オーロラツアー(3日目)~トナカイ牧場
5時ごろ、目を覚ます。二度寝。
7時半起床。8時ごろ、お世話係が子どもたちに勉強させようと部屋に行ってみると……いない。時計は8時半に近い。どうも、親の部屋は時計が狂っていたらしい。ちなみに、この時点で外は真っ暗。
なお、居間のパネルヒーターは朝になっても暖かくなっていない。やはり壊れているらしい。ほかの部屋のパネルヒーターでそれなりに暖かいし、暖炉もあるので、なければないでなんとかなるとは思う。
■朝ご飯
朝ご飯までの少しの時間、お世話係監視のもと、子どもたちはお勉強。
●朝食
左手前のお皿の奥に乗っているのは、トナカイチャーハン。なかなかにおいしい。同じ皿の手前に乗っているのは、近くでとれたお魚の塩漬け。これもおいしくて、こばっかいが特に気に入ったらしい。
オートミールのようなモノ(机の境目あたりに置いてあるお皿の中身)は、フィンランドの人が毎朝食べるもの。ミルクと砂糖をかける、あるいは、ジャムを混ぜて食べるらしい。麦で作ったおかゆという感じで、そのまま食べてもそれなりにおいしい。にこばっかいは、これが特に気に入ったらしい。
●外の様子
朝食後、10時ぐらいの外の様子。地平線はなんとなく赤くなっているが、全体はこんな感じで薄暗い。露出の調整で明るく写すと(↓)な感じ。木の枝にびっちり氷がついていてとてもきれい。
●凍り付いた木の枝
■トナカイ牧場
今日のアクティビティは「トナカイ牧場」。こちらでは、トナカイが資産。大部分は放牧しているが、放牧分が一気に死んだりすると資産が全部なくなってしまうので、一部は牧場で管理しているらしい。
出発は11時ごろ。
交通手段は、ソリをスノーモービルで引っ張るという形。
●スノーモービルとソリ
●座るところにはトナカイの毛皮を敷く(半ば凍っている)
●スノーモービルが巻き上げる雪が顔に当たってけっこう痛い。気温はマイナス27℃。スキー用などとして売られている顔面のプロテクターが欲しいところ。
空はそれなりに明るい。地平線は朝焼けという感じに赤く染まっている。極夜で太陽はあがらないわけで、一番明るくなってもこの程度なのだ。
牧場に到着し、えさのトナカイゴケをまくと、トナカイが集まってきた。いろいろな種類がいるのか、毛皮の色もいろいろなら角の形もいろいろ。白いトナカイは、肉が堅いが、結婚式などには、このトナカイの皮で作った靴を履いたりするらしい。牧場にいるトナカイは、ざっと数えて80頭くらいのようだった。
●トナカイ牧場のオーナーとトナカイたち
トナカイは基本的におとなしい。ただ、へたに触るとびっくりして飛び上がったりすることもあるらしい。そういうときに角が当たると大けがをしそう。というわけで、すぐ近くにいても、皆、触らないようにしていたが……けっこう人を気にしない子がいて、体がぶつかったりとか……この子なら大丈夫そうだと触ってみた。
●トナカイに触ってみる
トナカイは角が生え替わらないみたいな話を聞いたので牛の仲間なのかなぁと思っていたが、糞は鹿にそっくり。角も大小さまざまだし、やっぱり生え替わるんじゃないかなぁ。
●トナカイの糞
■休憩小屋
●雪に覆われた森を進む
牧場からもうしばらく先へと進む。と、昔ラップランドで使われていたものとよく似た構造の小屋があった。休憩小屋らしい。柱を円錐状に立て、そこに「紙」を張ったものだそうだ。紙といっても、はっきりと厚みが見えるほどのものでとても丈夫。内部から見てもつなぎ目がないようだし、どれだけ大きいんだか。
●休憩小屋
真ん中に炉があるのだけれど、そこには氷が張っている。こんなんで使えるのかと思ったら、1分もかからずに火が付いた。驚き。
種火は、白樺の樹皮。その上に、薄く割った薪の端をナイフで削り薄い部分を作ったものを置く。薪は、直径30~40センチくらいの太いモノなのに、小さな手斧でぱんぱんと割ってしまう。これも驚き。よく乾燥しているとしても、あんなに小さな斧で割れるなんて。薄い部分を作るのは、子どもたちが買ったタイプのナイフ。ふーむ、こちらで生活している人にとっては、いまも実用品らしい。
●真ん中で火をおこす
やかんでお湯を沸かし、そのやかんにコーヒーの粉をそのまま入れてコーヒーを淹れる。コーヒーは、やかんから直接カップに注ぐ。要するに、上澄みを飲むということ。前夜、マーケットでコーヒーに2種類あると聞いたが、やかんマークのものを使うのだろう。
●コーヒーが入ったやかん
コーヒーと自家製パンでおやつ。時間は12時ごろか。炎に当たっていると、けっこう暖かい……と思ったのだが、体の陰においていた手袋は凍っていた。気温的には零下ということらしい。まあ、マイナス27℃に比べれば、マイナス10℃だったとしても十分に暖かいってことにはなるんだけど。
トナカイ牧場を経由して戻る。
●トナカイ牧場の入り口。ドアを開けるのかと思ったら、こんな構造だった。
宿に戻る途中、昔門脇さんが借りて住んでいたところを見せてもらう。写真はサウナ小屋。建てられたのは100年くらいも前なのだそうだ。それがいまだに現役で使われている。これも驚き。
●100年ほど前に建てられたサウナ小屋
周囲にはいくつか小屋があるのだが……寝る小屋に薪小屋、トイレ小屋(!)などらしい。トイレに行くのに、マイナス30℃くらいの外を通らなければならないし、当然、トイレ内部も-30℃なわけだ。なかなかに厳しいものがあると思う。
■投げ縄
宿泊場所に戻ったところで、にこばっかいは寒さに耐えられず部屋へ。こばっかいと私は、投げ縄をトライさせてもらう。
右手側に幾重にもループを作っておき、その全体を放り投げるという形式。西部劇に出てくるように頭の上でくるくる回したりはしない。大きなループが縮みながら飛んでいき、トナカイの角に引っかかればOKらしい。
何回かトライするが、なかなか思ったところに投げられない。また、縄に触るため、手がどんどん冷えていく。数回トライしたくらいで手先がじんじんし始めたので、あきらめてコテージへ戻ることにする。この時点で午後1時半くらい。
■部屋に戻ってサウナ
薪の場所を教えてもらい、暖炉に火を入れる。冷えた体はサウナで温める。最初の数分間では、まだ、足先や腰回りなどが冷たい感じだったけれど、いったん体を冷水シャワーで冷やしたあと、もう1回、サウナに入ると、全身が芯まで温まった感じ。
サウナ後、私はビール。フィンランドでは一番ポピュラーらしい会社(LAPIN KULTA)のもの。
●LAPIN KULTAのビール3種
真ん中のが一番普通のものらしい。今日はピルスナー(らしい^^;)。とても軽いのと、サウナ後でのどが渇いてるのとで、一気に飲んでしまう。
■お昼
お昼は、試食用にと持ってきたサバイバルフードの雑炊。けっこうおいしい。
遅めのお昼を食べて、3時ごろ、ふと外を見ると、夕焼けがきれいだった。外に出て写真を撮ってみる。外気温はさらに下がって、-32℃だった。
●夕焼け
追加の薪を取ってきた後、子どもたちは勉強。ふたりとも、秋の成績がなんともはやの状態だったこともあり、オーロラツアー中は勉強することになっているのだ。
■夕食
7時すぎに部屋で夕食。今日は自炊の日なのだ。
ソーセージを暖炉で焼きたいとのことで、串にする木の枝を調達。
●こちらで買ったナイフで木の枝を整えるこばっかい
手にタオルを巻いてソーセージを焼く。暖炉でソーセージを焼こうとすると、手も一緒に焼ける気がするくらいになるので。枝が少し細すぎたようで、ソーセージが安定せず、どうにも焼きにくい。
夕食後はカタンをワンゲーム。お世話係とにこばっかいが先行し、私があとを追う展開で、最終的にはこばっかいが勝つ結果となった。
ときどき外に出てみるが、薄曇りでオーロラは見えそうにない。
11時半ごろ就寝。
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