなくピークを越える。記録を見ると、ここで今日の最大心拍182bpmを記録していたが、アドレナリン効果か、きつくて死にそうという感じはなかった。出力は斜度が少し緩むまでの7分くらいが297Wで、そのあとは足を止める瞬間も多発し、10分間の平均は278W。出力は去年よりかなり低い。力が付いたのも付いたのだろうが、今年はペースが遅かったのかもしれない。
下りをこの集団で飛ばすのは怖いと思っていたのだが、意外におとなしい。おとなしく下らないと危ないからだろう。ときどき、斜行する人がいて、「ライン守って!」の声が飛ぶ。海岸線前の上り返しでがつんと踏まなければならないとか、多少は踏むところがあったが、基本的に休みつつ海岸線に。集団内の位置は、スタート時から少し下がったあたりかな。右側車線を走っている人たちがかぶっているので。左右は左車線の右端くらいなのだが、センターラインにかかることがあり、微妙に走りにくい。でも、左右ともに動ける状態ではなく、しかたなく、そのまま走り続ける。
と、後ろからオフィシャルカーが来て、左車線に寄れとのアナウンスがあった。仕方なく、左車線の人たちが少し下がるような形で隙間をあけて右車線から人をいれる。オフィシャルカーが通り過ぎるとまた右車線が埋まる。しばらくすると、また、オフィシャルカーが来て同じことが起きる。そんなこんなでけっこう後ろに下がってしまった。
今年は海岸線の集団が大きい。去年は100人いなかったと思うが、今年は倍近いのではないだろうか。そのなかで押し下げられてしまったので、100番手より後ろくらいにいる。普久川ダムの上りには10番手かせいぜい20番手で入りたい。ところが、左車線の真ん中あたりを走っているし、右は道路端までいっぱいに人が広がっている。仕方なく、左端に寄り、左端に隙間があくと1列、2列、前に出る戦法で走る。
しばらく走ったところで、路面が縦に裂けたようになっているところがあった。あっと思ってウエイトは抜いたが、前後輪とももろにそこを通過。瞬間、足元から
パーン!
と大音響が……
終わった。終わってしまった。序盤も序盤、まだ全然走っていないところで終わりか。こんな音がするようなパンクでは、瞬間パンク修理剤でどうにかなるはずもない。ニュートラルカーが近くにいるはずでホイール交換はさせてもらえるかもしれないが、タイムもへったくれもなく、単に完走するだけになるのは必死。今年はついてない。シーズン通してついてない。そう思いつつ、思わず天を仰ぐ。周りからも「あ~あ」という声があがる。
でもともかく、やってしまったものは仕方ない。もともと左端だったがさらに左に寄りつつ、ごく軽いブレーキでゆっくり止まり(あわててブレーキをかけたら後ろから突っ込まれる)、左右ともクリートを外す。そして、念のため、前後輪に触ってみた。堅いじゃん。オレじゃないのか! あわててクリートを付け直すが、その時点ですでに集団の最後尾が横を通過。足を止めていたのは30秒で、うち15秒は停止していたのだから当たり前だ。再スタートしたものの、集団との距離がどんどん開いていく。向こうは時速40kmで走ってるんだから。踏む。全力で踏む。踏みまくる。後先考えてる場合じゃない。追いつかないとレースが終わる。ここで今日の最高出力636Wを記録していた(^^;) 140くらいまで落ちていた心拍も170台まで上昇。それでも、時速50kmを超える全力走、1分30秒ほどで集団に復帰することができた。
数秒、足を止めて様子を確認する。与那の交差点が前に見えている。時間はない。上がれるかぎり上がらないと。集団の一番太いところは道幅いっぱいに広がっているが、右側に少し隙間がある。そこに、「右通ります」と声を出しつつ割り込んで上に上がる。一番太いところを通り過ぎ、ここからは上がりやすくなると思ったときは、海岸線からの左折に向けて集団が減速。これ以上前に突っ込むと左折で事故りそうだ。細いところを曲がるので、集団が細くなる時間的余裕をとらないと大変なことになるのだ。しかたない。あきらめて左へとかぶせていく。
左折は道路右端ぎりぎりを通過。左から膨らんでくる人がいたらアウトだが、いる場所が場所でそこしか通れない。ひやひやしつつ、なんとか2段階左折をこなす。
さあ、普久川ダムの上りだ。100番手かもうちょい上くらいの位置だが、とにかくがんばるしかない。最初の緩い上りでも少し順位を上げる。調子自体はいい。2分がすぎ、もうあと2分で傾斜が急になる、それまでにもう少し順位を上げたいと思った瞬間、ふたり前が落車。どうもチェーン落ちしてふらつき、隣とぶつかったようだ。こんなところまでアウターで来てしまい、遅ればせながらインナーに落としたらチェーン落ち、というところだろうか。私の前がナナメになりつつぎりぎりで停車。私もその人にかぶりつつ、並行に停車。後ろも確認せず横に出て追突されたら終わるので、止まるしかない。
誰に対してのものか、「早くしろ!」という怒声が飛んでいた。気持ちはわかるが、怒鳴ったところでどうなるものでもない。
10秒強で再スタート。だが、ギアは高いままですごく重い。それをゆっくり回して左足のクリートをはめ、ギアを落として踏み始めたとき、集団のお尻は見えなくなっていた(T_T)。
普久川ダムの上りはどこまでついていけるのか、がんばれるだけがんばろうと思っていたのに、がんばる前に終了~。それでも、3時間20分の目標に向け、気を取り直して上る。けっこういいペースで上れたので、集団についていけばもっと力が出たはずなのだが……。
上りきったあとは、近くの人たちで小集団を形成するが、これが遅い。いくら後ろについてるからって、平坦で100~120Wはないでしょう。アクティブリカバリーじゃん。前に別の集団が見えるので、それを追いたいのだが、ほかの人たちにそのつもりがまったくなく、どんどん差が開いていく。でも、とてもひとりでブリッジできる距離ではない。別距離でいいから速い集団が来てくれればと願いつつ、がまんの時を過ごす。
普久川の給水ポイントに近づいたところで気づいたことがある。ボトルが1本ない。たぶん、海岸線で荒れたところに突っ込んだ瞬間、振動で落ちたのだろう。Super VAAMも入っていたし、カロリーもそこそこ取れるドリンクで、そのあたりも補給計画に入っているというのに……。
ともかく、普久川の給水ポイントでスポーツドリンク2本を受けとる。
学校坂を上り、平らなあたりをしばらく走ると、140kmの大きな集団が来た。100kmの選手も何人かコバンザメでくっついているので、私も乗ることにした。どうも、逃げを追う展開のメイン集団らしい。じゃまだと手を振ってくる選手がけっこういるので、じゃまにならないように基本的に後方に位置するようにした。中切れしそうな選手がいたらブリッジしてしまったりするので、そこそこの位置まで上がることもあるが。
この集団には、同じツアーで飛行機内では隣り合わせに座った内川氏がいた。ニセコクラシックを走ってきてそうで、その話からかなり走れそうな雰囲気を感じていたのだが、やはり、それなりに走れる人らしい。
大きな集団で集団効果も大きいし、ペースもちょうどいい。上りがちょいしんどいがついていけないほどではなく、下りと平坦は楽。そんな感じで順調に走り、軽い下りで島東側の海岸線に出たとき――みっつめの補給として、マグオンを口に絞り出した瞬間、数人前の選手がなんか変な動きをしたと思ったら、がしゃがしゃがしゃ!、という音をたてて数人が絡んで落車。勢いがあったので、自転車で前転しかけた人もいる。私の2人前は回避できずに突っ込んでいたかも。ひとり前はよくわからない。
私はマグオンの袋を口にくわえたまま、あわてて右手をブラケットに戻して急ブレーキ&とっさに左へ回避。落車の開始点が微妙に私の右側だったので。ところが、数人前が左に動いて落車を誘発したらしく、左車線は転がった自転車でふさがっている。よっこらせと向きを変え、クリートをはめてじわっと走りだしたとき(今回もギアは重いまま止まってしまった)、集団ははるかかなた。記録を見ると、15秒ほど止まっていた。西側海岸線より遅れが大きい。
だめかもなぁと思いつつ、とにかく追う。追う。体を伏せて思いっきり踏み込み、口からマグオンの袋をなびかせつつ。踏んで呼吸が荒くなり、口を締めていられなくなったが、歯をむき出した鬼の形相でマグオンの袋は歯ではさんだまま。(あとから、それはさすがに捨てていいだろうと言われたが、なるべくゴミは落としたくなかった)
今回も1分30秒あまり必死で走り(最高速は52.8km/hr)、ゼーゼーいいながら集団に復帰(復帰直前、マグオンの袋はバックポケットに)。シッポにいた100kmの人に、「よく追いつきましたね~。完全に切れた、ありゃ無理だと思いましたよ」と声をかけてもらった。
「あそこ、去年も落車あった場所なんですよね。なにか掲示すべきだと思うけど」
「え、なにかあるんですか?」
「センターラインにポールが立ってるんですよ。集団で走ってると見えなくて、それが急に正面に出てきた人がぶつかったりあわてて逃げたりして落車が起きるんです」
「ああ、それで、急に不自然な動きがあったんですね……」
このあたりは1列棒状のトレインでしか走ったことがなかったからか、そんなポールがあったとは気づかなかったなぁ。
苦労のかいあり、そこからまだしばらくこの集団で走る。
この集団はけっこう大きいし、140kmのメイン集団、つまり、上位の人ばかりなので、いいペースで走る。おかげで、30km/hrを下回っていた平均時速がじわじわと上昇し、去年の平均時速31.2kmを上回るまでになった。このままこの集団で走れれば、3時間20分の可能性だってありそうだ。
そんなこんなでいいペースで走っている途中、橋の段差をウエイト抜き気味に越えた瞬間、左足になにかが触る感触があった。びっくりして下を見ると……シートステー側のボトルが抜けて落ちていく(^^;) 止まって拾うとかいう話はなく、そのまま走るしかない。1本目のボトルが残り少なくなってきたタイミングで、ここから次の給水所までに落ちたほうも飲みあげるつもりだったのに。これほどボトルが落ちるというのは、走り方が悪いのか、ボトルホルダーが悪いのか。
ドリンク2本目のSuper VAAMが摂れずに終わっているので、慶佐次の少し手前でバックポケットに入れておいた予備のSuper VAAM顆粒を口にする。普通なら唾液で溶けるのだが、暑いし、2本目がないため飲む量を抑えていることもあるしだからか、顆粒が溶けてくれない。ボトルを思いっきり逆さにしたら、ごくわずか液体が口に入ったので、それでじっくり溶かしてから飲み込む。もっと水があるときに飲まなきゃダメだな。
ところが、このあたりで給水所と思っていた距離で給水所が出てこない。見逃したはずはないし、でも……と不安になったころ、集団の速度が落ちた。給水所だ。集団が細長くなり、みんな、順次ドリンクを受けとっていく。私は140kmの最後尾らしい人の後ろでボトルを受けとったのだが……この140kmの人がすごくスピードを落としたので、私も止まるようなスピードでボトルを受けとるはめに。ボトルを受けとって前を見ると……集団は加速してはるか先に行ってしまっている。やばい。ゆるい上りなので、必死で追ってみる。だが、間隔があまり詰まらない。下り、平坦……ががっと踏んだが、結局、集団との距離が離れてしまう。ちなみに、私の前でスピードを落とした人も、ここでちぎれている。
まずいなぁ。一人旅だ。ともかく、走れるだけ走るしかないと気を取りなおし、そこそこのパワーで踏んでいく。平坦が終わって上っていると……後ろからそこそこの大きさの集団が。140kmばかりだ。もしかして、ちぎれた人たちか。そう思っても、ついていける状態にない。集団からちぎれたとき、前を追わず、サイクリングペースで後ろを待つべきだった。そうしたら、たぶん平坦で追いつかれ、後ろにつけたのに。この集団を見送ってちょっとしたら、また集団が。これも140kmばかり。これまた、たぶん、落車でちぎれたあたりの人たちだろう。だが、まだ回復しきれておらず、これも見送るはめに。このあたり、経験不足がもろに出た感じだ。痛恨。
平坦な海岸をしばらく一人旅していたら、前方に一人旅の人がいる。140kmだ。速度差は微妙。このくらいなら、抜くより協力したほうがいい。そのままそっと後ろについて息を整える。しばらくしたら、私が後ろについていているのに前の人が気づいた。そこそこ息も整ったので、半分前に出ると右手で先に行けとジェスチャーされた。ローテしようということだろう。しばらくゆっくりしたローテで走る。と、前に100kmの一人旅が。この人も吸収して3人ローテ。上りでばらけかけるが、下りですぐまたトレインになるというのをくり返す。そこそこいいペースで、平均時速もじりじりあがり、32km台に突入。3時間20分はどうかわからないが、去年のタイムは上回れる可能性が出てきた。
そうこうしていると、コーンで片側に規制されているあたりに到達。去年、両足がつりかけたあたりだ。去年、このあたりはしんどいなぁと思っていた記憶があるのだが、今年は、たんたんと通過。交差点で立ち番の人にうながされて右折すると上り坂。たんたんと上り始め、しばらくして気づいた。あれ、ここ、羽地? だったら、実質、最後の上りじゃん。たんたんと上ってる場合じゃない。出し切らなきゃ。そう思ったところから、いつも上りで先行していた140km選手との差が詰まりはじめる。結局、トンネルが見えたあたりで抜いた。
トンネル後、右折してギャラリーがたくさんいる急なあたりは、270Wくらい出ている。楽勝、楽勝。足はまだまだある(それがいいことでは必ずしもないのだが……^^;)。3段階くらいの上り全部をこなすあたりで、いかにもクライマーという感じの小柄な選手(140km)にぶち抜かれた。下りに入ると差が詰まっていく。と、ちらちらと後ろをふり返っている。軽く踏み、「回して行きましょう」と声をかけつつ抜くと後ろをついてくる。そこからの下り基調は、しばらく、このふたりトレイン。ふたりでもひとりよりずっと楽だ。一人旅を2~3人吸収したあたりで川上関門に到達。
去年はこのあたり、ずっと一人旅でぶっ飛ばしたが、今年は、基本的にコバンザメ戦法だ。ローテするならしてもいいけど、ついて走らせてもらえるなら、多少遅く感じてもついて走る。そのうち、誰かが抜いて行くので、抜く人がいたら、速い列車、速い列車と必ず乗り換えていく。というわけで、イオン坂の先まで、トレインの2番手か3番手で走り続ける。いまさら、遠くに見えている選手はとらえられないので、考えているのは、小集団中の100kmで一番になること。ゴールゲート近くは直線なので、ゲートが見えてからでいいだろう。しばらくして遠くにゲートを視認。そろそろかと思った瞬間、前にいた100kmの選手が加速。同時に、後ろにいた別のひとりが右からかぶせてきた。ちょっと長くないかと思うが、ここを見送ったら3番手確定だ。私は左に出る。左斜め前に140kmの選手がひとりいるので、そのさらに左だ。
3人横一線。前を見て踏んでいるのでよくわからないが、右端が最初に落ちたと思う。右隣とは横一線のまま。記録を見ると500W出ている。両足とも太ももがやばい感じ。ゴールまでもつかどうか微妙な感じ。でも、ここまで来たら踏むっきゃない。パワートレーニングで最後に向けて出し切るとき、あと何秒というのを見ながら踏むときと同じように、ゴールのゲートだけを見てケイデンスを上げる。この状態で力を出そうとギアアップしたら失速するのはトレーニング時の経験からあきらかだからだ。と、右隣がすっと下がる。やったと思った瞬間、ゴールした。最後は600W。
ゴール直後、「ウォー」という雄叫びが出た。見ていた人は競り勝ってゴールした雄叫びだと思っただろうが、実は、「両足つったー。いてぇ!」の雄叫びである(^^;)
最後に競った人とおしゃべりをしながら、ゴールからチップ回収所へ向かう。
「負けました~」
「いや~、やっぱり、同クラス同士だと燃えますね~」
「ですね~」
「おかげで楽しいゴールになりました。ありがとうございます」
幸い、つったのは一瞬で、ペダルを回すのも、止まって立つのも特に問題はなかった。チップを返却したあと、水をボトルにもらってアンカーテントに向かおうと思ったら、野上さんという仕事関係の知り合い(翻訳会社の社長さん)が出迎えてくれた。
■ゴール直後、野上さんが撮ってくれた私
■野上さんが出迎えてくれた
毎年、このころ沖縄に来ているのだそうで、今年はちょうどかぶっているので、できたらゴールに行くとは言われていたのだけれど、ゴールの時間がどうなるかもよくわからなければ、それこそ、ゴールできるかどうかもよくわからない話で、会えるかどうかわからんなと思っていたので、とてもうれしかった。
ゴール直前の写真を撮ろうと思っていたのだけれど、すごい勢いで突っ込んできたので撮れなかった、だそうだ。ロードを知らない人からすれば、時速40kmを超えるスピードで自転車が走ってくるとは思わないよな。優勝争いでなければ、最後、めいっぱい出し切るゴールは珍しいし。
野上さんとわかれたあと、アンカーテントで水1本とおにぎりひとつ。去年は固形物なんてとてもとてもという状態だったが、今年はいろいろと余裕ありまくりでおにぎりがおいしい。そのあと、湯茶提供のテントに行き、ボトルにシークワーサージュースを入れてもらう。
と、突然、「井口さんですよね?」の声。「はい」と答えつつ、だれだろう、見覚えないんだけどと思ったら、「いつもブログ読んでます。ずいぶんトレーニングされていたから、どっかで抜かれるんじゃないかと思ってたんですが」とのこと。そうですねぇ、そのくらいの走りができるかもしれないとひそかに期待はしていたんですが……まあ、なにせいろいろありましたから、今年のツール・ド・おきなわ。来年は、ご一緒できるくらい走りたいと思ってます>声をかけてくださった方
預けた荷物を取りに行って、その帰りに、また、ボトル1本のシークワーサージュース。これでようやく落ちついた感じ。
VAAMモニターのほうでも、ゴール後、昨日決起集会をやった場所に来てくれという話があったので、行って結果の報告。
補給は、去年はSAVAS×8の1360kcalとドリンクの200kcal、合計1600kcal弱だった。今年は、結局、SAVAS×2(スタート時1本、最初の海岸線で1本)とマグオン2本(学校坂前と東海岸に出たところ)、それにドリンク1本の100kcalで合計700kcalだけだった。去年の半分以下。これで最後まで力強く走れたのは、脂肪燃焼を促進するというSuper VAAMのおかげか。
汗がよく出るという話があるが、そのあたりはどうかと尋ねられたが、正直、私はそんな気がしていない。というか、私はもともと汗かきで、おそらく、汗腺の能力一杯一杯、すぐに汗をかいてしまう。だから、それ以上汗をかくということはないのではないだろうか。去年が暑すぎたこともあるが、去年はボトル5本飲んで、ゴール後も水ばかり飲んでいたのに対し、今年はボトル4本でゴール後、そこそこ飲めば十分という感じだった。
先日のなるしまスーパーグランフォンドでご一緒した方々を見かけたので、なるしまな人たちにも何人かご挨拶をする。なるしまスーパーグランフォンドでリーダーだった小畑さんからは「きれいなバイクでこないだの彼のと似てるなぁと思ってたんだけど、やっぱり本人だったんですね」と言われた。今日はなるしまジャージじゃないし、ヘルメットも違うのでわからなかったのだろう。いや~、やっぱ、オレンジのバイクは目立つし台数が少ないので覚えてもらえる。いいわ。
あまりお腹がすいていなかったので、屋台の食べ物はなしでホテルに戻ることにした。死んでいた去年とは異なり、脂っこいものも食べられるお腹ではあったのだが。
戻りは、アクティブリカバリーの上限から低めエンデュランスくらいで走る。足も体も快調。道がわかるなら、まじで、昨日行けなかった古宇利島まで行きたいと思ってしまったほど。足、余りまくりである。
部屋に戻り、着替えて風呂に行く。同時にコインランドリーで洗濯+乾燥100分をスタート。風呂のあと、テラスでひとり祝杯。もっともっと走れたとは思うが、とにかく、目の前で2回も落車があったのに巻き込まれず無事だったし、目標に近いタイムで走れたのだし。
■しま豚ジャーキーと地ビールで祝杯
速報記録によると、タイムは3時間20分36秒111。目標の3時間20分にほぼしか届かなかったというか、ちょい届かなかったというかである。去年なら30位くらいのタイムなのだが、普久川ダムの上りで先に行った集団は大きく、50位は難しいはずなんだが……と思ったら、案の定というかびっくりというか、これで60位。シードは1年かぎりとなってしまったか(--;) いや、今年だって、目の前で落車がなければ十分にシードが取れる走りができたはずで、来年、がんばれば再来年はまたシードを取り返せるはずだ。来年、スタート時の並び順争い、がんばろう。
自分より上に自分より年上がいないことという目標は達成。でも、50台順位(オフィシャルなものではなく私が勝手に見ているもの)が去年の4位から6位へと後退。
コインランドリー、100分のはずが、結局、130分くらいかかったかな。ここまで所要時間が違うと予定が狂うじゃん。それでも、打ち上げの集合時間前にはなんとか終わったので、まだ暖かい洗濯物をベッド上にバラっと広げて打ち上げへ。
■打ち上げ会場
■打ち上げはアンカーチームと一緒
チームとしてもツール・ド・おきなわでシーズン終了だからか、みんな肩の力が抜けていて楽しそうだった。
■私が座ったのは、たまたま、今年で引退する井上選手と同じオーバー40を走った内川氏と一緒のところ
井上選手には、来年に向けての課題と思っている左足強化についていろいろとアドバイスをしてもらった。筋トレで効果を上げるのは意外に難しいので、最終的には、できれば、そのあたりの専門家に相談すべきとのこと。
■今年の全日本TTチャンプ、西薗選手とドアップ2ショット(^^;)
■抽選会は特等を引き当てた
雨をはじくらしい。今年の富士チャレンジみたいに雨の中を走らなければならないとき、すごくいいかも……って、でもこれ、私みたいのが着て走っていいのか!?
楽しく飲んでしゃべって、ホテルに戻ったのは9時半ごろだったかな。解散して部屋に向かって歩いていたら、「バーもありますけど、寄りますか?」と藤田さん。そんないい話、断る手はない。ちょうど話をしながら一緒に歩いていた私も内川氏も、一も二もなく、ぜひということでバーへ。結局、11時すぎまで飲みながらいろいろな話を聞いた(話をしたというより、藤田さんにいろいろと話していただいたという感じ)。機材の話、現役選手の話、若手の状況、我々のようなアマチュアのシニアにとってのポイントなどなど。こういう公開の場に書いても問題ないことが確実で、ふーんと思ったのは(↓)の2点。
・足がつるのは、水分だとかミネラルだとか言うけど、そんなの関係ない。ただただ筋力不足。
・コーナーリングのトレーニングには修善寺サイクルスポーツセンターはなかなかにいい。上手な人なら、あのコースをノーブレーキで回れる。
部屋に戻り、風呂に行ってから寝ようかと思ったら、大浴場は閉まったあとだった(^^;)
自転車のパッキングなどもぜんぶ翌朝回しということにして、12時ごろ就寝。
#vaam_okinawa
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