電圧とバイアス電流、後段Trとバイアス電流

品切れで待たされていたLMP7732が届いたので、この週末、少し聴いてみたのだが……そうこうしているうちに、後段に2SC2320/2SA999を使うと暖かくなることに気づいた。それっておかしくない？　全消費電流で50mAもいかないはずで、発熱などしないはずなのでは？

トランジスタによって違うらしい→特性の違いなどにより2SC2320/2SA999ではアイドル電流が流れすぎている→発熱ってことだろうなぁと少し測定してみた。

バラックで聴いている回路でアイドル電流をはかるのはちと面倒だったので、とりあえず全消費電流を測ってみた。220Ωのバイアス抵抗がついた回路で（バラック状態）、電源電圧と後段トランジスタを変えて全消費電流（mA）を測定。

●バイアス抵抗220Ω時、電池2本/4本による全消費電流（mA）の違い

電池本数（eneloop）	2本	4本
2SC1815/2SA1015	28	104
2SC2320/2SA999	38	157
2SC1845/2SA992	31	66
2SB647 /2SD667	50	133
2SC3668/2SA1428	67	173

電池が2本と4本でけっこう違う。2SC1815/2SA1015でさえも。220Ωがない状態で（0Ω）、なべさんは、全消費電流を8mA（±1.2V）と12mA（±2.4～15V）とされている。めちゃめちゃ乱暴に概算すると、2SC1815/2SA1015で45mA、2SC2320/2SA999では70mAあまりがアイドル電流として流れているってことにならないか？

電子回路の動作を考えるのは20～30年振りなので自信がないし、定電流ダイオードが入るとどうなるのかがよく分からないのだが……電池が2本のとき定電流ダイオードが飽和していなければ（電流＜1mAなら）、電源電圧が上がったとき後段トランジスタのベース電圧は上昇し、コレクタ電流も増大する、んじゃないのかなぁ。

これはやっぱりアイドル電流自体を測ってみる必要がありそうだ。別の目的でブレッドボード上に別回路を組んであったので、そちらで後段トランジスタのアイドル電流を測ってみた。電池の本数は4本（+/-2.4V）。

●電池4本時の後段トランジスタアイドル電流

バイアス抵抗	0Ω	220Ω
2SC1815/2SA1015	1	54
2SC2320/2SA999	3	85
2SC3668/2SA1428	15	102

うーん、やっぱり。2SC2320/2SA999で85mAか（上の表と計算が合わないのは物理的に違う回路で測定しているから）。

なべさんによると、アイドル電流は10mAくらい流れれば十分なはず。ということはやっぱり、電源電圧を上げたり後段トランジスタを変更したりしたら、後段トランジスタのバイアス抵抗を変更してアイドル電流のチューニングをする必要があるってことなんじゃないかなぁ？？？

■2008/11/24追記

やはり調整した方がいいだろうとのアドバイスがなべさんからあったので、どのくらいにしたらいいかを検討してみる。

前段・後段ともに2SC1815/2SA1015として、バイアス抵抗を変化させてアイドル電流を測定してみた。電池は満充電としたばかりのEneloop。めいっぱい電圧が高いときなのでアイドル電流も高めに出ている。

●バイアス抵抗値の違いによる後段トランジスタアイドル電流の変化

バイアス抵抗(Ω)	0	50	100	150	220
電池2本時のアイドル電流(mA)	1				19
電池4本時のアイドル電流(mA)	1	7.5	21	40	58

なべさん推奨の電池2本における220Ωに相当するのは、電池4本では100Ωというところらしい。少なくとも私がテストをした環境では。